- ※ 2011年5月掲載
- ※ 所属、役職、メッセージ内容については掲載当時のものです。
以前から半導体という言葉は耳にしていたものの、大学の研究室に入るまでは、その中味についてほとんど理解していませんでした。小学生の頃の私は、古くなったビデオデッキをどうしても分解してみたくなり、ドライバーを片手に一心不乱に中の構造を覗くようなメカ大好き少年でした。当時の気持ちが大学の研究室に入ってから開花し、半導体への興味をかき立てたのかもしれません。研究室を選ぶきっかけになったのも、学部時代の回路作りです。回路を作って実際に動かしたことに何とも言えない感動を覚え、関係する研究室の扉をノックすることになり、その延長線上で半導体開発の仕事に就こうと思いました。
入社して3年目までは主に回路設計を行い、4年目からは実際にCADを使って描いています。手掛けているMOSは言わばスイッチみたいなもので、ほとんどの電気製品に入っている半導体です。私が携わっているものは、携帯電話・ノートパソコン・車載用の各種製品に組み込まれているものが多く、日常生活で身近にある製品に使われているようです。「使われているようです」と推測的な言い方になってしまうのは、設計した先でどの製品に組み込まれたかを、なかなか具体的には把握する機会が少ないからです。
最初の3年間任されていたICの回路設計では、まさに手探り状態の連続でした。それでも自分一人でできるところを見せたいという思いが強かったですね。しかし現実は厳しく、私は大きな試練を与えられることになりました。直面する問題と格闘の挙げ句、絶対にしてはいけない納期遅延をしてしまったのです。「学生じゃないのだから結果を納期までに出すように」と上長から叱咤されました。その後は、先輩などから適宜アドバイスを受けるように心掛けています。問題の解決には、周りの仲間はどんな時でも力になってくれます。そこが、この会社の素晴らしいところだと思っています。
私は、ソフト面ハード面を問わず広範囲に技術を身に付けたエンジニアになることが目標です。些細なことも吸収すれば、いつかは自分にはプラスになると思いたい。全く同じことを学生の皆さんにもメッセージしておきたいですね。