パリ(CNN) 6日のフランス大統領選決選投票で、経済成長の必要性を主張する野党社会党のフランソワ・オランド氏が当選したことにより、現職のサルコジ大統領が推進してきた緊縮路線の行方が危ぶまれている。
オランド氏は6日夜の勝利演説で「緊縮策はもはや必然ではない」と語り、路線転換の方針を改めて示唆した。パリのバスティーユ広場では多数の支持者らを前に「長年の傷を治して回復し、団結しなければならない」と演説した。同氏は15日までに正式に就任する。
サルコジ大統領とともに緊縮路線を率いてきたドイツのメルケル首相は7日、経済成長には賛成だとしたうえで「問題はそれが(政府の)債務に依存した成長か、あるいは持続可能な成長かということだ」と述べた。独政府のザイベルト報道官はこれに先立ち、オランド氏が掲げる欧州連合(EU)財政協定の再交渉は「不可能」と語った。
同報道官によれば、メルケル首相はオランド氏に、就任後なるべく早い時期にドイツを訪れるよう呼び掛けた。オランド氏の報道官も、同氏は就任後すぐにベルリンに向かうと述べた。
オバマ米大統領は選挙結果が判明した直後にオランド氏に電話で祝意を伝え、米ホワイトハウスに招待した。