'12/5/5
発達障害は愛情不足? 維新条例案、市長が火消し躍起
橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会大阪市議団が議会提出する方針の条例案の発達障害をめぐる規定に当事者らが強く反発、橋下市長が3日から4日にかけ短文投稿サイト「ツイッター」で火消しに躍起となっている。
条例案は「家庭教育支援条例案」。原案で「発達障害、虐待等の予防・防止」の章を設け「乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因」と明記。「虐待、非行、不登校、引きこもりに深く関与している」「わが国の伝統的子育てで予防、防止できる」などの文言も並んだ。
自身も発達障害があるNPO法人「発達障害をもつ大人の会」(大阪市)の広野ゆい代表(39)は「発達障害と虐待などが同列に扱われ、人権侵害だ。前向きに生きようとしているのに、私たちの存在を『防止』しようとする発想も許されない」と指摘。「この条例を読んだ親は自分を責めてしまう」と批判した。
インターネットの掲示板でも「実情をどれだけ知っているのか」「デマだと信じたい」などと非難の声が渦巻いた。
これを受け橋下市長はツイッターで「発達障がいの主因を親の愛情欠如と位置付け、愛情さえ注げば発達障がいを防ぐことができるというのは科学的ではない」などとするコメントを連発。「市議団の方針について(市長である)僕には決定権はありません」などと釈明に追われた。
原案をまとめた市議団副団長の
発達障害には、アスペルガー症候群や学習障害、注意欠陥多動性障害などが含まれ、主に先天的なものとされている。