福島第一原子力発電所におけるロボットオペレータの手記
- PackBot編 - 2011.4.26~6.24
(「言いたい放題*やりたい放題/ウェブリブログ」より転載)
ゾウさんとキリンさん
作成日時 :2011/04/23 02:54
これは現在休止中の特殊コンクリート圧送車です。
通称、ゾウさんとキリンさんです。
ゾウさんは向かって左の緑の車体。
良く見ると、Elefantと書いてあるのですが…
ゾウさんは右ハンドル、キリンさんは左ハンドルです。
車輪は、ゾウさんが14輪、キリンさんが16輪です。
約65mですが、これでも小さい方なんです。
いま一生懸命芸をしているのは、マンモスとシマウマ。
これらは75m級で、18輪です。
来週から、私はこれらの飼育係をする予定です。
ロボットチーム
作成日時 :2011/04/26 18:06
新たな業務は探索ロボットの操縦です。
今後は国産ロボットも導入していくとか。
当面は、私を含めて三名で操作します。
タービン建屋の中は津波の被害がすざまじい。
泥だらけ、しっちゃかめっちゃか。
よくこの程度の被害で済んだと思うのが、正直なところです。
原子炉建屋は、それほどでも無いです。
ロボットは有線でも使えますが、ケーブルが絡まるので無線で動かします。
プログラムを必要とするので、タフブックよりゴッツイPCを介しますが、コントローラーはプレステ等のゲーム機と同じです。
走行・アーム・グラップル・カメラ・ライト・その他補助装置は、切り替えて使います。
その切り替えがゲーマー向き。
やはり例の後輩が上手い!
明日はロボットが非番なので、充電がてら私の操縦訓練です。
瓦礫だけでなく、階段を登り降りさせたいらしいので、頑張ってコツを掴むしかない。
テレビに映像が公開されれば、私の操縦でしょう。
先頭を行くロボットを担当する予定ですから。
もしかしたら、明日はファイバースコープのオペレーターを頼まれるかも知れません。
今日、流水音を私が見付けて(聞き付けて)しまったので、ファイバーで確認する必要が出てきました。
200〜300mのファイバーを有しており、ロボットよりも、どちらと言うとファイバーの扱いの方が得意なんですよぉ〜。
仮設事務所
作成日時 : 2011/04/30 06:56
高速道路も前線基地まで一般車両も開通しました。
今日はGW初日ともあって、我々の様な『通勤車』の他に、前線基地見学ツアーで渋滞していました。
警戒区域がきちんと設定された事で、それ以外の場所は人が戻り、元の生活が戻り始めています。
今日の仕事。
ロボットでサーモ撮影をしました。
私達は集積線量を測るガラスバッチの他に、個人線量計を2つ携帯して、最前線に行きます。
最前線の様子はテレビで公開されていますが、実際に見ると、もっと凄惨な現場ですね…。
その線量計、私の一つが作業開始早々にアラームが鳴りっぱなしになりました。
同行している放射線管理担当者に確認してみると、設定が間違っている物を渡された様でした。
「異常は無いので、作業を続けて良い」
との事で、作業続行!
