五輪=英国がアルゼンチンに謝罪要求、領土めぐるテレビCM問題
[ロンドン 4日 ロイター] ロンドン五輪の開催国である英国政府は4日、アルゼンチンが英領フォークランド諸島(アルゼンチン名マルビナス)の領有権に関する主張を含む不適切なテレビCMを放映し、五輪を政治目的で不当に利用したとして同国に謝罪を求めた。
フォークランド諸島をめぐる争いは1982年に始まり、2カ月半にわたって続いた紛争は英国側の勝利で収束した。近年では、英企業が同諸島沖で油田開発を進めていることから、両国間の緊張は再び高まっている。
問題となっているCMには、アルゼンチンのホッケー選手がフォークランドの英国兵士戦没者慰霊碑がある場所でトレーニングを行う映像が含まれる。CMの最後には「英国の地で戦うために、われわれはアルゼンチンの地で練習を積んでいる」との音声が流れる。
フィリップ・ハモンド英国防長官はこれを「品もなく挑発的で、フォークランドで命を懸けて戦った多くの英国兵士に対して侮辱的だ」と糾弾。五輪のロゴやメッセージを政治目的に利用しないという基本理念に反するとして、国際オリンピック委員会(IOC)に調査を求めた。
同長官はアルゼンチンに対し、「最低でも映像の撤回と謝罪をすべきだ」と求めた。
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