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泊3号機停止…「原発ゼロ」夏乗り切れるか

 国内で唯一稼働していた北海道電力の泊原発3号機(北海道泊村)が5日午後11時、定期検査のため発電を停止した。これで国内にある商業用原発50基が全て止まり、1970年以来、42年ぶりに“原発ゼロ”となった。電力需要の高まる夏に向け生活や産業に影響が出る恐れが高まっている。

 東京電力福島第1原発事故後、各地の原発は定検により順次停止し、再稼働の見通しは立っていない。電力各社は火力発電などの増強で対応しているが、原発が再稼働せずに猛暑となった場合、北海道、関西、九州の3電力管内で電力不足に陥る恐れがあり、家庭や企業はさらなる節電を求められる。

 原発に依存しない社会をつくる転機となる一方、急激な方向転換は日本経済をますます悪化させる危険もあり、再稼働には識者の意見も割れている。北海道大学教授(原子炉工学)の奈良林直氏は「経済が停滞すれば、失業による自殺者が増える。人の命の重さを考えて、津波対策を十分に取っている原発から再稼働させる必要がある。原発事故も怖いが、現実を見据えた冷静な判断をしてほしい」と呼び掛ける。

 一方、危機管理コンサルタントの田中辰巳氏は「一度止めた原発を再稼働させるのは極めて難しい。巨大地震が来ないと証明することができないように、原発の危機が“ない”ことの証明は誰にもできないからだ」と話す。「脱原発」か「再稼働」か…政府の一刻も早い判断が迫られている。

[ 2012年5月6日 06:00 ]

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