原発稼働ゼロ:頼みの火力発電老朽化 急停止で停電の恐れ

毎日新聞 2012年05月06日 08時38分(最終更新 05月06日 09時13分)

原発ゼロの場合の8月の電力需給見通し※各社試算。▼はマイナス。需要は10年並みの猛暑となる場合のピーク需要を想定
原発ゼロの場合の8月の電力需給見通し※各社試算。▼はマイナス。需要は10年並みの猛暑となる場合のピーク需要を想定

 「運転開始から50年近い老朽機を動かす以上、細かな不具合は随所に出る。発電に直結する不具合なら数日止めて修理するが、この排ガスは温度が200度以下と低く、近寄らなければ大丈夫」。東電の小河原仁・火力部グループマネジャーは淡々と話した。

 電力各社は、一部の火力発電所に最大出力を高める改造を施すなどしている。しかし火力は長時間のフル稼働に耐える設計になっていない。2月3日には91年運転開始の新鋭機、九州電力新大分火力発電所が燃料供給系統のトラブルで緊急停止し、「計画停電の一歩手前」(経済産業省幹部)の危機に。この時は関西電力などから一時的に送電線の運用容量を超える応援融通を受けて乗り切ったが、新鋭機ですら急停止する現状に各社は危機感を強めている。各社とも故障対応の技術者を現場に張り付かせるなどし、目を光らせているが、急停止が大規模停電につながる懸念はぬぐえない。【宮島寛】

 ◇福島原発廃炉への道は険しく

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