'12/5/5
泊3号機きょう停止 定検、全国の稼働原発ゼロに
北海道電力は5日深夜、国内の商業用原発50基のうち唯一稼働している泊原発3号機(北海道泊村)の発電を停止し、定期検査に入る。政府は全原発の停止を回避するため、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転再開を急いだが、間に合わなかった。1970年以来、42年ぶりに国内で稼働する原発はゼロになる。
東京電力福島第1原発事故で原発への信頼は崩れており、全原発停止は長期化の可能性もある。原発を再稼働させずに2010年並みの猛暑となった場合、電力各社は十分な供給力を確保できない見通しで、家庭や企業は一段の節電を求められる懸念が強い。
北海道電力は、5日午後5時ごろから泊3号機の出力を低下させ、午後11時ごろに発電を停止して定期検査に入る。6日未明には原子炉を完全に停止する。
政府が大飯3、4号機の安全性を確認した後、枝野幸男経済産業相が4月14日に福井県を訪れ、再稼働への協力を要請した。だが「地元をはじめとする国民の理解」(経産相)を得るのには、まだ時間がかかる見通しだ。
野田佳彦首相も、地元の理解が得られなければ稼働原発がゼロの状態で夏を迎える可能性があるとの考えを示している。
昨年3月の福島第1原発の事故後、国内原発は定検のため相次いで停止した。7月には九州電力玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)の運転再開に地元の玄海町が同意したが、政府が安全評価(ストレステスト)を導入して再稼働は見送られた。その後は、大飯3、4号機が再稼働の最有力候補となっている。