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<関西電力>オール電化住宅なお促進

毎日新聞 5月5日(土)11時37分配信

<関西電力>オール電化住宅なお促進
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関西電力管内のオール電化住宅戸数
 今夏の電力需給が全国で最も逼迫(ひっぱく)する関西電力が、調理や給湯などをすべて電気でまかなうオール電化住宅の販売促進を続けていることが4日、分かった。政府試算で今夏の電力供給能力が最大需要より15%足りないと見込まれる同社管内で、需要を拡大させるオール電化推進には批判が上がりそうだ。【久田宏】

 関電広報室によると、完全子会社でオール電化機器の販売会社「かんでんEハウス」(大阪市)が関電管内の加盟店に取引量に応じて値引きし、事実上の販売奨励を行っている。昨年12月までは、オール電化を販売した電器店や施工会社に「電化手数料」も支払っていた。

 関電は昨年3月の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故以後、オール電化のテレビCMは自粛したが、ハウスメーカーなどは独自にオール電化住宅を販売。子会社を通じた営業もあり、11年度は関電管内でオール電化住宅が約7万戸増加し、累計で全体の約1割にあたる94万戸になった。東電は昨年の原発事故直後に新規営業を中止した。

 オール電化住宅は、電気を使うIHクッキングヒーターやヒートポンプ式給湯器を導入。低料金の夜間電力を活用して、ガス併用より光熱費全体では安くなる場合が多い。

 しかし、今夏は大飯原発3、4号機が再稼働しても、関電管内の電力不足は深刻。NPO法人「地球環境と大気汚染を考える全国市民会議」の試算では一般家庭がオール電化に切り替えた場合、年間の消費電力量は27.8〜93.3%増加する。

 関電広報室は「オール電化を通じて、低炭素社会の実現と、ピーク需要の抑制に向けた取り組みを推進しており、継続していきたい」と、今後も推進する構えだ。山藤泰・関西学院大客員教授は「電力需給が逼迫しているのにオール電化を売るのは矛盾。それでも続けるのは『再稼働をあきらめた』と思われたくないからではないか」と指摘している。

 ◇オール電化住宅◇

 従来はガスでまかなっていた住宅内の給湯や調理などのエネルギー源を電気に統一した住宅。電力各社は原発がつくり出す夜間の余剰電力を活用するために推進してきた。最近は太陽光発電を設置し、余剰電力を電力会社に売電するケースもある。

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最終更新:5月5日(土)11時43分

毎日新聞

 

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