小原家の三姉妹の長女として、祖父・善作にかわいがられて育った小原優子。優等生気質でまっすぐまじめ、お母ちゃんである糸子に認めてもらいたい思いが強く、三姉妹の中で先陣を切って服飾業界へと進みます。そんな優子を演じる新山千春さんに、優子のキャラクターや演じる上での工夫について伺いました。
Q. 役どころへの思いを聞かせてください
A. まっすぐできまじめ、誰よりも一番でいたい長女です
優子という女性は、信念が強くてまっすぐなんですけど、感覚的というよりはきまじめ。自分で決めたレールを一直線に進みたいと思うのに、どこか緩かったり、それがお母ちゃんに見透かされてズドンと怒られたりします。「自分で一生懸命考えたのに、なんでお母ちゃんに通らないんだろう?」ともがいたり、泣いたり。お母ちゃんの気持ちも分かるんだけど、そうはなれないもどかしさがあったり、若さならではの胸のうちに秘めた思いを持っているまじめな子です。
小原家の三姉妹はキャラクターが強い分、みんなライバル。優子はその中でも一番に認めてほしいという願望が強い子です。周りから「どうしたんや、優ちゃん?」って言われたいので、これ見よがしに泣いてみたりする。そういうところは演じていて楽しいですね(笑)。
小原家の三姉妹はキャラクターが強い分、みんなライバル。優子はその中でも一番に認めてほしいという願望が強い子です。周りから「どうしたんや、優ちゃん?」って言われたいので、これ見よがしに泣いてみたりする。そういうところは演じていて楽しいですね(笑)。
私は、17歳の優子から演じさせてもらっています。実際は30歳を過ぎたので歩き方ひとつでも上品にしたいなという気持ちがあるんですけど、17歳はそんなことに無頓着ですよね。だからちょっと足を伸ばしてみたり、品を崩しすぎない程度で若さゆえのだらしなさを意識して演じています。でも、きっと姿勢はよくしてる子だろうなとか、「うまい」じゃなく「おいしいなぁ」と言うだろうとか、そんなことを考えてますね。
小原家の「三姉妹」の関係性について
人生初、とっくみあいのケンカをしました(笑)
小原家の三姉妹はみんなライバルですが、中でも直子に対しては特別なんです。自分がとれなかった名誉ある若手デザイナーの賞をとったり、ずっと一番で走っていたい優子のプライドが毎回覆されるから、やりきれない思いや悔しさがずっとある。それを楽観的にとらえることもできず、泣くしかない優子の不器用さは、ちょっとかわいそうにもなります。自分にはない感覚的な才能が直子にあるのをどこか認めているものの、面と向かっていうのはプライドが許さないので、メラメラと秘めた思いがすごいですね。聡子に対しては姉らしくかわいがったりするんですが、直子とは常にバッチバチです(笑)。
直子役の川崎さんは、直子そのまんまの方!道の上で直子とバッグを取り合うシーン(第18週)では、私、生まれて初めてとっくみあいのケンカをしました(笑)。最初、「姉妹なんでどんどんやってくださいね!」なんて川崎さんにお願いしたんですけど、さすが女子プロレスで鍛えられただけあってすっごく力が強かったので、後で「ちょっとだけ手加減お願いします…」って言っちゃいました(笑)。リハーサルの段階でバッグがちぎれていたくらい、あの迫力はすごかった…!川崎さんは目力(めぢから)もあるし、パワーみなぎる女性ですよね。
「お母ちゃん」への思いを聞かせてください
超えられないお母ちゃん。だから、私を認めてほしい
実年齢で言うと、お母ちゃん役である尾野真千子さんよりも私の方が上なんです。だから正直、最初は戸惑いましたけど、お芝居になると「やっぱりお母ちゃんだなぁ…」と思います。まさに引っ張っていただいている感じですね。
