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泊原発3号機5日午後11時ごろ運転停止 「原発ゼロ」に
(2012年 5/5)
北海道電力は、国内で唯一稼働している泊原子力発電所(後志管内泊村)3号機(出力91.2万キロワット)の定期検査を開始するため、5日午後11時ごろ発電を停止する。泊原発全3基が停止するほか、国内全50基の原発が停止状態となる「原発ゼロの日」になる。泊原発1、2号機(いずれも出力57万9000キロワット)の再稼働見通しは立っていない。北電は1、2号機が再稼働しない場合の電力需給は、猛暑なら最大で17万キロワット不足するとしている。
北電によると、3号機は5日午後5時ごろから出力降下を開始。冷温状態になるのは7日午後。定期検査は原子炉本体、原子炉冷却系統設備などで、燃料集合体157体のうち40体程度を新燃料集合体に取り換える。定期検査には71日間程度かかり、8月上旬に完了する見通し。北電は、原子炉起動準備が整った段階で、ストレステスト(耐性評価)に基づく1次評価を行い、結果を原子力安全・保安院に提出する意向だ。
国内の原発では3号機が唯一稼働していたが、3号機の停止で42年ぶりに「原発ゼロ」となることは確実。政府は関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を目指しているが、地元などの理解を得ての再稼働見通しは立っておらず、枝野幸男経産相が「(原発の稼働は)5月6日から一瞬ゼロになる」(4月16日徳島市内での発言)と明言した。
北電は、5月20日から苫東厚真発電所4号機(出力70万キロワット)が定期検査入りすることから、猛暑の場合、最大電力需要より供給が最大で17万キロワット(3.4%)、平年並みで1万キロワット(0.2%)不足するとの見通しを示した。「利用者に節電の協力をお願いすることも想定している」としている。