'12/5/7
ブロガーが「女子旅」発信
広島県は本年度、首都圏や関西圏に住む20、30代の女性をターゲットに、瀬戸内海の島々を巡る「瀬戸内女子旅」の売り込みに力を入れる。この世代に人気のブログを書き、影響力を持つ女性の書き手「ブロガー」を島に招いて魅力を旅行記に書いてもらうツアーを企画したり、島巡りのガイドブックを作ったりして情報発信を強める。
女性ブロガーのモニターツアーは7月に2泊3日で実施し、10人以上の参加を募る。公開中のアニメ映画「ももへの手紙」の舞台となった呉市大崎下島や多島美で知られる瀬戸内しまなみ海道の島々を回る。景観や歴史、グルメなど島々を巡る女子旅の魅力を旅行記にしたためてもらう。
県が昨年8月に実施したインターネット調査では、20、30代の女性は広島を知らない割合が高いが、観光地や食べ物の情報を伝えると7割近くが「行ってみたい」と回答。自由に使えるお金が一定程度あって消費に積極的とみてメーンターゲットに据えた。
女性ブロガーの力を借りた観光PRは、島根、鳥取両県が2、3月に実施。首都圏在住の30代の3人が出雲神話ゆかりの「パワースポット」などを回り、ブログやツイッター(短文投稿サイト)で感想をつづった。島根県観光振興課は「予想以上の口コミ効果があった」と受け止める。
県は秋の観光シーズンを迎える9月には、島巡りのガイドブックを発行する。島影がハート形に見える小芝島(東広島市安芸津町)など無人島も含めた県内全142島を調査。名物や史跡、島に渡る航路の情報を集めてB6判、50ページ程度の冊子にまとめ、港などで観光客に配る。
県観光課は「心癒やす島々の魅力はあまり知られていない。旅好きな若い女性を呼び込む仕掛けをつくりたい」としている。
【写真説明】多島美を誇る瀬戸内しまなみ海道周辺の瀬戸内海。中央は愛媛県今治市の大三島(手前)と多々羅大橋でつながる尾道市の生口島
【写真説明】出雲市の出雲大社を訪れ、取材する女子旅ブロガー(右)(2月24日)