ホーム 東日本大震災 復興人材育成へ理数強化 県教委、小中授業に放射線、再生エネなど 

復興人材育成へ理数強化 県教委、小中授業に放射線、再生エネなど 

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 県教委は技術面から本県の復興を担う人材育成を目指し、平成24年度から小中学校の理数教育を強化する。理科の学習指導プランを策定し、放射線や地震、再生可能エネルギーなどを取り上げる授業を展開する。退職した教員らによる放課後授業や大学教授らを講師にした理数講座なども導入。10月には「県算数・数学ジュニアオリンピック」を初めて催す。ただ、授業時間の確保や指導教員の養成などが課題となる。
 理科の学習指導プランは「県版学習指導要領」の位置付けで、文部科学省の学習指導要領を基に作る。24年度に「エネルギー」「地球」、25年度に「粒子」「生命」の各分野を策定する計画で、風力や太陽光発電などの再生可能エネルギー、地層や地震発生のメカニズム、放射線の影響などをまとめる方針だ。26年度から指導プランに基づく授業の完全実施を目指す。
 例えば小学3年で電力を生み出す風の力、中学1年で日本の地層や地震の伝わり方などを教える。エネルギー分野の授業では、手回し風力発電機や太陽光パネルなどの教材を積極的に活用し、自然エネルギーを身近な存在として学んでもらう。
 退職した教員らによる理数の学習支援は市町村への委託事業として展開する。既に7市町村が実施を予定しており、早ければ6月にも開始する。放課後に週数回、希望する児童・生徒の苦手分野を中心に指導する。
 理数講座は4~6年生を対象とし、夏休みに中通り、浜通り、会津の県内3方部で今年から開催する。児童・生徒の科学への関心を高めるため、福島大の教員を講師として想定。実験を中心とした体験型の講義にする。
 県算数・数学ジュニアオリンピックは、5、6年生と中学生を対象に、参加希望を募る。点数に応じて金、銀、銅のメダルを贈るほか、全校に問題を配布し、授業に役立てる。
 県復興計画には放射線医学や再生エネルギーの拠点整備が盛り込まれている。担い手となる人材育成が不可欠で、県教委は小学校段階からの理数系教育の充実が必要と判断した。
 さらに、小学6年生と中学3年生を対象にした22年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、本県は8科目中7科目で全国平均を下回った。学力の底上げを図る狙いもある。

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このページは、東日本大震災の2012年5月 1日の記事です。

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