ロボットは暫く休み。
明日は、当社の仮設事務所への引っ越し作業をします。
私の『タコ 部屋脱出計画』は失敗に終わりました。
本社は、
「家族同帯が決まりだからダメ!」
と。
既存の規則の趣旨が家族同帯だそうでして…(涙)。
特殊災害でそうも言ってられないので、何とかして欲しいですね。
単身寮を借り上げる事も、
「会社としては、したくない」
と言っていました。
私の他にも、同じ意見(考え)をしていて、声を上げてはいます。
他の方法を考えるか、組合を通して、他案を探します。
かつてのお隣Iさんと、消防団部長からメールが来て、ウチの近所で行方不明になっている、私の知る限りの10名の内、1名が遺体で見付かった様です。
私も寄り合いとか人足でお世話になった人です。
残念でなりません…。
iRobot
作成日時 : 2011/05/01 16:04
いま私達が使っているのはアメリカから無償提供されたiRobot。
多くはネットで情報が出ているので、もう紹介しても問題なかろう。
無償提供されているのは本体とコントローラー関係の一式だけです。
私達のニーズに合わせて、カスタマイズ(改造)を施してあります。
カスタムパーツは有償です。
ちなみにグラップルの先端部分だけで約10万円だそうです。
2台を2社共同作業で行っています。
必ず2台で対となり、万一1台に何か問題があれば、もう1台でサポートするのです。
以前搭載カメラは2台と書きましたが、1台は5台、1台は4台搭載しています。
それぞれ搭載している装置も違います。
カメラを5台搭載している物には、線量計×4台を搭載しています。
カメラを4台搭載している物には、線量計×1台・ダストサンプラー(汚染濃度を測る)・赤外線サーモカメラ・ガス検知器(酸素濃度・有機ガス濃度・可燃性ガス濃度)を搭載しています。
本体重量は1台約40kg。
一人で何とか持てますが、基本的には二人で持ち運びします。
でも、何だカンだ、この有事の際は2社共同作業です。
この際、会社の垣根は関係有りません!(現場はね…)
バッテリーがフル充電だと、概ね4時間は余裕を持って作業が出来ます。
防水・防爆構造なので、有線にすれば水深3mまでは潜水出来るそうですが、今のところ潜水はさせていません。
本体内部や駆動部は防爆構造なのですが、アームやシャーシは金属なので、完全防爆仕様ではありませんから、可燃性ガス(水素)が検知されれば作業は中止です。
可燃性ガスは、そのガスの性質によって爆発限界値があるので、薄くても濃すぎても爆発しない…つまり、すぐには爆発しません。
要は燃焼を助長させる酸素との濃度割合によるのです。
GPSとジャイロシステムを搭載しており、東西南北の方位(実際には英語表示なのでNWSE表示)や本体の姿勢をPC画面に表示できます。
GPS電波が届く屋外で本体の電源を入れて建屋内に運び込みますが、建屋内をあっちこっち動き回っている内に、方位は狂ってしまいます。
方位はアテに出来ませんが、ジャイロによる姿勢表示は凄く役に立ちます。
ちょっとでもいずれかに斜めになれば、その傾斜の大きさに比例して姿勢が3DでPC画面に表示されます。
3Dと言っても、飛び出す3Dではなく…
仮にひっくり返れば、ひっくり返って表示されます。
また、各パーツ(装備)が、今どの様になっているのかも3Dで表示されています。
現在採用しているアメリカ製ロボットは、他にもう1台有りますが、大きくて狭い建屋内には入れないので、使用していません(QinetQ社製のTalon)。
あまり小さ過ぎても、重い防護扉(鉄扉)を開ける事が出来ないので、小さくて軽いのも意味が有りません。
鉄扉の重量に負けない自重が、ある程度は必要なのです。
瓦礫も研究室の様な整った物ではないので、クローラー(キャタピラ)が浮いて亀の子状態になってしまう事もあります。
そんな時は、フリッパー(補助クローラー)を下げて、四輪みたいにして脱出します。
その点に関しては、千葉工業大学で開発した国産ロボット(Quince)の方が走破性が良いとされています。
ただ、カスタムパーツの搭載性や、自重の面でどうなんでしょうね…。
搭載カメラの映像を見ながら操作します。
電力会社の社員は本店の方達なので、現場の構造を良く知りません。
閉ざされた場所ですので、現場慣れしていない人は、東西南北さえ見失ってしまいます。
しかし、私達オペレーター(私と放射線管理担当者を含めて2社で8〜10名)は、現場の構造は全て頭に入っています。
無数にある配管類も、だいたい場所を把握しています。
平面図だけで話をする時も、概ね現場の構造が頭に浮かびます。
電力会社の社員が、
「こういう感じの…」
と言っても、私達作業員は、
「ああ、○○ね」
と専門的に分かります。
(時に、それで臍を曲げられる事もある…)
オペレーターの後輩は、4月23日に挙式予定でした。
私も彼が入社した時からのOJT担当だったので、呼ばれていたのですが…。
