経済【主張】「原発ゼロ」 異常事態から即時脱却を 安全技術の継承は生命線だ+(2/3ページ)(2012.5.6 03:09

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経済

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【主張】
「原発ゼロ」 異常事態から即時脱却を 安全技術の継承は生命線だ

2012.5.6 03:09 (2/3ページ)主張

 だが、社会機能は何とか維持されている。そこから生まれる誤解が危うい。「原発ゼロでもやっていける」との誤った認識が定着しかねない。その背中合わせに、天然ガスなど火力発電用燃料の輸入増で年間3兆~4兆円の国富が流出し、突然の大停電という危機があることを忘れてはならない。

 脱原発の流れの一環として、既存の原発の建て替えなどが今後、認められなくなる事態もあってはならないことだ。

 現在、中国電力の島根原発3号機、電源開発の大間原発(青森県)、東電の東通1号機(同)が建設中だが、昨年の福島第1原発事故の影響で、工事が中断したままになっている。これら3基の建設再開も目指したい。

 原子力産業は巨大な複合技術とそれを支える多数の研究者、技術者によって成立している。建設が長期にわたって中断すれば、原子力分野への有能な若手人材の参加も途絶えてしまう。半世紀にわたって蓄積されてきた高度な技術体系の継承も持続不能に陥る。

 米国では1979年のスリーマイル島事故を契機に、約30年にわたって国内で原発建設ゼロが続いた。その結果、原子炉の製造技術やプラント建設能力の大幅な弱体化が伝えられる。日本が決して踏んではならない前車の轍(てつ)だ。

 ≪再稼働で破局回避せよ≫

 日本の原発建設と発電技術は、世界最高水準の域にある。導入を望んでいる途上国などへの原発輸出による経済振興こそが、日本の技術先進国の地位を維持するために欠かせない方途である。

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