2007年09月11日

世界陸上感想(2)中継編

TBS中継の感想です。

・構成

今回番組全体が非常に「真面目な作り」であったと感心しました。
とにかく主役は「選手」「競技」そのものであること。
この当たり前の事を忠実に守った番組構成でした。

今回ホスト局という事もありますが、
一般には余り馴染みのない種目もほぼ完全に中継しました。
(競歩や混成競技等はBS-iで対応)
種目独自の「ルール」なども詳しく丁寧に説明されており、好感が持てましたね。

種目によりましてはやや有力選手のみに偏った選手紹介もありましたが、
それでも紹介が「日本人オンリー」に傾かなかっただけでも良かったのではないかと思います。

そして近年のスポーツ中継でありがちな「人気芸能人・タレント」のゲストは一切無し。
これだけでも見る価値があったと思います。
石川遼君を呼ぶ計画があるという話を聞いた時、一体どうなる事かと思ったのですが。

今回「ゲスト無し」の構成は大成功だったと思ってます。
それは今大会の視聴率が証明しました(別記)。
日本勢の不振を考えても、純粋な「競技のみ」の放送でこの視聴率なら
かなり高いと言えるのではないでしょうか。

勿論大会前しつこい位やってた「番宣」の効果も大きかったとは思うのですが。

ただ平日午前の中継は「はなまるマーケット枠」での放送だったのですが、
競技中継中の薬丸さんと岡江さんが映った「子画面」は必要ありませんので。
(ファンの方ごめんなさい)

・実況

ヘルシンキ世界陸上の時、少しは良くなったかなと思ったのですが、
今回また「絶叫実況」に逆戻りしてしまいました。
特にTBSの各アナはキーが高いですので、余計耳障りに感じてしまいます。

いちいち大声で叫ばなくても、「名実況」はできるはずです。

そして転倒や脱水症状によるリタイア選手に対する反応も過剰です。
この暑さの中での大会ですから、転倒やリタイア選手が出るのも「当たり前」であります。
どっかの箱根駅伝の中継じゃないんですから・・・

また男子4×400mリレーに関してもリレー後ランナーの「激突転倒」を騒いでいましたが、
ことマイルリレーでは「日常茶飯事」の光景でありますので。

それとレース中有力選手の位置取りくらいは触れて欲しかった気がします。
「先頭集団はエチオピアの3人!」ばかりでは何がなんだか分かりません。
確かに中継でゼッケン等が見え辛いという面もありますが、
選手の特徴を前もって頭に入れていれば、それぞれ判別は可能なはずです。
(私でも判別できたくらいですから)

今後の中継に生かしてほしいものですね。

・織田裕二さんと中井美穂さん

この司会コンビもはや10年となりました。

初期の大会ではこのコンビに「賛否両論」が渦巻いて・・・といいましても
「賛」が1なら「否」が10か20かの比率でしたが。
それくらい批判のほうが圧倒的でした。

しかもその頃から現在まで司会のスタイルは殆ど変わってません。

でも批判の声は年を追うごとに減っているようで、
むしろ「世界陸上はこのコンビでなければダメ」と思う人も増えているようです。

実は私もその一人であります(笑)

私が思うに、織田さんは非常に「生真面目」な人なのではないかと感じてます。

ですから大会前選手の事をものすごく勉強しておられるのも見ていて分かりますし、
また真面目であるが故に感情をそのまま「ストレート」に表現してしまい、
たまには「暴走状態」にまで達してしまうのも彼の特徴であります。

織田さんの場合、決して「司会業」として褒められる行為ではないのかもしれませんが、
何より本当に「好き」でなければ、あそこまではできません。
それを含めた全てが織田さんの魅力でありますでしょうし、
これは視聴者が一番分かっている事なのではないでしょうか。

これが他の「芸能人司会の実況中継」と大きく異なる所です。
取ってつけたような「日本頑張れ!」ばかりの薄っぺらい中継とは全く違いますしね。

そして中井美穂さんですが、今や織田さんの「暴走」を止められるのは
彼女しかいないのではないかと(笑)
他の局アナが彼を「仕切る」のは到底無理なのではないでしょうか。

私は「今回もやっぱりこのコンビでよかった」と思ってます。
今更NHKのような「硬派な実況」には戻れないでしょうし、
他競技のように司会にジャニタレやお笑いタレントを呼ぶよりずっと良いですから。

たとえ織田さんと中井さん、両者の話す内容が全く噛み合ってなかったにしても、
それも含めて番組自体を楽しんでしまっている自分がいます。

「慣れ」ってある意味怖いですね(笑)

・その他

・山縣苑子さん

私は前回ヘルシンキ大会感想で彼女の事を「酷評」しました。
「とにかく選手に対する敬意が足りない」と。

それから2年、現場でずいぶんと鍛えられた事もあり、
前回よりインタビューは大分上手くなられていたようです。

しかし、何と言いますか「場の空気」は相変わらず読めてないようで、
「選手に変な事ばかり聞くなぁ」とは感じました。
これも経験が解決していく事だとは思いますが・・・
せめて選手にはまず「お疲れ様」の一言くらいはかけて欲しかった気がします。

・千葉真子さんと小谷実可子さん

千葉さんは今回初のメイン解説の大役、小谷さんはサブトラックの中継担当でした。
双方とも流石に元スポーツ選手だけあり、
千葉さんは女子長距離以外の「本職外」といわれる種目でも、
また小谷さんは緊張感漂うサブトラックからの中継を
それぞれ無難にこなしておられました。

やはり「元スポーツ選手」のスタッフは必要ですね。
また平日午前の部では小島初佳さんがゲストで出演されてました。
内容もなかなか新鮮で面白かったです。

全体的に、実況を除けば非常にいい中継だったのではないかと思ってます。
これだけ長時間、密度の濃い中継は他局でもなかなか出来ませんからね。
posted by 宗太郎峠 at 07:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 陸上競技総合07年下期 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
概ね中継に関しては同感です。

問題はいろいろあるにしろここまで中継してくれたTBSに感謝です。競歩なんかこの大会で認知度が大いに上がったのではないでしょうか。

一番問題だと思ったのは私もインタビュアーのYさんです。

次回の希望は織田さんにぜひインタビュアーをやってほしい。聞いてほしい話をきっと聞いてくれると思うのですが・・・・
Posted by DR.K at 2007年09月16日 07:19
>DR.Kさん
ご無沙汰しておりました。

ここまで陸上競技を「完全中継」した事は、国内大会含め過去殆どありませんからね。
過去を遡ると91年の世界陸上以来でしょうか。
別の意味で注目を集めてしまった競歩競技ですが、
これから国内の大会でももっと競技そのものに注目が浴びるようになればいいですけどね。

確かに山縣さんのインタビューは大会当初から色々話題となってしまいましたからね。
私もテレビの前で「オイオイ・・・」と何度ツッコミを入れたことか(笑)

やはりインタビュアーも「選手の目線」に立ってできるかどうかは重要ですよね。
喋り自体は決して下手ではないはずですので、これからの精進に期待したいです。

織田さんのインタビュー、私もちょっと聞いてみたい気がします。
何か凄く明るいインタビューになりそうですし、
その上何気に他人が聞かないような厳しいツッコミを入れそうな気がするのですが(笑)

今回も何回か織田さんが直接喋られるチャンスがあったようですが、
現場との繋がりが悪かったせいもあり、ちょっと中途半端なまま終わってしまいましたからね。

次回に期待したいですね。
Posted by 宗太郎峠 at 2007年09月18日 20:05
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