2001年および2003年に宣言された傑作の紹介
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- 2005年の傑作-
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人類の口承及び無形遺産の傑作:

"中央アフリカのアカ・ピグミー族の口承伝統"
 
宣言年:
2003年

国名:
中央アフリカ共和国

関係するテーマ:
口承の伝統と表現、伝統音楽
参考資料
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解説:

 
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中央アフリカ共和国の南西部に住むアカ・ピグミー族は、近隣民族とは全く異なり、アフリカ大陸の他の地域にも類のない声楽的伝統を育んできました。アカ族の音楽は四声部からなる極めて複雑な対位法による多声音楽です。アカ族の誰もがこの多声音楽技術を完璧に習得していることも特筆に値します。

音楽と踊りは古来より、アカ族の社会・文化行事の不可欠な構成要素をなしてきました。この音楽と踊りは、新しいキャンプの設置、狩猟、キャンプの集合、あるいは葬式などの祭式の不可欠な一部となっています。楽譜に記述された多声音楽と違って、アカ族の多声音楽は即興と自然発生的な表現を許容します。アカ族は非常に複雑な音楽様式を編み出しました。一つの曲の中で、歌い手は自分のパートで声を自在に変化させていくつもの変化を作りだすことができ、このため音楽は絶えず変化しながら展開していくという印象を与えます。各儀式に合わせて特定の打楽器や弦楽器が伴奏に使われますが、最も使用頻度が高いのはタムタム(enzeko)、ハープの一種(geedale-bagongo)、一弦弓(mbela)で、楽器はいずれも手製です。集団の結束と社会の価値の維持に不可欠な知識が歌を通じて伝承されます。踊りは手拍子を伴い、儀式によって、男性だけまた男女のカップルの踊りであったり、特定の場合には1人で踊ることもあります。アカ族は何世代にも亘って全く口承だけで知識を受け継いできました。子供達を小さいうちから社会の儀式に参加させることで、社会全体で知識を保持することができたのです。

消滅の危機:

アカ・ピグミー族の生活様式は、中央アフリカにおける社会変化の加速に伴って激変しています。森林伐採に伴う狩猟動物の減少や都市への人口流出、さらに、文化的伝統が観光産業向けに俗化されるのと並行して、伝統的な慣習や儀式、技術が次第に失われつつあります。

行動計画:

今後設置されるアカ・ピグミー族の文化遺産保存・促進センターは口承伝統を重視し、アカ・ピグミー族の伝統についての情報収集とその保護を支援するとともに、研究者間の交流を奨励することが予定されています。法的保護強化のため、アカ・ピグミー族の伝統は国内の文化財の目録に記載される予定です。