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最終更新:2012年5月7日(月) 18時51分

竜巻の破壊力、1000棟以上全半壊

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 6日、茨城県や栃木県で発生した竜巻とみられる突風で1人が死亡、50人近くがけがをし、1000棟以上が全半壊しました。現場の映像から竜巻の破壊力のすさまじさが浮かびあがります。

 これは、動画投稿サイトに公開された今回の竜巻の映像。竜巻の直撃を受けた会社の窓ガラスが粉々になっている様子が記録されています。一方、こちらは別の位置から撮影された映像。空まで続く灰色の渦。周囲には壊れた家屋の一部なのか、大きなひも状の物体がまるで生き物のように空をただよっています。

 6日、茨城県で大きな被害をもたらした竜巻。塾講師の女性は6日午後1時ごろ、大きな被害が出た茨城県つくば市の雇用促進住宅からわずか500メートルの場所にいました。

 「(撮影した)あとから膝がガクガク震えるような怖さを感じた」(塾講師の女性)

 駐車場に停めた車の中から竜巻を撮影したといいます。電線を切断し、火花を散らして移動を続ける竜巻にじっと耐えるしかなかったといいます。

 一方、こちらは竜巻の直撃を受け、けが人が出たつくば市の北部公園で撮影された映像。竜巻はまっすぐに公園の管理棟に近づいてきます。撮影した男性のすぐ近くにいた知人は、ガラスの破片が腕に刺さり軽傷を負ったといいます。少し離れた場所から撮影された映像には、巨大な竜巻の全体像が映し出されていました。

 今回の竜巻で犠牲となったつくば市の中学3年生、鈴木佳介さん(14)。スポーツが得意でクラスでも人気者だった鈴木さんは、自宅に1人でいたところを家ごと吹き飛ばされ、建J*$N2
 「きのう一生懸命、声をかけていた。佳ちゃん、もうすぐお母さんが来るからねと。もう少し何かできなかったのか・・・」(鈴木さんの知人)

 今回の竜巻で300棟以上の家屋に被害が出たつくば市。中でも、鈴木さんの自宅があった北条地区は、竜巻の通り道になったとみられていて、帯状に被害が広がっています。

 「周囲が田んぼに囲まれているこの家は、奥の方からやってきた竜巻によって、家の基礎ごと吹き飛ばされています」(記者)

 7日、現地調査をした気象庁によりますと、鈴木さんの自宅周辺では当時、平均風速70メートル程度の猛烈な突風が発生していたとみられることがわかりました。

 「こちらは栃木県真岡市の西田井地区にある小学校です。小学校の周りに張り巡らされたコンクリートで固定されたネットが、すべて倒れてしまっています」(記者)

 竜巻とみられる突風は、茨城県のほか栃木県や福島県でも発生し、被害は広い範囲にわたりました。これは、栃木県の真岡市で撮影された映像。つくば市の竜巻と同様、局地的に激しい突風が吹き荒れている様子がわかります。

 連休の最終日を襲った自然の猛威。今回の竜巻で、茨城県つくば市で1人が死亡、茨城県の筑西市や栃木県の真岡市、益子町などであわせて52人が負傷し、住宅など1000棟以上が全半壊しました。 (07日16:17)

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