サイバーのふがいない攻めに怒りの表情のCIMA=愛知県体育館で
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◇ドラゴンゲート オープン・ザ・ドリームゲート選手権
王者のCIMA(34)がサイバー・コング(29)をメテオラ(両膝式ニードロップ)2連発から3カウントを奪い、3度目の防衛に成功した。だが、正攻法でこないサイバーの攻撃に、試合後は怒り心頭。「俺を倒してドラゲーのてっぺんに立ちたいなら死に物狂いで来い」と、全選手に向けてアピールした。
CIMAがキレた。ゴングから10分ほどはサイバーの攻撃を黙って受けていた。だが、技らしい技もなく、殴って蹴って、反撃されると場外に逃げる組み立てに、次第に顔が紅潮。「もう、いっていいですか」とリング上から本部席に叫ぶと、鬼の形相で反撃開始。最後は膝爆弾2発であっさり息の根を止めた。
腕相撲の元学生王者だったサイバーは、178センチ、123キロと日本人離れした体格を誇る。プロレスのキャリアは6年ほどだが、力感あふれるエルボードロップでドラゲーのトップ戦線に食い込んできた。ところがこの日は、セコンド陣と共謀しての反則攻撃が中心で、本来の荒技は影をひそめた。数日前に足を痛めたCIMAは「半分壊されるつもりで会場に来たのに。あいつ、俺の左足を攻めてきた。痛いのは右足や。何考えてんのや」と首をかしげた。
ギリシャとのハーフである妻を持ち、ギリシャに自宅があるCIMAは、顔に国のカラーである水色のペイントを施して試合をした。この日はギリシャの総選挙であり、「自分も何かアピールしたい」との思いからだ。「将来はギリシャの若者をプロレスラーに育て、ドラゲーのリングに上げたい」という。それまでは王者として、ドラゲーの若い選手たちの壁になる。 (大西洋和)
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