サッカー五輪予選代表編
日本のゴールを守る男は、チームのまとめ役でもある。
6月にクウェートであったアジア2次予選からの帰国便での一幕。最終予選進出を決めた解放感からか、選手たちは座席に置かれていたクッションを手に取り、投げ合いを始めた。「明るさと仲の良さが、このチームのいいところ。少し様子を見てからにしようと思った」。飛んできたクッションを六つ抱え、騒がしくなる前にしっかりと場を収めた。
チーム最年長の副主将。2010年にA代表デビューを果たし、今年はアジア杯のメンバーに選ばれて優勝も経験した。U22代表のミーティングでは率先して発言し、選手たちを引き締める。主将の山村(流通経大)は「いいことを言ってくれるので、僕からは何もありません」と笑う。
「攻撃的な守備」が持ち味だ。相手選手と1対1の場面では、迷わず前へ飛び出す。「シュートを打たれる前に止めるのが理想。相手に100%の力を出させないことを考えている」
ともに五輪を目指す女子は、一足先にワールドカップで初優勝。「女子が五輪で4強以上に入るなら、男子も4強に入ればいい」。守護神の心は、静かに燃えている。(清水寿之)
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ごんだ・しゅういち 1989年3月3日、神奈川県出身。幼稚園でサッカーを始めてからGK一筋。中学でFC東京の下部組織に進み、2009年プロデビュー。テニスなど道具を使った球技は苦手。187センチ、83キロ。