雑談の中でそれを知った電力会社社員(本店勤務者)は、驚いていました。
私達は私情は話しませんが、10名全員が警戒区域の中に家が有り、私の様に津波で家を流失した者もいます。
「津波で家が全壊・流失した」
「身内の者が行方不明で見付かっていない」
等と話せば、驚かれるかも知れませんね。
住んでいる地域が違うと、それだけ今回の震災に対する個人的な受け留め方が違うのです。
(だから、せめて命令口調はやめて欲しいんだけどな…)
搭載カメラも、線量が1,000mSv/h(1.0Sv/h)に達すると、チラチラと電気的ノイズが入ります。
放射線も電離作用が有りますからね。
これはカメラが拾っているのです。
日頃の仕事(炉内作業)で水中作業で用いる水中カメラでも同様のノイズが出るので、何ら珍しい事ではありませんし、驚く事もないですね。
当然、無線操縦の電波も減衰します。
PC画面に、通信状態を示すレベルが表示されています。
通信が途切れるとロボットが戻って来れなくなるので、安全サイドで作業をします(無理をしない)。
1,000mSv/h超えも、実は通常の業務外で偶然見付けたのです。
本来の業務が終了、ロボットを戻す際でした。
当日のオペだった後輩(4月23日に挙式予定だった後輩)が、
「SHさん、この先は何があるんですか?」
と聞くので、
「シャットダウンポンプ室だよ」
と教えてあげました。
シャットダウンポンプ…正式にはシャットダウンクーリングポンプ(通称SHCポンプ)です。
日本語で書けば、原子炉停止時冷却系。
1号機は原子炉の型式が古くて他号機とは違うので、残留熱除去系(RHR・RHRS)が無いのです。
SHCは、RHRと同じシステムです。
「バッテリー容量も有るし、電波状況も良いし、作業時間にも余裕が有るから、行ってみるか?せまいけどね…」
と私。
他のオペ達も、
「んだな。狭め〜けど、腕試しに行ってみ!」
と。
行ったら、
「SHさん、線量がどんどん上がっています。3桁になりました。700…800…900…1.2???。あ!単位が変わりました。ミリが消えました!」
と後輩が叫ぶ。
「何だ!?お化けがいんだかなぁ〜???」
と私。
他のオペ達も、
「何かあんだべか…???」
と。
そう、私達は高線量の事をお化けと昔っから呼ぶのです。
だって、目に見えないんですもん…
「あそこはお化けが居るから注意しろよ」
とか、
「お化けが移動した」
とか。
SHCポンプ室の鉄扉を開けましたが、本来は90°開くところが45°ぐらいしか開きません。
カメラで覗いてみると、何かが倒れている(落ちている?)ので、開かない様でした。
カメラの角度が入らず、何なのか???は良く見えませんでした。
無理をすればロボットは入れましたが、無理は禁物!
バックした所で撮影した静止画がテレビに出た訳です。
SHCポンプ室の奥は、MSIV外弁室(タービン側に行っている主蒸気隔離弁の外弁室)がありますが、そこまではロボットが行けません。
29日も同じ場所を探査しましたが、線量は変わりませんでした。
見える範囲では、水漏れ等は見当たりませんでした。
そんな偶然から、お化け屋敷を見付けたんですよ
ちなみに、テレビで公開される動画。
原画がYouTubeに出ていますね。
音声は消されていますが。
当社や、もう1社の人がアップしているとは考えられないので(事実上不可能です)、電力会社の方でアップしているのかなぁ〜???
私もチラホラテレビに映っています。
足だけとか、全面マスクの一部とか…
撮影しているのは、電力会社ではなくて、もう1社のオペの方(作業員)です。
データーはそのまま電力会社へ渡していますが。
操縦訓練
作成日時 : 2011/05/07 06:38
今日はロボット非番です。
私としては休日出勤になる訳ですが、朝は今後のスケジュールを確認する為に最前線に行きます。
その後は、ロボット操縦の訓練(モックアップ)の予定です。
今後は階段の昇降や挟隙部等の入り組んだ場所に入る事もあるので、その訓練です。
階段も、大学の研究室の様な単純階段ではないので、バランスが難しいし、狭い踊り場での方向転換が難しいです。
明日から、機械以外から(計装屋)の若い社員(私より若い)も合流します。

前線基地では、自衛隊がだいぶ縮小されました。
戦車も撤退しましたし、装甲車もほとんど無くなりました。
頻繁に発着していたヘリも、ほとんど来なくなりました。
当初の様な物々しさは無くなりましたね~。
今は、工兵部隊な様な部隊と、医療部隊しか居ません公益常備消防も完全撤退し、自衛隊の消防隊が少し残っている位です。
ですから前線基地も、だいぶ広くなりましたね~。
自衛隊も、陸・海・空の全国の駐屯地から、様々な部隊が来た様です。
化学防護隊もいました。
幅広く実戦経験をさせたい意図があったのでしょう。
自衛隊も公益常備消防も、慣れない所で、お疲れ様でした!
