今後10年間は僕が独走する――34歳でぶっちぎりの外食成長株、ステーキ「けん」井戸実社長に聞く(3) - 12/04/17 | 12:23 |
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ただ「けん」があまりにうまくいきすぎたため、現在育成中の「とんかつ&サラダバー よしかつ」は面白くない。今後は、まずは国内で「けん」を400店舗出店し、その次は別ブランドを育てるかM&Aを実施する。
――エムグラントフードサービスの5年後をどう描くか。
5年後はそんなに変わっていない。売上高500億円、店舗数は600店ぐらいだ。僕はまだこの会社のトップにいて細々とやっているだろう。主力はステーキのけんだが、それでは500億円に届かないので、もう1つか2つのコンテンツがあるはず。自社で作るか、M&Aかはそのときの状況によるが、M&Aの可能性が高い。
■都心は割に合わない、ロードサイドで頂点目指す
――ロードサイドに出店立地を絞っている。都心では店を出さないのか。
あくまで売上高と家賃のバランスの問題だ。1つのお店で1000万円の月商を作るときに、どれだけの面積が必要なのかが問題になる。東京都内で繁盛店と呼ばれるお店は坪当たりの売上高が20万円程度。1000万円の売り上げを作るためには50坪の店がいる。家賃比率が7〜8%が適正だと言われる中、50坪の店舗で家賃70万〜80万円の物件はなかなかない。
しかも普通のお店だと坪当たりの売上高は15万円程度、7万〜8万円の場合もある。そうするとなかなか都内では成り立たない。ところが郊外のロードサイドではそういった物件がごろごろしている。売上高と家賃のバランスを見たとき、郊外のほうが売り上げを伸ばす余地が大きい。
「けん」のビジネスモデルは客単価や売上高家賃比率など、外食産業のビジネスモデルの王道を行っている。それは僕がすし屋を皮切りに、レインズインターナショナル(焼き肉店「牛角」を運営)、リース会社と仕事を変えてきた中で、飲食店が成立する条件を学んできたからだ。
よい場所を取ってきて高い家賃でやるのは誰でもできる。難しいのは一本裏道でも集客できる業態を作ることだ。特にレインズでは、二等立地戦略を取ること、設備投資をしてはいけないという大切な2つのことを学んだ。
――ロードサイドの頂点を目指したいとしているが。
やるからには頂点を目指したい。この市場にはすかいらーくというファミレスの基礎を作り、ロードサイドのマーケットを開拓してきた先輩がいる。そのことに感謝はしているが、業界のリーディングカンパニーが「けん」と非常に似通った業態を展開しているのは困ったことだ。売上高では1ケタ(注:すかいらーくの連結売上高は3418億円とエムグラントサービスの15倍)違う。総資産に至ってはロイヤルホールディングスが778億円、すかいらーくは2937億円。当社は総資産は非開示だが資本金は3000万円と大違いだ。
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