赤は、とても魅惑な色で、人々を興奮に導きます。
たとえば男性の場合、一般的にスポーツやビジネスといった競争の場面において、赤を見たり身につけたりすることによって、男性の社会的優位性の心理を強化するといわれています。
また、女性の赤い唇は生殖器をイメージさせるとも考えられており、男性を性的に興奮させるとも考えられてきました。
それは人間だけではなく他の動物でもあてはまります。
たとえば、繁殖期にあるメスのヒヒの身体の一部が赤くなることで、オスの性的興奮を引き起こすことが、よく知られています。
では、その色は赤ければ赤いほど、男性を性的に興奮させるのでしょうか。
実は“そうではない”ということが、ケント大学の人類学者サーラ・ジョンズらの研究であきらかになったので紹介します。
■魅惑的であり危険な赤色
ジョンズらは、もし赤い唇が女性の生殖器をイメージさせ男性を性的に興奮させているのだとすれば、女性の生殖器そのものの色も赤い方が、男性を興奮に導くのではないかと考えました。
そこでジョンズらは、その仮説を解明するために、つぎの調査をおこないました。
まず、ポルノではない、形状の類似度の高い女性の生殖器の写真を集め、ペールピンク、ライトピンク、ダークピンク、赤の4色に着色しました。
そして、40人の男性に対して、ランダムに16枚の生殖器の写真を提示し、その魅力を0点から100点までで評価させました。
その結果、ペールピンク、ライトピンク、ダークピンクの3つのピンクについては差がみられなかったものの、赤については他の3色と比べ、魅力が低く評価されることがわかったのです。
なぜ、赤に対して魅力が低く測定されたのでしょうか。
それについて、ジョンズらは、赤が性感染症による炎症をイメージさせているのではないかと考えました。
つまり、真っ赤な生殖器は魅力的ではなく、むしろ交わってはならないという危険を意味しているのだというのです。
赤が男性の注目をひき、何かしらの興奮を心理的に導き出すことは間違いありません。
しかしながら、生殖器に関しては、どうやら健康被害のリスクを避けるための本能的ともいえる判断で、赤を敬遠し、ピンク色を好んでいるようです。
だとすると、仮に唇が女性の生殖器をイメージさせるものだとするならば、赤よりもピンクの口紅の方が男性を引きつけるかもしれません。
残念ながら、口紅の色と男性の性的興奮に関する研究は今のところありませんが、見つかり次第、報告したいと思います。
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【参考】
※ Sarah E. Johnsら(2012)『Red Is Not a Proxy Signal for Female Genitalia in Humans』 PLoS ONE