是非『旨いビール』を飲んで下さい。
警戒区域の検問は、先日までの神奈川県警に代わり、今は岡山県警です。
彼らも慣れない所で、お疲れ様~!
警戒区域への一時帰宅について、私が国会議員を通して現状や問題点、そして打開策を訴えていた全ては通りませんでしたが、訴えていた内の人数に関してははプラスになったので、良かったです。
私の知り合いで、津波に飲まれて行方不明となっていた方々も、日々少しずつ御遺体が上がってきました。
上の子の同級生の親も見付かったそうです。
本当にもう、何と言って良いか分かりません…。
そして、捜索には重機がないと、やはり難しいんですね…。
自然のエネルギー(津波のエネルギー)は、想像を絶するものがあります(計り知れない…)。
バスの運転とロボットの操縦
作成日時 : 2011/05/07 16:05
急遽バスの運転も入りましたが、ロボットの操縦訓練が中心でした。
昼も通してみっちり4時間半。
線量の低い、当社の事務所や加工場付近でやりました。
もちろん化学防護服フル装備です。
私はだいたい操縦は問題ないので、事務所の外階段(鉄階段)を使って訓練しました。
その方が幅も狭いし、より実戦に近いからです。
ひたすら、階段を最上階まで上がって降りて。
アメリカ製は前進登坂能力が弱いので、前進では滑って登れませんでした。
後進登坂で、狭い踊り場で方向転換し、アームで重心を変えてバランスを取り、お尻を浮かせて登坂させるのです。
階段に関しては、構造上、国産ロボットの方が扱い易いと思います。
まだ国産ロボットは扱っていないのですが…。
階段は、登るより降りる方が簡単です。
降りる方は、最初のとっかかりが怖いのですが、それさえクリアーすれば、大した事はありません。
とりあえずは搭載カメラだけで操縦出来る様になりましたが、明日も継続訓練(モックアップ)です。
明日は少し動画を取ってみようかな。
個人的なカメラで、自社内のモックアップだから問題ないでしょう。
有線でトライ
作成日時 : 2011/05/09 06:37

随分と物々しい看板を掲げていますが、要は前線基地の自衛隊診療所です。
この他にも電力会社が中心となって、全国の国公立大学病院の医師と看護師が詰めている診療所もあり、電力会社社員以外の私達作業員も、風邪や花粉症でも無料で診てくれます。
今日(昨日)は快晴、少し暑いぐらいでした。
GW最終日でしたが、皆さんは楽しめましたか?
レポートをお待ちしております。
私達オペレーターも、
「マスクを被ってこんな事をやっている場合じゃないだろう…遊びに行きたいなぁ?」
と、冗談も飛び交う程です。
若手は階段昇降の基礎訓練。
私達は有線(光ファイバー)を用いて階段昇降に備えたモックアップをしました。
無線装置は、短波(VHF)を使用し2.4Wと4.9Wの二種類あります。
4.9Wの方がハイパワーですが、何故か遠くまで飛んで感度が良いのは2.4Wの方なのです。
アンテナもロボットの無線ユニット も載せ変える必要があります。
ちなみに、総務省電波局で割り当てられた周波数ではないので(アメリカ製なので…)、厳密には日本の電波法違反です。
無線ユニットの交換等、三重四重のゴム手袋をして、細かい作業をする訳ですが、これも慣れなのです。
無線では通信の信頼性に問題があり、今後は有線で建屋内の階段昇降をしたいと言う意向があり、それに備えてモックアップしているのです。
ロボットの無線ユニットを降ろし、ケーブルを自動で巻き取り・送り出しするリールを搭載させます。
ちょうど半自動溶接機のフラックスワイヤーの送り出し装置みたいな物です。
ケーブル長さは約300mです。
バックで登る必要があるので、狭い踊り場で180度ターンさせるのは難しい。
クローラー(キャタピラーは社名&商品名です)でケーブルを踏んでしまったり。
コントローラーで、手動でケーブルを出したり入れたりして、踏まない様にするのがコツで、余計な注意と操作が増えます。
ケーブル処理は得意ですが、まだアームでバランスを取るのが苦手です。
広い場所なら平気ですが、階段の踊り場という、狭くて限られた場所でアームの操作が苦手ですね…。
明日(今日)もロボット出動は無さそうで、操縦訓練の続きかな…。
今日も良い天気
作成日時 : 2011/05/09 15:04
平時なら最高の天気です!
