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個人情報の扱い県内の学校模索 自主規制?行き過ぎ指摘も 05月05日(土)

長野市内の小学校で保護者に配られた連絡網に関するお知らせ。個人情報保護への配慮がうかがえる

 「個人情報保護」の観点から県内の小学校で登下校時に名札を着けないよう指導したり、クラスの連絡網を作らなかったりする動きが加速してきた。個人情報の扱いに対する社会的関心が強まる中、悪用や流出を恐れて学校側が自主規制しているようだ。その結果、学校に行っても誰の子どもか分からない保護者もいて、おおらかだった時代に比べて「行き過ぎだ」と指摘する声もある。不審者情報が各地で流れる中、子どもたちの「安全」をどう守るか、模索が続いている。

 「名札は朝、学校に来てから教室で着けて、帰宅する時は学校に置いていってください」。4月上旬、長野市の女性(36)は、小学校1年生の次男が通う学校で、担任教諭に言われて驚いた。現在中学校1年生の長男も同じ学校に通っていたが、名札は登下校時に家で着けたり外したりしていた。

 「昔だったら考えられない」と女性。「ここまでするのは悲しいけれど、この辺でも不審者情報や不審電話があり、子どもの安全のために仕方ないのかな」とも話す。

 松本市の山辺小学校では数年前、学校独自に個人情報に関するガイドラインを作った。名札は登下校時は外し、ランドセルも外側から見える位置には名前を書かないよう指導している。田畑邦男校長は「いろいろな意見があり過剰反応という声もあるが、学校としては子どもの安全と安心を最優先している」と話す。

 こうした傾向が進む契機の一つは、2005年度に全面施行された個人情報保護法だ。同法が対象とする民間事業者に当たる私立学校向けに、文部科学省は施行前後に指針とその解説を策定。「解説」では、連絡網の作成には保護者の同意を得る、配布は必要部数に限り目的期間が終了すると回収、破棄する―といった対応例を紹介した。

 一方、同法対象外の公立学校でも参考にされており、公立、私立含めて現実は「解説」を超える形で進んでいる。

 松本市教委によると、最近は児童の家庭の連絡先は学校が一元管理し、連絡は電子メールの一斉送信などを用いるため「連絡網自体、作らない学校が一般的」という。登下校時の名札の扱いや、ランドセルの名前なども「解説」では触れられていない対応だ。

 こうした状況に戸惑いを感じる保護者もいる。小学1年と幼稚園年少の子どもがいる上田市の男性(44)は、同じ学校に通う子どもを見かけても名札がなく、気軽にあいさつできなかったと振り返る。「個人情報を気にし過ぎて横のつながりができず、逆に安全から遠ざかっているのではないか」と懸念する。

 信大教育学部の武者一弘准教授(教育行政学)は「子どもの情報は共有することで指導や安全につなげる面がある」と指摘。「大企業などと同一にして個人情報保護を考えるのではなく、まず学校や保護者での議論が必要だ」としている。


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