原発:42年ぶり稼働ゼロ 全廃願う作業員の母 福島から水戸に避難の木田さん、東京パレードで訴え /茨城

毎日新聞 2012年05月06日 地方版

 原発事故で、木田さんは何の前触れもなく家や土地、仕事を失った。「過ちを繰り返してはいけない」。2月中旬ごろから、東海第2原発(東海村)周辺自治体の女性らと活動を始め、2月下旬、東海第2原発前での人間の鎖に参加。ひたちなか市で開かれた「さよなら原発4・1大集会inいばらき」では約3000人を前に廃炉の必要性を訴えた。

 別々に暮らす長男は木田さんの避難先を何度も訪れ、その都度木田さんは「原発を動かそうとするなんて、本当にこの国は懲りないね」と廃炉にすべきだと語りかけた。長男は「それでも経済のためには原発は必要」と言うばかり。木田さんの思いは届かなかった。

 『原発依存に見切りをつけて、やり直すことを考えてほしい。これがたった一つのお願いです』。3月下旬、最後の望みを託した長男へのメール。長男からの返信は以前と変わらず、『それでも原発は必要です』。「なぜわからないの」。木田さんの頭にはそれしか思い浮かばなかった。それ以降、息子と連絡は取っていない。

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