5日、42年ぶり全原発稼働停止 今夏は深刻な電力不足との予想も
現在稼働している唯一の原発が、5日に停止する。
大阪市の橋下市長は4月25日、「建てた時は、大丈夫だと建てたんでしょ。違うとか、間違ってたとかなったら、ドーンとかじを切るのが政治であって」と述べていた。
エネルギー政策をめぐり、国と地方自治体との間にあつれきが生じている中、国内に50基ある原発のうち、唯一稼働していた原発1基が、定期検査のため、5日に稼働を停止する。
北海道・泊村にある泊原発3号機。
北海道電力によると、5日午後5時ごろから、核分裂を抑えるための制御棒を原子炉に挿入し、6日午前2時ごろには、原子炉内の核分裂反応が停止する見通し。
42年ぶりとなる日本の全原発の稼働停止。
泊原発から30km圏内で、果樹園などを経営する久保一也さんは「原発事故なんかは、別な次元のことだから、どうしようもない。できれば、再開してもらいたくない」と語った。
また県内にある13基の原発全てが停止している福井県の各原発立地自治体のトップからも発言が相次いでいる。
2日、福井・敦賀市の河瀬一治市長は「同じ原発を持っている地域とすれば、全部の原発が止まってしまうというのは、一抹の寂しさはあると思います」と述べた。
また、美浜町の山口 治太郎町長は「地域の経済に与える影響とか、これから夏場の電力事情、これが一番心配になっているのではないか」と述べた。
福井県内に原発を有する関西電力の管内では、この夏、最も深刻な電力不足が予想され、原発の再稼働がなく、2010年並みの猛暑となった場合、ピーク時で最大およそ16.3%の電力が不足になると、関西電力は試算している。
枝野経産相は3日、「(関西については)少なくとも計画を立てておかないと、急に猛暑の日が何日も続いて、あわてて何とかすることができる話ではない」と述べた。
ところが、4日の大阪府市エネルギー戦略会議では、関西電力が出した大飯原発が再稼働しても、この夏は電力不足が生じるとの試算に批判が続出した。
古賀茂明委員は「この段階で、大飯原発が動いても、全然(電力が)足りませんよという計画を平気で出すというのは、全く信じられない。あまりにも無責任だと思います」と語った。
現実味を帯びる計画停電。
こうした中、九州電力は、時間別電気料金の導入によって、ピーク時の節電を図る試みを、実験的に2012年7月から始めることにした。