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維新市議 政調費から献金…賃料上乗せ、還流

 地域政党「大阪維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)の飯田哲史(さとし)大阪市議(28)が、政務調査費で支払った事務所賃料の3割近くを、自らの後援会への政治献金として事務所オーナー側から受け取っていたことがわかった。双方の合意で賃料は高めに設定され、政調費で支払われた上乗せ分が献金として還流していた。

 飯田氏は昨年4月、市議選・城東区選挙区(定数5)で初当選した。

 関係者によると、飯田氏は同2月に選挙に向けた事務所として同区のビル1階部分23平方メートルに入居した。賃料は月額10万円だった。当選後の5月、月額12万円で賃借契約を結んだ。

 飯田氏によると、契約の際、オーナーの父親で自らの支援者だった会社社長から、「息子の顔を立ててほしい」と言われて高めの賃料に設定された。そこで飯田氏は社長に対し、「その分、応援してください」と、献金を求めたという。

 一方、オーナー側は読売新聞の取材に、「元々、9万円で別のテナントに貸していた。飯田氏から『賃料を3万円上乗せするので、その分を寄付してほしい』と頼まれて、12万円になった」と、具体的な上乗せ額と献金額を示されたと証言している。

 飯田氏は支払った賃料のうち、9割にあたる月額10万8000円を政調費から支出し、残りを自己負担した。

 昨年12月、社長は契約時から年末まで8か月分の上乗せ額に相当する24万円を飯田氏側に手渡した。飯田氏側は後援会名義の領収書を社長に発行し、政治献金として処理した。

 社長は「賃料の上乗せ分をオーナーにプールさせ、献金に回した」と言い、政治献金の原資が政調費だとしている。

 市議の政調費は月額51万3000円。使途は事務所の経費やスタッフ人件費など政務調査に関する支出に限られ、政治献金は認められていない。

 後援会関係者の一人は今年2月、社長から「賃料を上乗せして受け取り、差額をプールして政治献金している」と聞いた。飯田氏側に「警察ざたになる。やめておけ」と注意したが、飯田氏は「問題ない」として取り合わなかった。

 飯田氏は読売新聞の取材に、「家賃の支払先と献金をもらった相手は父子といっても別人なので、問題があるとは思っていなかった。しかし、政調費が政治献金として還流されていたのは事実のようなので、献金は社長に返したい」と話している。

2012年5月3日  読売新聞)
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