Updated: Tokyo  2012/05/08 05:46  |  New York  2012/05/07 16:46  |  London  2012/05/07 21:46
 

【個別銘柄】SNS総崩れ、輸出や金融、菱地所安い、フォスタ急伸

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  5月7日(ブルームバーグ):きょうの日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は以下の通り。

SNS関連株:グリー(3632)が前営業日比500円(23%)安の1651円、ディー・エヌ・エー(2432)も500円(20%)安の1990円とともにストップ安。GMOインターネット(9449)やサイバーエージェント(4751)など、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)関連が急落した。消費者庁は、携帯ゲームの「コンプリートガチャ」が景品表示法で禁じる懸賞に当たると判断し、中止要請へと5日付の読売新聞が報道。クレディ・スイス証券では、コンプガチャのサービス中止によるSNS業界の影響は未知数ながら売上高で2-3割、営業利益で4-5割に達する可能性があるとし、関連業界の収益警戒感が強まった。「ドラゴンコレクション」を手掛けるコナミ(9766)などSNSと関連が深いゲーム各社も大幅安。

輸出関連株:トヨタ自動車(7203)が3%安の3110円、ホンダ(7267)が5.6%安、ソニー(6758)が4.5%安、コマツ(6301)が4.9%安など。4月の米国雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回り、米景気の減速懸念が台頭。為替の円高進行もあり、業績の先行きを警戒する売りが広がった。輸送用機器、機械は東証1部33業種の下落率上位。

金融株:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が3.2%安の364円、野村ホールディングス(8604)が7.4%安、東京海上ホールディングス(8766)は4.2%安など。週末に実施されたフランス大統領選挙、ギリシャ総選挙の結果を受け欧州域内の財政規律達成に不安が生じ、欧州債務問題の再燃に対する懸念が強まった。証券・商品先物取引と保険は東証33業種の中で下落率1、3位を占めた。

アルバック(6728):7.9%安の523円。ゴールドマン・サックス証券では、会社側から発表された特別損失発生や事業構造改革プランなどを織り込み、2012年6月期から14年6月期までの業績予想を軒並み下方修正した。4月の会社説明会では自力で財務体質を改善する方針が示されたとしながらも、市況次第では希薄化リスクも否めないと分析。抜本的変化やそれによる収益改善が確認されるまで、株価の本格回復は期待しづらいとの見方を示した。

フォスター電機(6794):9.2%高の1280円で東証1部の上昇率1位。売上高の大幅増加などを背景に、13年3月期の連結営業利益は前期比3.3倍の60億円となる見込み。ブルームバーグが集計したアナリスト予想の平均値48億円を上回り、業績回復への期待感が強まった。メリルリンチ日本証券では、変わらぬ受注の力強さが確認された点はポジティブと指摘した。

資源関連株:三菱商事(8058)が4.2%安の1643円、国際石油開発帝石(1605)が5.3%安、住友金属鉱山(5713)が3.6%安、アルコニックス(3036)が5.5%安など。4日のニューヨーク原油先物6月限は4%安の1バレル=98.49ドルと、終値で2月7日以来の安値となった。米雇用者の伸びが予想を下回り、21年ぶり高水準に積み上がった在庫に歯止めをかけられるほど、需要は期待できないとみられたため。銅先物なども軟調で、市況安を嫌気する売りが広がった。

三菱地所(8802):3%安の1306円。きょう午後1時に連結決算を開示、ビル事業、都市開発事業分野で前期に計上した物件売却収入がなくなる影響などで13年3月期の営業利益は8.4%減の1340億円を見込んだ。前期に続く減益予想を嫌気する売りに押された。

ベネッセホールディングス(9783):6.3%安の3725円。大和証券では、決算発表時に明らかになる最も重要な指標の一つは4月の進研ゼミの会員数とした上で、それが前年同月比1.5%増の409万人だったことはやや物足りない印象だと指摘した。会社側が2日に発表した決算では、12年3月期連結営業利益は前の期に比べ21%減の338億円となり、今期は18%増の400億円を見込む。

