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介護福祉士に合格でも帰国へ
5月7日 17時49分

介護福祉士に合格でも帰国へ
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EPA=経済連携協定に基づいて来日し、難関の介護福祉士の国家試験に合格したものの、インドネシアにすでに帰国したか、近く帰国する予定の外国人が、合格した36人のうち7人に上ることがNHKの取材で分かりました。

EPAに基づいて介護福祉士の資格取得を目指す外国人は、これまでにおよそ800人が来日し、各地の施設が将来の介護の担い手と期待して人件費を負担したり、受験勉強を支援したりしています。
このうち3年間の研修を終えたインドネシア人ら95人が、ことし初めて国家試験に臨み、難関を突破して36人が合格し、日本で働き続けられることになりました。
ところが、NHKが先月末、外国人を受け入れている各地の施設を取材したところ、合格した36人のうち3人がすでに帰国し、4人が近く帰国する予定であることが分かりました。
また、不合格だった59人のうち試験の成績が一定以上だった47人は、滞在期間が1年延長され、来年の再受験が認められましたが、ほぼ半数の23人がすでに帰国したり、帰国を検討したりしているということです。
帰国の理由としては、もともと数年で帰国する予定だったとか、結婚や家族の希望といった家庭の事情が目立っています。
外国人介護士を巡っては、各地の施設が多額の費用を負担して定着を目指してきただけに、施設からは国に対して新たな対策を求める声が出ています。

日本で働くことを期待された“外国人介護士”が

EPAに基づいて介護福祉士の資格取得を目指す外国人は、これまでにおよそ800人が来日し、各地の施設が将来の介護の担い手と期待して人件費を負担したり、受験勉強を支援したりしています。
このうち3年間の研修を終えたインドネシア人ら95人が、ことし初めて国家試験に臨み、難関を突破して36人が合格し、日本で働き続けられることになりました。
ところが、NHKが先月末、外国人を受け入れている各地の施設を取材したところ、合格した36人のうち3人がすでに帰国し、4人が近く帰国する予定であることが分かりました。
また、不合格だった59人のうち試験の成績が一定以上だった47人は、滞在期間が1年延長され、来年の再受験が認められましたが、ほぼ半数の23人がすでに帰国したり、帰国を検討したりしているということです。
帰国の理由としては、もともと数年で帰国する予定だったとか、結婚や家族の希望といった家庭の事情が目立っています。
外国人介護士を巡っては、各地の施設が多額の費用を負担して定着を目指してきただけに、施設からは国に対して新たな対策を求める声が出ています。
これについて厚生労働省は、「帰国についてはそれぞれの事情があり、日本に残ることを強制することはできないのでやむをえないが、合格を目指して外国人も受け入れ施設も努力してきたと思うので非常に残念だ。今後は、来日前の外国人に希望する滞在期間を確認するほか、ことばの壁に配慮した試験問題の改善など、できるかぎりの支援をしていきたい」と話しています。

専門家“試験で疲れ切り帰国するケースが”

EPAの問題に詳しい京都大学大学院の安里和晃准教授は、「介護について国は外国人に頼るのではなく、国内の人材を活用する政策をとっており、外国人にどのように働いてほしいのか明確なメッセージがないため、試験で疲れ切り帰国するケースが相次いでいる」と指摘したうえで、「意欲ある人材に残ってもらうために国内でキャリアを積めるようにするなど、働きやすい環境を作る必要がある」と話しています。

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