今日もバス運転手&ロボットオペレーターでした。
ロボットは訓練です。
今日も若手(計装屋)が一人加わり、機械屋×三名&計装×三名の計6名のチームが完成しました。
ロボットの依頼は夜中に急に決まる事が多く、今まできちんと休めなかったのですが、これなら三班×二名体制で組めば、6勤3休ができます。
二班あれば、万一体調不良者が出ても対応できるし、場所によっては二人でロボットの運搬が厳しい場所もあるので、二班体制で勤務していれば、問題ありません。
出動が無ければ、出動を想定した訓練や、ロボットのメンテをしている事になります。
メンテもオペレーターの仕事ですからね!
明日は3号機の原子炉建屋に入る予定で、私は階段昇降を想定した訓練を、今日はやっていました。
苦手だった挟隙部(踊り場等)で、アームを使ったバランス取りも克服。
もちろん実戦を想定して、ロボットが見えない位置から搭載カメラだけで操縦しています。
最前線に向かう道路もだいぶ補修が進みました。
路面ペイントも新しくなりました。
しかし誤字が四ヶ所も…。
本来なら『徐行』とペイントすべきところを、『除行』とペイントされています。
毎日気になってはいますが、意味は通じるし、間違え易い文字なので、仕方ないかな…と。
そうそう、タコ部屋脱出計画、他の者達も、
「本社の考え方は絶対にオカシイ!」
「限界だ!」
と声を上げており、組合執行部が動く事になりました。
まだ決定ではありませんが、少しは光が見えてきました。
ロボット実戦
作成日時 : 2011/05/11 06:36
昨日は私の操縦で、3号機原子炉建屋に入りました。
階段の昇降はありませんでしたが、結構瓦礫があったので、アームや車体を使って寄せながら進みました。
二重扉の開閉が難しかったのですが(狭いので)、まぁスンナリ行きましたよ。
今日は有線に載せ変え、特に問題無く普通の5号機原子炉建屋を使って最終的な階段昇降訓練(モックアップ)です。
有線の階段昇降は、踊り場で180度ターンしながら、ケーブルを踏まない様に旋回しなければなりませんから、ケーブル・リールの操作もあるので、有線は難しいのです。
今日の訓練は、私がメインとなるとか…。
前線基地や最前線の劣悪な状況は、愛媛大学の医師のレポートでお分かりの通りです。
電力会社社員よりも、私達作業員の方が遥かに劣悪環境です(寝処を除く)。
ストレスに関しては、被災者でもある私達ですが、一般の被災者の二倍とも三倍とも言われています。
現に私ですら、カナリ精神的に厳しい時があります。
震災当時に居た4号機原子炉建屋も、津波でしっちゃかめっちゃか。
後5分遅かったらと思うと、今となって恐怖を感じます。
かつて我が家が在った辺りもすさましいが、最前線の現場はもっとすさましい。
電力会社も国も、かなり情報を公開しています。
しかしマスコミは興味が無いのか、肝心な事は報道せず、どーでも良い事を、有る事・無い事、過大に大騒ぎ。
これこそ風評被害を賠償すべき者である!
まぁそれはさておき、話を戻しますが、これほどロボットを使いこなしている者は、世界にそうは居ないだろうと思います。
メーカーの人でも、そうは居ないと思いますよ。
私達ロボットチームに限らず、これだけの天災に立ち向かって、災害を封じ込める、日本の技術力と人間のレベルの高さを、今こそ世界に見せ付ける時!
これも日本を救い、復活させる一つだと思います。
こういう天災は、世界何処でも起こり得る事です。
同じ出動があれば、世界何処にでも行きますよ!
今はスウェーデンから、小型重機のロボットが来ましたが、使っていません。
他にもロボットの報道がありましたが、情報の出所がいい加減で、後のロボットは、話しは来ていませんが…?