島精機製作所(6222):2.4%高の1485円。2日に連結決算を開示、中国国内消費の高まりを背景にした主力のコンピューター横編機の改善、ロシア向け生産拠点のトルコでの需要増などを見込み、13年3月期は前期比3.4倍の30億円を計画した。85%減益だった前期からの収益好転を見込む買いが先行した。

ファーストリテイリング(9983):3.5%安の1万6890円。4月のユニクロ国内既存店売上高は前年同月比6.8%減と、5カ月ぶりのマイナスとなった。クレディ・スイス証券では、低気温が続いたことで夏物商品に重きを置いた戦略が裏目に出たとし、今春夏商品に新味は乏しいことから天候次第では国内既存店売上の苦戦が株価調整のカタリスト(触媒)となる可能性がある、との見解を示した。投資判断は「アンダーパフォーム」を継続。

栗田工業(6370):3.4%安の1882円。JPモルガン証券では12年度の業績について、電力向け装置と超純水売り上げの減少により踊り場になると予想、目標株価を従来の2350円から2100円に引き下げた。投資判断は「中立」を継続。また、立花証券では判断を「アウトパフォーム」から「中立」に引き下げた。

リコーリース(8566):4%高の1860円。大和証券では、リース営業資産残高が増加に転じている点は同社の評価ポイントなどとした上で、配当性向や自己資本比率の観点から同社の配当余力に注目すると指摘。投資判断を「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げた。

日本調剤(3341):2.3%高の3120円。一時3270円と52週高値を更新。店舗網の規模を一気に拡大し、これまでの2倍以上となる年間200店の出店ペースを5年ほど維持する、と日刊工業新聞が4日に報道。業容拡大への期待が優勢となった。

三井松島産業(1518):11%安の140円。シェールガス増産による一般炭市況の下落傾向、豪ドル高が響くとし、13年3月期の連結営業利益は前期比52%減の30億円を見込むと2日に発表。前の期に比べ2倍に増えた12年3月期から一転、採算性が悪化することを嫌気する売りが膨らんだ。

アイフル(8515):4.7%高の180円。未定としていた12年3月期連結業績計画を2日に開示、営業貸付金の減少で利息収入が減り、営業収益は前の期を21%下回る一方、グループ再編などで一般管理費が縮小、営業損益は160億円の黒字と前の期の241億円の赤字から改善したもよう。3期ぶりの営業黒字化を好感する買いが先行した。

青山商事(8219):3.8%高の1684円。きょう午前に発表した4月月次の既存店売上高は、スーツとカジュアル・リユースの両事業合計で前年同月比9%増だった。12年3月通期の前の期比2.6%増よりも伸び率が拡大しており、足元の業況堅調が好感された。

日本特殊塗料(4619):4.3%高の337円。自動車生産台数の回復基調で関連事業の売上高が計画を上回った影響などで、12年3月期の連結営業利益は8億9000万円と従来想定の5億円から上振れたもよう、ときょう午後1時に発表。前の期との比較では38%減益が一転、10%増益になり、採算改善を好感する買いが入った。

ダイコク電機(6430):3.8%高の1162円。情報システム事業でデータ・コンテンツ表示、音声演出を加えた情報公開機器「BiGMO」への高評価がホールコンピューティングシステム「C2」の導入にもつながり、12年3月期の連結営業利益は前の期比15.7倍の35億4000万円と従来想定の21億円から上振れたもよう、と2日に発表した。

NECネッツエスアイ(1973):1.2%高の1239円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、会社側が大幅増配予定などで株主重視姿勢を鮮明化したことはサプライズとし、同社をめぐる収益環境は改善傾向を期待しても良い状況だと分析。目標株価を1070円から1360円へ引き上げた。投資判断は「中立」を継続。

ニッシン債権回収(8426):100円(15%)安の564円でストップ安。グループの取引先の債権に関し、回収可能性の再評価を行った結果、貸倒引当金繰入額を特別損失として計上する必要が生じ、12年3月期の連結純損失は18億800万円と従来計画の10億7000万円から赤字が拡大したもよう、と2日に発表。前の期は5億1000万円の赤字で、最終損益水準の回復の遅れを嫌気する売りに押された。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 Toshiro Hasegawa thasegawa6@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo okubo1@bloomberg.net香港 Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net

更新日時: 2012/05/07 16:06 JST

 
 
 
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