May 07, 2012

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012:No.346で勅使川原三郎らが踊る

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012のプログラムNo.346で、勅使川原三郎らが1996年設立のヴォックス・クラマンティスという合唱団と共に、クレーク作曲の『夜の典礼』、讃歌『沈黙の光』、ペルト作曲の『カノン・ポカヤネン』よりを踊った。
 この合唱団は男女16名で、タリンの音楽院を卒業後、パリ国立高等音楽院でグレゴリオ聖歌を学んだという、ヤーン=エイク・トゥルヴェが指揮している。
 このコンサートでは珍しいことが起こった。演奏中に席を立って帰る者が続出したのだ。日本人も「つまらない」という意思表示ができるようになったらしい。「つまらない」ということは、「わからない」ということでもあり、その演奏の評価に直ちにつながるものではないのだが、自分に合わなければ席を立つという否定的な意思表示にはそれなりに意味がある。
 勅使川原のダンスは、コーラスの磨き上げられた古さと新しさに調子を合わせて、ほどよくひそやかに演じられた。彼自身と佐東利穂子が芯になり、他のジイフ、鰐川枝里、高木花文、山本奈々が背景を形づくった。
 退席した者が続出した反動であろうか、カーテンコールの拍手にはひときわ熱がこもっていた。
(山野博大 2012/5/5 東京国際フォーラムC)



emiko0703 at 17:55短評 
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