ウォーリアと、その後に千葉工業大学の国産ロボットです。
でも国産ロボットは、パソコン二台必要とか、その他の付属品が重く、人力での運搬が難しいと、却下される可能性があります。
研究室で考えられている事と、現実の現場では、中々ねぇ…。
防護服
作成日時 : 2011/05/12 06:38
ここ数日はバスの運転とロボットで忙しく、家族に連絡を取れていません。
前線基地に戻ったら、手続きをして即退散でバスの運転がありますから、家族に連絡する時間がありません。
家族には、大変申し訳無く思います。
昨日は5号機原子炉建屋の階段を使い、より実戦に近いモックアップをしました。
事務所の外階段よりも急で狭い。
ロボットは、狭い踊り場でターンする事を想定されておらず、それをやってのけようと言うのだから、我ながら凄い話しだ。
昨日はどちらかと言うと、ナビゲーター的なアドバイザーとなっていました。
ロボット2台とも、通信装置に異常が有る様です。
無線の電波の種類毎にPCのモジュールを差し替えます。
無線(二種類)も有線(光ファイバー)も調子が悪く、比較的正常に作動するモジュールを予備品からチョイスしました。
今日も5号機原子炉建屋で階段昇降モックアップです。
防護服(化学防護服・タイベック)はアルファー線は防ぎますが、ガンマー線やベーター線は防げません。
なるべく被曝しない様にするのがコツです。
防護服は、放射性物質が付着しない様にする物です。
普通の雨なら30分位は耐えます。
雨が降っている時や、水がある所では、更にPCVスーツという物を着ます。
これは完全に外気と遮断される為、汗が溜まります。
私達も、雨が降っていなくても、PCVの下だけは着用しています。
防護服も数種類ありますが、一番シェアのある、デュポン社製(アメリカ)が一番着やすくて、破れにくいですから、デュポン社製が一番良いです。
万一使用中に破れたら、テープで補修するのです。
マスク(面体)も数種類ありますが、シェアで言えばシゲマツ社製が一番ですね。
シゲマツ社製も良いのですが、今は3M社製が着け心地良いです。
顔部分(マスク周り)と、腕(手袋の袖)は、テープで密封するのです。
ウォーリア
作成日時 : 2011/05/18 07:19
今日もバスが忙しくてロボットはお預け。
自社バスの路線バスタイプのバッテリーがダメ(充電も効かないので劣化)なので、バッテリー交換をします。
大型車のバッテリーは、一個50kg位あるので大変です。
新しいロボット(ウォーリア)は、現在使っているパックポット(いずれもアメリカiROBOT社)より、二廻り位デカく、重量も250kgと、約3倍です。
操作方法の考え方はほぼ同じですが、アームのパワーは遥かに強いです。
自力懸垂ができます。
ただ、モーメントが掛かる様な使い方は、耐荷重能は当然ながら落ちます。
クローラー懸架方式が違います。
パックポットが偵察用なら、ウォーリアは作業用と言う感じです。
何に使う気なんだろうか…???
オカシイだろう!(怒)
作成日時 : 2011/05/19 06:33
福島県から、こんな通達がきました。
原発関係者は、仮設住宅・住宅支援金(月6万円まで補助)・義援金(仮払金や補償金ではなく)を、自粛して欲しいと。
またすでに申請をした者は取り下げて欲しいと。
今のところ、私達個人としては影響はありませんが、公共性のある県(自治体)から正式な通達を出すのは差別のほか何でもない。
会社としてそういう方針なら分からないでもないが…。
電力会社社員ならまだしも、一介の作業員である私達もである。
県の建前は、本来に困窮している人を優先させたいらしいが、本意は県民の風評的なものだろう…。
公平性を保つなら、特定の会社に出すのではなく、全てに出すべきです。
作業中止
作成日時 : 2011/05/19 14:44
急遽ロボット探査は中止。
福島県の通達により、当社も含めて最前線&前線基地も、皆ピリピリモード。
士気が一気に落ちました。
まったく!福島県は余計な事をしてくれたものだ。
県知事からして、困ったものだ。
ロボット探査中止は、この件とは関係ありませんが。
ロボットが中止となってもボケッとしていられない性分の俺達。
パックボット(従来機)の、若手三人の操縦訓練をさせました。
最後にバッテリーを交換し、軽くメンテして終了〜♪
ガタもだいぶきているので(軍用だが、耐久性に問題あり)、月曜日に本格的なメンテの講習を、iROBOT社のアメリカ人から小名浜で受ける予定となりました。
月曜日は、どっちにしろ検診等で小名浜へ行かなきゃならないんだ…。
月曜日まで出動は無いし、バスの担当も無いので、休暇を取る事にしました。
約二週間ぶりに家族と会えます。
日曜日の夜に再び福島県に戻る訳ですが、日曜日の夜から湯本のホテルに移ります。
ロボット(その②)
作成日時 : 2011/05/20 21:06
震災当日の写真
作成日時 : 2011/05/21 11:07
いずれの写真も、クリックすると拡大表示されます。

これは、当時私が派遣されていた職場の事務所内です。
