［国際］サイバー攻撃対処で協力関係強化　米中国防相が会談（2012.5.8 11:42）

　【ワシントン＝犬塚陽介】パネッタ米国防長官は７日、国防総省で中国の梁光烈国防相と会談し、米中両国がサイバー攻撃に対処するため、協力関係を強化していくことで一致した。両国は海賊対策のため、今年後半にアフリカ東部ソマリア沖のアデン湾で、合同訓練を実施することでも合意した。中国の国防相の訪米は９年ぶり。

　梁国防相は共同記者会見で、中国がサイバー攻撃の発信源になっているとの指摘について、「米国に対するすべてのサイバー攻撃を中国に帰することはできない」と反論した。

　パネッタ長官もサイバー攻撃に関与する「他の国家や行動者がいるのは明らかだ」とした上で、両国が技術協力を深めて「周辺地域を危機に導きかねない誤算や誤解を防ぐことが重要」と指摘した。

　また、パネッタ長官は「われわれの目標は、将来にわたる建設的な関係を築くことだ」と述べ、両国は軍事交流を深めていくことを確認。梁国防相はパネッタ長官に今年後半に訪中するよう要請した。

　会談では北朝鮮やイランの核問題、台湾への武器輸出、南シナ海の領有権問題なども協議したもようだ。