国際【環球異見】中露接近 アジア太平洋の合従連衡+(1/3ページ)(2012.4.30 09:39

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【環球異見】
中露接近 アジア太平洋の合従連衡

2012.4.30 09:39 (1/3ページ)アジア・オセアニア
独立新聞(ロシア)

独立新聞(ロシア)

 中国とロシアの海軍による過去最大規模の合同軍事演習が22~27日、黄海で行われた。中国の海洋進出への警戒感が高まり、米国がアジア太平洋重視戦略を打ち出した中、中露接近の真の狙いは何か。中国と南シナ海の領有権を争うベトナムはロシアの協力を得て対中牽制(けんせい)を強化。複雑さを増す合従連衡を各国の報道から読み解いてみた。

                   ◇

独立新聞(ロシア)

 ■「米中両にらみ」の本音

 ロシア主要紙は中国との海軍合同演習について、両国の結束を確認し、アジア太平洋地域で米国やその同盟国を牽制する意義があると解説する。ただ、各記事の不可解な論理構成と行間には、国力を増す中国への警戒感や、米中双方をにらみながら同地域での存在感を高めることが国益だとの本音がにじんでいる。

 23日付の独立新聞が掲載した記事を見てみよう。

 この記事はまず、今回の演習が、南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島の領有権をめぐって中国とフィリピンやベトナムなど近隣諸国の関係が緊迫している時期に重なったと指摘。米国と同盟国のフィリピンが演習を行っている最中でもあり、「露中の演習はたいへん時宜にかなったものになった」とする専門家の見解を紹介した。

 この合同演習には「ロシアと中国をけんかさせようとする試みが無駄だということを(米国に)示す」意味合いがあるのだ。

 その一方、前出の専門家は「露中の軍事同盟が必要だ」との意見が中国側に出ているとし、「ロシアはこの状況で、中国と米国の双方に対して国益を守り通し、バランスのとれた政策をとらねばならない」とも言うから一筋縄でない。

 有力経済紙「ベドモスチ」の24日付社説は、ロシアが演習に主力艦船を派遣したことなどを紹介しつつも、「演習の規模は米国や同盟国への挑戦を意味しない」とした。ロシアがインドやベトナムに新鋭兵器を供給し、ベトナムと大陸棚の共同開発に合意して中国の反発を買っていることが根拠に挙げられている。

 社説によれば、ロシアは合同演習で「知られざる海軍戦術」を中国に見せ、「インドやベトナムとの協力が中国の安全保障を脅かさないと納得してもらう意図なのだ」という。(モスクワ 遠藤良介)

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解放軍報(中国)
ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)

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