韓国では永住外国人の地方参政権を認める法案が2005年に可決された。韓国側が「相互主義」を理由として日本政府に外国人参政権を求めていることが、日本国内で外国人参政権の問題が本格的に論じられるようになった大きなきっかけでもある。
(西村氏)韓国の外国人参政権は、明らかに日本を標的にした法律といってもいいでしょう。韓国で外国人が永住資格を取得するには、200万米ドル以上を投資して5人以上の韓国国民を雇用していることや、韓国人の1人当たり国民所得の4倍以上の収入があることといった厳しい条件が課せられています。
2006年に行われた統一地方選挙で外国人参政権を認められた韓国在住の日本人はわずか51人に過ぎません。特別定住者だけでもおよそ40万人に選挙権を与えようとする日本の外国人参政権と韓国の外国人参政権を、相互主義で論ずるのは荒唐無稽なことなのです。
世界に目を転じてみても、日本で議論されているように「寛容な」外国人参政権を与えている国はない。人権を重視する国であるアメリカでも、グリーンカードと呼ばれる永住権だけでは参政権は得られない。参政権を得るには、星条旗に忠誠を誓い、帰化して市民権を獲得する必要がある。
制度として外国人参政権を定めている例としては、EU加盟国がEU国民に対して外国人参政権を認めていたり、イギリスなどが長年植民地としていた国との間で相互に参政権を認めているケース。また、事実上国境を越えた経済的な交流が根付いている国の間で永住外国人への参政権を認めている北欧諸国のようなケースがある。いずれにしても外国人参政権は限定的に付与されているもので、日本で議論されているような、外国人に対して無防備に門戸を開く制度ではないといえる。 |
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