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気仙沼・被災の老舗ホテル「一景閣」 15日再開、急ピッチ
 | 営業再開に向け工事が進むホテル一景閣。周辺は住宅や水産加工場の土台だけが残り、復興は進んでいない |
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東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市弁天町の老舗ホテルが、15日の営業再開に向け急ピッチで復旧工事を進めている。同市で営業している宿泊施設は震災前の半数以下にとどまるが、復興事業の工事関係者の宿泊需要は高い。ホテルは約130人の宿泊が可能で、経営者は「復興の一翼を担いたい」と意気込む。
再開するのは1916年創業の「ホテル一景閣」(6階建て)。現在は被害を受けた調理場や電気設備の修繕を進めている。15日の再開を前に、13日には関係者がテープカットを行って再開を祝う予定。 客室は43部屋で、当面は主に道路工事や住宅建設の作業員らを中心に宿泊してもらう。価格は震災前の半額程度、1人1泊(朝食付き)5000〜6000円に設定する。 気仙沼湾から約200メートルの海沿いに位置するホテルは、地元の海産物やフカヒレを使った料理が自慢で、観光客に人気があった。震災時、津波は2階まで到達し、上階の客室に周辺住民約70人が避難した。 市観光課によると、市内にあったホテルや旅館など88施設(収容約4400人)のうち、営業しているのは約4割の38施設。宿泊できる人数もほぼ半分の約2400人にとどまっている。 市観光コンベンション協会の会長も務める斉藤徹ホテル一景閣会長(73)は「宿泊需要は依然高く、再開は急務。最低限の設備を整えるだけだが、先代がホテルを築いた場所に早くあかりをともしたい」と話している。
2012年05月06日日曜日
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