作品

日々煌純恋
千紗と未来
 私と未来ちゃんは幼馴染で、私は未来ちゃんに密かに思いを寄せている。
 くせ毛だから手入れが大変だと言って短くまとめられたふわふわの髪、小さいころからいつも私を引っ張ってくれた快活さ、年齢の割りに幼い身体(私もそうだが……)、トラブルに出会っても明るく笑う笑顔、そのすべてが大好きだった。
 だけど今の関係が壊れる事が怖いこと、女の子同士というマイノリティが怖いことを理由に、私は幼馴染のままでいることを選んでいた。
催眠術、百合、純愛
前編  壁面にずらりと並んだ未来ちゃんの本棚。
「……ん?」
 私が何気なく手に取った本は催眠術の本だった。
『サルでもわかる!催眠術のかけ方!』
後編  千紗……大好きな人……私の一番大切な幼馴染……
『大きくなったらちさのおよめさんになる〜』
 子どもの頃交わした他愛のない約束……。
 こんな約束をまだ覚えてるなんて、私って結構根に持つタイプだったんだな。

英理と里彩
「このライトを見て……絶対に目を逸らさないで……」
 英理の視線がペンライトの光に集中しているのを確認しながら、私はゆっくりと言葉を紡いでいく。
催眠術、百合、純愛
前編  今私の目の前で催眠状態になって眠っているのは、私の一番の親友の女の子。
 私が抱いている感情がライクではなく、ラブだということを除けば……
中編  恋の力って偉大だなって、つくづく思ってしまった。
 幸せをかみしめていられて、何もかもが輝いて見える。
後編・上書き保存  もう何度目になるのだろう。
 目の前で可愛く喘ぐこの娘を何度愛したか、いつも考えてしまう。
「ああっ!里彩っ……好き……愛してる!」
後編・そして私たちはキスをする  言葉が出てこない。
 身体が震えて、息苦しくて、声をだすことができない。
 謝らなければ! そう思っているのに、頭ではわかっているのに。

日誌と夕日と催眠術
 今日まで俺は彼女とほとんど話したことすらない。
 片思いこの状況を大きく変えることのできるアイディアなんてあるわけないよなぁ。
「はぁ……」
 テレビでは、ニートの男性に催眠術をかけてハローワークに連れ出そうという番組をやっていた。
『労働って素晴らしいですね!』
 ……催眠術、ねぇ。
催眠術、学園、リバーシブルストーリー
〜男の子視点〜  チャイムの音で俺は我に帰った。
 また授業中、ずっと小林さんを見続けてしまっていた。
 思春期の少年が罹る恋の病というのは恐ろしいもので、50分の授業時間も彼女を見つめていればほぼ一瞬のうちに過ぎてしまう。
〜女の子視点〜  増島君はぼーっとしてることが多くて、一日の予定も私がいちいち確認しないと忘れていることが多かった。
「ちょっと、増島君?聞いてた?」
「んあ?」


 

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