ネットのニュースから拝借いたしました。
私の席があった場所は、写真にはギリギリ写っていませんが、写真右端です。
これは地震の揺れで落ちた状況でして、爆風で破壊された物ではありません。
その後の爆風で、もっと酷い状況になりました。
私も地震発生直後(約1時間後かな…?)は、この様な中にカバン(家の鍵・携帯電話・財布・クルマの鍵)と通勤時に履いていた運動靴を取りに、余震で揺れる中へ意を決して入りました。
その後、ロッカーの有る建物に何とか入ったのですが、ロッカー室のドアーが内側に開きませんでした。
恐らく倒れたロッカーが邪魔をして、扉が開かなかったのでしょう。
部屋の内側に開くドアーは、廊下を歩く人にぶつからないという利点もありますが、物が倒れると全く開かなくなるという欠点がありますね。
かつての自宅の書斎もそうでしたね…
余震が酷くて、いつ建物が崩れてもオカシクなかったので、私服は諦めました。
その時は、
「いずれ、後日取りに来れるだろう…」
と安易に思っていましたが、未だにロッカーには愛用のGパン・革のベルト・フリース・ジャンバーが眠っています。
恐らく二度と取りに行く事は出来ないと思います。


(それまで快晴だったのに、何故か地震発生直後から真っ黒な雲に覆われた)
これも電力会社が公開した写真を、ネットニュースから拝借いたしました。
この2枚は、間違いなく第1波です。
私の目(以外にも複数の人がみている)で実際に見ているので、間違いないです。
私が避難誘導を終えて、4号機原子炉建屋からW氏と脱出して来て見た光景が、コレでした。
水平線の方には、写真ではあまり良く写っていませんが、小高い丘の様な第2波が写っています。
原発の専用港湾から、青栄丸(せいえいまる)が、汽笛を何度もけたたましく鳴らしながら、全速力で緊急離岸して行くのを見ました。
この時は、
「やべぇ!やべぇ!」
と言いながら(思いながら)、走って事務所のある丘に繋がる坂道へ向かっていました。
その間、残留熱除去系や、非常用ディーゼル発電機が全て稼働していたのを、この目で確認したので、まさかこうなるとは思いもよりませんでしたね〜。
自宅も、
「床上浸水ぐらいは免れないかもなぁ…」
な〜んて思いながら走って逃げていたのですが、甘かったです…

これはドーンと第2波が来た瞬間ですね。
大学教授等の有識者の話では、津波の高さは10m程度と言う人もいれば、15〜16mと言う人もいるし、19mと言う人もいます。
この際、数字(メーター数)は何メートルだろうが、それはどーでも良い事でして、これが現実なのです!
私がバスの運転席から、チョコらチョコら撮った写真もいっぱいあります。
公開しなければしないで、勝手に「隠蔽」と言われちゃうし…
困ったものですね。
このブログで公開しても良いモノかどうか迷いましたし、そもそもが仕事の事はあまり書かないつもりでいたので、写真等は一般公開された事項のみ、このブログでも公開する事にしています。
但し、さしあたって影響の無いものは、掲載していきます。
そもそもは仕事の事は書かないつもりでしたが、事態が事態ですので、可能な範囲で記事にしていこうと思っています。
それが読者のプラス(安心材料や報道機関に捻じ曲げられない真実を知る事)になればと、そういう考えで掲載しています。
一挙公開(1/2)
作成日時 : 2011/05/21 21:48
今までブログで公開していなかった写真を公開します。
今回公開に踏み切った理由として、隠蔽だの何だのと言われていますが、マスコミでも一般的に写真が公開されたので、その部分と重なる部位の写真を公開します。
マスコミ等が公開している写真とは若干撮影角度が違いますが、全て一度は皆さん目にした事がある写真だと思います。
破損した原子炉建屋の写真(NHKの望遠カメラでよく見ると思いますが)もありますが、今回は公開を見送ります。
どうしようか迷ってはいます。
今後の世間の動向を見て、公開するかどうかを決めたいと思います。
マスゴミには、売るつもりはサラサラありませんね…。
ちなみに自衛隊の消防車・洗車・ヘリは撤退したので、もう存在しません。
ですから、これらも公開します。
ヘリについては、2人乗りぐらいの小さな丸い機体の物が、時々前線基地に飛来して来るぐらいです。
定期便ヘリも来なくなりました。









一挙公開(2/2)
作成日時 : 2011/05/21 22:07
現在は警戒区域内となっている写真です。
これは直ぐに公開しようかと思ったのですが、中々画像を整理する時間が無くて、今日になってしまいました。
震災二週間後ぐらいに撮影したので、当時はまだ警戒区域とも制限区域とも設定されていない時でした。
撮影当時は、まだ原発関係や、そのた捜索部隊・復旧作業従事者もほとんどいなかったので、国道を走っていてもクルマにすれ違う事は、ほとんど無かったです。
寂しかったです。
今は原発関係・捜索部隊・復旧作業従事者が行き来していますので、まぁそこそこクルマの往来はあり、賑やかです。
交通事故も発生するぐらいですから…。
犬猫・牛なども自由気ままに歩いて(走って)ますよ!
