最終更新: 2012/05/07 17:12

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各国の思惑が渦巻く南シナ海で覇権争いが激しくなっています。

今週、南シナ海でフィリピン軍とアメリカ軍の合同演習が行われました。
東西冷戦の終結で、アメリカ軍の駐留にノーを突きつけたフィリピンですが、膨張する中国への対抗力として、今、再びアメリカ軍の関与を必要としています。
日中間で荒立つ東シナ海。その先に広がる緊迫の現場を取材しました。

南シナ海フィリピン・パラワン島で、アメリカ軍とフィリピン軍による、合同軍事演習が行われた。
島に上陸したのは特殊部隊。
テロリストの拠点を急襲し、制圧するという想定。
パラワン島は、天然ガス田があるスプラトリー諸島に最も近く、軍事演習には、南シナ海の覇権を狙う中国へのけん制という狙いがあるとみられる。
パラワン島の漁師は「ダダダダダダって聞こえたんだ。怖かったよ。スプラトリー(南沙)諸島の島に中国の軍が駐留していて、近くを通った時に警告射撃を受けたんだ」と話した。
恐怖の体験を語ったのは、パラワン島の漁師。
かつては、この島から多くの仲間がスプラトリー諸島へ漁に出ていたが、中国との領有権争いが悪化してからは、難しくなったという。
フェリー船員になった元漁民は「その時、僕も撃たれそうになったんだ。中国人は友人の船に向かって発砲し連行したんだ。今も彼はどこにいるのかわからないんだ」と話した。
地元住民へ容赦なく銃弾を浴びせる中国。
目的は、ガス田の確保だけではなさそう。
フィリピン海軍のジュアンチョ・サバン中佐は「彼らは希少価値のあるウミガメとフカヒレを探しているんだ」と述べた。
FNNが入手したフィリピン当局の資料、拿捕(だほ)した密漁船から大量のウミガメが発見された。
中には、甲羅を剥がされたものもいた。
中国籍の密漁船が、食材や薬の材料として、ウミガメやサメを乱獲しているという。
フィリピン海軍のジュアンチョ・サバン中佐は「中国が1990年代中ごろ、南シナ海の島を占領してから主張はエスカレートしました。それはちょうど中国の経済力が向上してきたころの話です」と述べた。
かつてフィリピンには、第7艦隊も駐留していた、当時アジア最大のアメリカ軍の基地があった。
しかし、フィリピンは1990年代初頭の冷戦終結を機に、アメリカ軍駐留に関する条約延長を上院で否決し、1992年にはすべてのアメリカ軍を撤退させた。
一方、中国はその後の20年間、パワーバランスが崩れた南シナ海の空白を、虎視眈々(たんたん)と、そして着実に埋めていった。
フィリピンは、自国の経済発展と引き換えに、領土の確保をおざなりにしてしまった形。
フィリピン海軍のジュアンチョ・サバン中佐は「アメリカ軍駐留は憲法違反だ。しかし、一時的訪問に関する協定(VFA協定)がある」と述べた。
フィリピン軍は、パラワン島で訓練を受けることを名目に、アメリカ軍に間借りさせ、駐留させることで、両政府が交渉している。
フィリピン国民、特に地元漁師の思いは複雑となっている。
パラワン島の漁民は「いつも他国の軍事力に頼ってないで、もっと強い軍隊を持った方がいいと思うよ」と話した。
パラワン島の漁民の妻は「フィリピン人はみんなアメリカ軍に支配されるみたいだから、駐留には反対だよ」と話した。
フィリピン、中国、さらには台湾、ベトナム、マレーシア、そしてアメリカ。
各国の思惑が渦巻く南シナ海。
つい先日、フィリピンの石油会社による、過去最大の天然ガス田発見の発表もあり、覇権争いの激化は免れない状況となっている。

(04/28 01:30)


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