国際米比、海上安保の連携強化 初の2プラス2 中国を牽制2012.5.1 20:37

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米比、海上安保の連携強化 初の2プラス2 中国を牽制

2012.5.1 20:37 中国

 【ワシントン=犬塚陽介】米国とフィリピン両政府は4月30日、初の外務、防衛担当閣僚会合(2プラス2)をワシントンで開催し、フィリピンの海上での安全保障能力を強化するため、両国が緊密に連携することを確認した。

 フィリピンは南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権問題で中国と対立し、両国の船舶が周辺海域でにらみ合いを続けている。米国は、領有権問題に関しては中立の立場を強調する一方で、フィリピンとの同盟関係の強化を確認し、中国を牽制(けんせい)した形だ。

 2プラス2には米国からクリントン国務長官とパネッタ国防長官が、フィリピン側からはデルロサリオ外相とガズミン国防相が出席した。

 クリントン長官は会合後の共同記者会見で、両国がスカボロー礁の周辺海域で続く緊張に「深い懸念」を共有していることを表明。米国は領有権問題で中立を堅持するが、南シナ海の安全と航行の自由は「米国の国益」と強調し、強硬姿勢を示す中国を念頭に「脅迫や軍事力の行使には反対する」とクギを刺した。

 デルロサリオ外相は、スカボロー礁領有権問題の解決に関して(1)東南アジア諸国連合(ASEAN)の枠組みを使った政治解決(2)国連海洋法条約の下での紛争解決(3)2国間の外交交渉-を模索する方針を提示した。領有権問題に関与しない米国の立場に理解を示す一方で、「米国は相互防衛条約の義務を履行することを表明した」と述べ、中国を牽制した。

 両国はこのほか、2プラス2ではフィリピンの基地を使った米艦船の配備、グアムや豪州などを巡回する米海兵隊の「ローテーション配置」へのフィリピンの組み込みなども協議したもようだ。

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