決壊の情報があった土砂ダム(下方が上流)=18日午後1時1分、宮城県栗原市、本社ヘリから、上田幸一撮影
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土砂ダムからの水で冠水した湯ノ倉温泉=18日午後0時55分、宮城県栗原市、本社ヘリから、上田幸一撮影
岩手・宮城内陸地震でできた宮城県栗原市の湯ノ倉温泉地区近くの迫川の土砂ダムが18日午後0時20分ごろ、決壊したという情報が宮城県警や栗原市消防本部に入った。たまった水があふれ始めているといい、自衛隊などが確認作業を進めている。
このため、川の下流域で行方不明者の捜索活動をしていた自衛隊員など数十人が高いところへ避難した。また栗原市花山総合支所も、一時帰宅をしている住民に向けて、避難を促す防災無線を流した。
また北東に約10キロ離れた、3人が行方不明となっている栗駒地区の旅館「駒の湯温泉」での捜索も、安全のため一時中断された。
国土交通省によると、岩手・宮城の両県では、川がせき止められる「土砂ダム」の恐れが11カ所あり、決壊したという情報があるのはそのうちの一つ。同日午前から排水工事が進められていた3カ所には含まれていない。工事の場所は、湯ノ倉温泉地区より下流にあるため、宮城県内の作業は一時中断された。
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排水工事は、岩手県一関市の磐井(いわい)川上流の市野々原地区と宮城県栗原市の迫川上流の浅布(あざぶ)地区、同市小川原地区の土砂ダムで進められていた。
市野々原地区では、約50万立方メートルの土砂が長さ500メートルほどにわたって川に流入。土砂ダムの水位は、15日から17日までに約10メートル上がり、数日中に決壊する危険性があるという。すでに照明車なども待機している。
一方、宮城県の浅布地区の迫川にかかった橋から下流を見ると、数百メートル向こうで倒木や土砂が流れをせき止めている。脇の山肌が丸ごと滑り落ちた。橋の下は、幅30〜40メートルほどの湖のようになっており、黄土色の水の流れは完全に止まっている。橋を訪れた自衛隊員は「きのうは見えていた水面のコンクリート部分が見えなくなっている。水位は上がっているようだ」と語った。
国交省は、土砂崩れがあった斜面に土石流の兆候を察知するセンサーを設置し、降雨が激しくなった場合などに警報を出す態勢も整えながら作業を進めている。