'12/5/7
「清盛」ゆかりの地へ来て
呉市が観光振興の起爆剤にと期待するNHKの大河ドラマ「平清盛」が低視聴率にあえいでいる。市は多額の公費を投入し、関連の集客施設を整備。春の行楽シーズンを迎え、ゆかりの地のPRに力を入れるが、ドラマ人気は水ものだけに頭の痛い状況だ。
ドラマは、放送当初から兵庫県知事が「画面が汚い」と述べるなど話題に事欠かない。
ビデオリサーチによると、1月8日の初回視聴率(総合)が関東地区で17・3%と過去3番目の低さ。低迷は続き4月22日は同11・3%まで落ち込んだ。1997年の「毛利元就」は平均23・4%だった。
東日本大震災があった2011年の入り込み観光客が291万人と、05年に6町と合併後初めて300万人を割った呉市。市は3千万円かけて「おんど観光文化会館うずしお」(音戸町)に平清盛音戸の瀬戸ドラマ館を整備、1月にオープンした。周辺に観光案内板やトイレも設けるなどドラマとの相乗効果に期待を寄せた。
そのドラマ館は、開館3カ月で来館者が3万人に達した。観光バスツアーに多く組み込まれたのが奏功し、ドラマ不振の影響は小さい。島田英治事務局長は「年間目標10万人は達成できそうだが、音戸清盛祭など大きな行事が一段落し、今後は不安もある」とする。
ドラマの撮影があったグリーンピアせとうち(安浦町)。ロケで使った海賊船などを展示する「清盛海のみち展」の入場者が1万人を超えた。ただ年間目標10万人はまだ遠い。
てこ入れ策として広島、東広島、三原市の小中高校に遠足誘致のダイレクトメール(DM)を440通送付。大衆演劇やプール、風呂、食事と企画展入場券を合わせたお得なプランを売り込む。
【写真説明】グリーンピアせとうちで展示中の海賊船。内部も見学できるようにした