糸子というお母ちゃんは、優子にとって超えられない人です。お母ちゃんをすごく尊敬しているからこそ、認めてほしい。優子はその一心なんでしょうね。お母ちゃんは強いし、甘えを自分に許さないタイプの人だから、お母ちゃんの前では優子は一生懸命きばって強がります。でも、優子はおじいちゃんの善作さんにかわいがって育ててもらったので、本当は人に頼って甘えたいタイプ。その分、おばあちゃんの千代さんには弱さを見せられるし、一番甘えてるのかなと思います。
千代さんの前でだけは安堵感を思いっきり出したいので、例えばお母ちゃんにまっすぐぶつかるシーンでも、「私、これでええんかな?」って一度おばあちゃんの顔色をうかがってみるなど、自分の中でお芝居を足しています。こんなシーンからも、小原家の家族の温かみだったり、三姉妹の育ってきた家庭環境がにじみ出ればいいですね。
糸子というお母ちゃんは、優子にとって超えられない人です。お母ちゃんをすごく尊敬しているからこそ、認めてほしい。優子はその一心なんでしょうね。お母ちゃんは強いし、甘えを自分に許さないタイプの人だから、お母ちゃんの前では優子は一生懸命きばって強がります。でも、優子はおじいちゃんの善作さんにかわいがって育ててもらったので、本当は人に頼って甘えたいタイプ。その分、おばあちゃんの千代さんには弱さを見せられるし、一番甘えてるのかなと思います。
千代さんの前でだけは安堵感を思いっきり出したいので、例えばお母ちゃんにまっすぐぶつかるシーンでも、「私、これでええんかな?」って一度おばあちゃんの顔色をうかがってみるなど、自分の中でお芝居を足しています。こんなシーンからも、小原家の家族の温かみだったり、三姉妹の育ってきた家庭環境がにじみ出ればいいですね。
「カーネーション」の見どころを教えてください
思いをぶっちゃけて、人と人がつながる素晴らしさがある
第19週で優子がデザインするサックドレス、あれは私の体のラインにぴったり合わせて作っていただいたんです。これがすっごく素敵なカラーで、腰のあたりでリボンを結ぶ昭和のレトロデザイン。すごく斬新ですよね。他にも、ブラウスに刺繍が入っていたり、目立たないところにレースをあしらってあったり、どれもディテールが凝っているんです。私自身もファッションブランドを持っているので、「あそこにタックを入れたらいいんだな…」とか、デザイナー目線で見て楽しんでいたりしています(笑)。
よく「ぶっちゃけ」なんて言いますけど、大人になると思いをストレートに伝えるのってなかなか難しいですよね。でも「カーネーション」では、人間の奥深さ、そして思いを言葉にして人と人がつながっていく過程がしっかりと描かれているので、素直に感動します。泣けるところも、身に染みるところも、ぷぷって笑ってしまうところもあるから、感情移入しやすいですよね。糸子の生き方にエネルギーを感じて、毎朝放送を楽しみにしてらっしゃる方の気持ちがよく分かります。その世界観を壊さないようにすっと入って、さらにドラマに色がついて楽しくなるように、細やかに丁寧に演じていきたいですね。三姉妹のこれからも楽しみに、ぜひ最後まで見ていただきたいです。
よく「ぶっちゃけ」なんて言いますけど、大人になると思いをストレートに伝えるのってなかなか難しいですよね。でも「カーネーション」では、人間の奥深さ、そして思いを言葉にして人と人がつながっていく過程がしっかりと描かれているので、素直に感動します。泣けるところも、身に染みるところも、ぷぷって笑ってしまうところもあるから、感情移入しやすいですよね。糸子の生き方にエネルギーを感じて、毎朝放送を楽しみにしてらっしゃる方の気持ちがよく分かります。その世界観を壊さないようにすっと入って、さらにドラマに色がついて楽しくなるように、細やかに丁寧に演じていきたいですね。三姉妹のこれからも楽しみに、ぜひ最後まで見ていただきたいです。