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'12/5/4

ピーチ、欠航時に混乱も LCC流対応、浸透半ば

 格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションで、欠航時に一部の利用客の間で混乱が生じている。低価格運賃の実現のため他社便への振り替えがないためだ。世界的にみられるLCC流の対応だが、日本では知らずに利用する客も多く、専門家は「よく調べてから乗って」と注意を呼び掛けている。

 ピーチは関西空港を拠点とし、3月1日に就航。最初の1カ月の平均搭乗率は83%で、75〜80%としていた予測を上回り、今のところ好調だ。預け荷物や機内食の有料化など、徹底的なコスト抑制策で実現した低価格運賃が最大の魅力だ。

 しかし、日航など大手は、機材故障などの自社都合で欠航すると、他社便への振り替えのほか、ホテルを手配するケースもある。一方で、ピーチは自社便の中で振り替えるか、払い戻すしか選択肢がない。

 3月に長崎発関西行きの便が欠航した際は、福岡発の便に振り替え。長崎から福岡までの交通費は利用客の負担で「他社便は乗れないのか」「滞在費を負担して」と不満の声が相次いだ。

 4月19日には、関西発鹿児島行きの最終便が欠航。鹿児島市の自宅へ戻る男性(31)は、翌日への振り替えを待たずに、やむを得ず他社の福岡行きチケットを購入。「福岡から鹿児島までの新幹線代も含めたら他社の方が安かった」と足早に出発ロビーへ向かった。

 同社はホームページで「他社便への振り替えはできない」と呼び掛けるが見落とす客も多く、手元に残る予約確認書にも記載を始める方向で検討に入った。




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