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経済
【主張】「原発ゼロ」 異常事態から即時脱却を 安全技術の継承は生命線だ
信頼性の高い原発と運転技術の提供は、世界のエネルギー安全保障への貢献にもつながる。国際社会が寄せる期待も大きい。
国のエネルギー政策を短期的、短絡的な判断に委ねてきた民主党政権の対応は極めて危うい。地球の人口は急増中である。主要国のエネルギー政策の動向の把握も含めた戦略的な視点も必要だ。
今年2月、原発建設を再開した米国での原子力発電の支持率は60%と高い。原発の周辺地域に限ると支持率はさらに高く、80%に達している。福島事故後も状況は変わらない。米政府は、この数字を適切な情報開示などによる成果と分析している。日本政府は米国の取り組みを範とすべきだ。
中国は福島事故後、日本とは逆に原発建設のアクセルを踏み込んだ。欧州の一部や日本の消極姿勢を尻目に、原発大国の頂点を目指す構えだ。これまで背を向けてきた二酸化炭素の排出削減に原発を活用するだろう。原発を止めて火力発電に依存する日本は、地球温暖化問題と排出枠取引などでも不利な立場に追い込まれよう。
資源小国にとって、原発ゼロは自らの息の根を止める行為に等しい。日本の国力回復が不可能になる「ポイント・オブ・ノーリターン」は目前だ。原発の再稼働で破局突入を回避したい。
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