原子力委:議案選定、際立つ不透明…委員長は隠蔽を否定
毎日新聞 2012年05月08日 02時30分(最終更新 05月08日 02時44分)
新大綱策定会議の議案隠蔽(いんぺい)疑惑で、原子力委員会の近藤駿介委員長は7日、毎日新聞の取材に「事務局(内閣府職員)から『(取り上げると)地域の範囲について議論になる』と聞いた」と、報告を受けた事実は認めたものの「(報告を受けたから)議題として取り上げなかったのではなく、議案が煮詰まっていなかっただけ」と正当性を主張し隠蔽を否定した。しかし、関係者によると、経済産業省・資源エネルギー庁や電気事業者側が延期を求めないと4月の策定会議で取り上げられる方針だったといい、食い違いが際立つ。
一方、議案が事業者に渡った点は「(事実なら)特定の団体に事前に配るのは好ましくない」と不適切さを認めた。しかし「不公平ではないか」との質問に「アンフェアかどうかは知らない」「議事選定が不透明ではないか」との指摘には「選定なんて一貫して透明じゃない」と独自の理論を展開した。
エネ庁の吉野恭司原子力政策課長は「確認しないと答えられない」と言った。「記憶がないのか」との問いにも「覚えているかどうかも含めて確認する」と不明瞭な回答に終始した。【清水憲司、松谷譲二】