電線にぶら下がるトタン板、散乱したガラス、落下した瓦でフロントガラスが割れた車、ボンネットに車庫の柱が刺さったままの車も…。竜巻とみられる突風が襲った茨城県つくば市北条(ほうじょう)の北条商店街では、約200メートル以上にわたり、電柱が傾き屋根が吹き飛ばされるなどの甚大な被害が出た。商店街の人たちは「東日本大震災での被害は比較的軽かったが、この竜巻被害は壊滅的だ」と肩を落としていた。
商店街から少し離れた場所では、家が風で吹き飛ばされて道路にはみ出し、車が通れなくなった場所もあった。
午後3時20分ごろには雷を伴った激しい雨が降り出し、壊れた家の中から破壊された街並みを呆然(ぼうぜん)と見入っている人たちの姿がみられた。
商店街で洋品店を経営する女性は、屋根が吹き飛ばされ、ガラスが散乱した店内を淡々と掃除していた。女性は「家の中で食事をしていたら突然、大きな音とともに突風が吹いてきて屋根が飛ばされ、畳も持ち上がった」と話す。
商店街近くに住む公務員の男性は「最初、ひょうが降ってきてゴーッと轟音(ごうおん)がしてきた。そのうち洗濯機の中にいるような感じになって、音がすーっと消えていった。慌てて外へ出てみると、商店街の方を見ると屋根がなくなっていた」。
近くに住む鴻田(こうだ)治民さん(64)は「テレビを見ていたら雷が鳴り始め、突然停電した。外を見ると直径50〜60メートルぐらいの竜巻が迫っていて、いろんな物が飛ばされていた。テレビで見たアメリカの竜巻みたいだった。慌てて外に出て木にしがみついたが、吹き飛ばされそうだった」
竜巻の写真を撮影した長田(おさだ)弘道さん(69)は「ちょうど1時ごろ、外で変な音がするので表に出たら竜巻みたいなものが見えた。慌てて携帯電話で写真を撮った。どんどん大きくなりこちらに迫ってきたのでびっくりした。東日本大震災で屋根の一部が壊れて修理したばかりなのに、またやられるかと心配だったが、かろうじて助かった」と胸をなで下ろしていた。(水戸支局 篠崎理)