今後10年間は僕が独走する――34歳でぶっちぎりの外食成長株、ステーキ「けん」井戸実社長に聞く(4) - 12/04/17 | 12:23 |
[+]画像拡大 |
---|
――すかいらーく「ステーキガスト」以外にも、ロイヤルホスト「カウボーイ家族」と他社も追随している。
困ったことだが、それはある意味仕方がないこと。業態を作るのは難しい。僕の講演会で、ある大手ファミレスチェーンのステーキ業態開発責任者に会ったことがある。かなり高齢の経営者に「当社のエースだ」と言われて紹介された担当者が49歳だ。40歳代後半はもう若手じゃない。そんなこともわかっていない。
――今後、ロードサイドの市場をどう見る。
外食市場そのものが縮小する中、ロードサイドは特に減るだろう。逆にいうと今まで儲かりすぎたということだ。ただ、ファミレスはコーヒーから食事までとカバーしている分野が広いため、なくなることはないだろう。
「けん」に続く業態として、前述のパスタなど新業態の開発を進めている。ファミレスの撤退は一巡したが、個人店や回転すし、焼き肉屋など相変わらず撤退は多い。マーケットはしぼんでいるといっても、膨らんだときに投資された設備が残っている。それを有効活用しない手はない。
■サラリーマン店長には限界、オーナー化・FC化を進める
――直営、業務委託、FCなどさまざまな運営形態を取っているがどんな違いがあるのか。
当社が直接運営する直営店は、これがないとFC展開ができない。業務委託は、直営店の店長を経営者にしようという目的で、各店長にオーナーになってもらうシステムだ。FCは契約締結企業の投資で店を造ってもらい、われわれはノウハウの提供料をもらうシステムと、この3点に分かれている。
今後、直営はどんどん減らしていく。それは、サラリーマン店長では、電気や空調のスイッチをまめに切って節約しようとはしないが、オーナー店長になって自分の収入に跳ね返ってくるとなると、途端にこまめなコスト削減をし始める。店長はみんな経営者にしたほうがコスト管理の面が徹底する。
もう1つは民主党が社会保険の適用枠を拡げようとしており、そうなれば小売りや外食産業はたまったものではない。その対象にならないように業務委託契約を推進する方針だ。
――過去、ファミリーレストランなどでは、アルバイトを休ませて店長が代わりに入ることで、コストを圧縮する動きがあった。すかいらーくでは業務委託契約の店長が過労死した事件もあり、外食業界では労働管理を徹底してきた。そういった流れに逆行しないか。
倒れるのはそいつが悪いだけ。自己管理の問題だ。利益を出すにはそれしかない。僕の立場で言っていいかわからないが、そもそも労働基準法がおかしい。なぜ週40時間以上の労働が残業になるのか。そんな環境にあるのは公務員だけだ。労働関係の法規制は、いろんな働き方や仕事がある現在の状況に合ってない。
- 【PR】
- 建機レンタルが復興後の成長を目指すなら海外だ――金本寛中・カナモト社長 -12/05/08
- 本当に意味のある技術ならわかりやすく伝えられる――李英熙・サムスン電子専務携帯事業グローバルマーケティング責任者 -12/05/01
- 伝統的な商業銀行強みにアジア地域で成長を加速――三菱東京UFJ銀行頭取・平野信行 -12/05/01
- 日立グループの強みを生かし、コマツと肩を並べたい――日立建機社長・辻本雄一 -12/04/26
- 自ら動いてブランド力向上を図る――キリンビール新社長・磯崎功典 -12/04/26
- 「おネエ」だけじゃない、性的マイノリティとの共生を――企業におけるLGBT対応 -12/05/09
- 野田首相に残された道は、本音でビジョンを訴える正攻法のみ -12/05/08
- 原発被害に悩む南相馬、医療再生の苦しい現実 -12/05/08
- 北京モーターショーでも鼻息荒い独フォルクスワーゲン、中国で快走する理由 -12/05/08
- 沖縄経済の実力――本土復帰40周年、視線はアジアへ -12/05/08
【東洋経済オススメ情報】