「若い世代はネットとリアルの区別なんてない。最初からネットもリアルもあるんだから」「商業音楽なんか全然聞かないで、毎日『初音ミク』ばかり聞いてる10代の子たちがすごく増えていった」――。
ニコ動を運営するドワンゴの川上量生(のぶお)会長はニコ動を舞台に進行している現象を分析する。ただ、最初からこうだったわけではない。2006年12月に産声を上げてから5年超。ニコ動は文字通りユーザーと二人三脚で、あらゆる動画をストックする巨大倉庫の「ユーチューブ」とは別路線をたどって成長し、若者のコンテンツ消費のあり方を大きく変えた。
■二次創作、三次創作で遊ぶユーザー
初期のニコ動は、まるでルールを知らない子どもが新たなおもちゃを与えられ、めちゃくちゃに遊ぶように、荒れ放題だった。
最初にはやったのは「MAD」と呼ばれるジャンルの動画。ニコ動版のウィキペディア「ニコニコ大百科」にはこうある。「MADとは、動画や音声を編集、改編し新たな意味を付加された動画や音声のことを指す。つまり、二次創作物である。本来MADとは、『気が狂った』などを意味する単語であり、MADと名の付く作品は内容に癖がある物が多い」
要するに既存の映像と音声を素材に編集し、面白い動画を作る遊びだ。もちろん、ほとんどの素材が著作権者の許諾を得ておらず、ニコ動は違法コンテンツであふれ返った。だが悪いことばかりでもない。ヒットすれば大きな広告宣伝効果が生まれる。代表的な例がニコ動で人気ジャンルとなったバンダイナムコの家庭用ゲーム機向けソフト「アイドルマスター(アイマス)」だ。
アイマスはプロデューサーとなってアイドルを育成し、ステージで歌って踊らせるゲーム。その映像を、ゲームとは関係ない音楽と合わせ、切り貼りして編集した新たな動画が矢継ぎ早に投稿された。音楽と寸分違わぬキャラクターのダンスに、視聴者は“萌(も)え”、喝采を送った。
テレビアニメやCM、CD、DVDなどの商業コンテンツを素材とした多くの「MAD動画」が権利者の申し立てを受けて削除される中、バンダイナムコは黙認した。商業音楽を素材としたアイマスMAD動画は削除されたが、申し立てがないゲームやアニメの音源を使用した動画が残り、ユーザーはさらにその二次創作、三次創作を繰り返して遊んだ。
■「初音ミク」が最高の遊び道具に
ドワンゴは違法状態を解消し、ユーザーに自由度を与えようと08年4月、日本音楽著作権協会(JASRAC)と包括契約を締結。JASRAC管理楽曲を演奏したり歌ったりした動画を投稿することが可能となったが、CD音源を勝手に使用することは許諾範囲に含まれておらず、ユーザーは大人の締めつけに、次第と商業音楽から離れていった。
代わりに最高の遊び道具として脚光を浴びたのが、バーチャルアイドルの初音ミクだった。
初音ミク、ドワンゴ、ニコニコ動画、きゃりーぱみゅぱみゅ、ニコ動、鏡音リン・レン、柴咲コウ、巡音ルカ、川上量生、バンダイナムコ、ユーチューブ
素人が作った曲を素人が歌い、素人がアレンジをして素人がプロモーションビデオを作る。レコード会社などの「大人」は一切、介在しないまま、次々と…続き (5/7)
ゴールデンウィーク初日の28日、2750万人の登録会員を抱える動画配信サービス「ニコニコ動画(ニコ動)」によるイベント「ニコニコ超会議」が千葉市の幕張メッセで開催された…続き (4/28)
宮古島の離島マイクログリッド、世界初の成果が続々 (4/30)
描けぬ2050年の姿 まず水と農業の構想を (5/2)
2012年5月8日付 (5/7)
「地球の鼓動」を感じ取る (5/5)
4Gへ移行始まるマレーシア、不安要因はスマホ率の高さ (2011/12/25)
米国版ワンセグ「モバイルDTV」に復活の兆し (4/20)
各種サービスの説明をご覧ください。
・エルピーダ「本命」が支援
・IDEC、東阪にLED照明モジュールの営業部門
・大日印など3社、スマホの漏洩防止一括で提供
・東芝機械、強化プラを一貫で成型する射出成型機
・大同特殊鋼、車用磁石の生産倍増…続き