電気も復旧している個所が多く、信号が点いていたり、街灯が点いていたりします。
但し、今は警戒区域なので勝手に入ったり、勝手に行動する事は出来ません。

あ、公開されたんだ…
作成日時 : 2011/05/21 22:22
時事通信の記事に公開されていました。
YouTubeに時事通信のコメントが記載されていますので、そちらも合わせてご覧ください。
尚、モニターを見て操作しているのは我がロボットチームではなく、重機の無線操縦チームです。
クローラーダンプも、無線操縦しています。
良~く見ると、私も映っているかも知れませんね…
正に最前線ではあんな感じですよぉ~
今日も色々と…
作成日時 : 2011/05/26 22:56
今日は6:00am〜21:00まで、ずっと運転でした。
まずは、バスの運転、そしてロボットの操縦訓練、再びバスの運転、そしてマイカー(MPV)の運転。
バスは満員状態なので、重い重い。
でも今日は板バネ車だったので、いっぱい乗っている方が跳ねなくて済みます。
ロボットは、耐薬品用の高密度ポリエチレンボトル(ポリビン)の蓋を閉め、持って来る訓練です。
高線量水をサンプリングして、それを安全に持って来るというのが趣旨です。
まずは私がトライ。
だいぶPacBotは、自分の手足の様に動かせる事が出来る様になりました。
一回目は数分掛かりましたが、一発でコツを掴みました。
二回目はスンナリ出来る様になりました。
ポリビンの蓋閉めは、どうやら私の得意とする分野の様です。
私より長くやっている同僚オペよりも上手く出来ましたよ。
オペも、個人個人得意な分野がある様です。
恐らくiRobot社のエンジニアーより、PacBotに関しては使いこなしていると思います。
恐らく世界一PacBotを使いこなしていると思います。
現在、キリンだかゾウだか、特殊コンクリート圧送車が1台故障しています。
注水出来ない状況ですが、安定しているので問題無いですね。
そもそも汚染水を増やす原因なので、注水の必要が無い時はする必要はありません。
この1台、ベンツのシャーシを使っていますが、中身は実は中国製なのです。
当初から故障してばかりなのです。
持って来る途中にクラッチが故障して、結局中国から部品取り寄せし、交換。
アウトリガーで出なくなったり、収納出来なくなったり。
油圧ポンプの問題だった様で、その都度、当社社員が修理しました。
一昨日からエンジンが掛からない。
バッテリーをブースターでつないでもダメ。
どうやらバッテリーの性能が劣化している様でした。
今の車両の電気系統は、完全にバッテリーが劣化してりまうと、ダメなんですね?。
バッテリーを持って来て交換して、更には燃料噴射ポンプを修理。
とりあえずエンジンは掛かるようになりましたが、送水出来ない…。
PTO(Power Take Off)の問題であろうという事で、当社社員で修理をしています。
ウチの社員、何でもやるでしょ?凄いでしょ?
建設会社ですが、機械屋・電気屋・計装屋・土木屋・建築屋が集まって、それぞれの専門知識を持ち寄るのです。
従前から協力してきてくれた下請けさんのお力添えもあります。
社員にしろ下請けんさんにしろ、様々な職歴を持った人が集まっていますからね。
震災直後の海水注水の件で、色々と議論が始まりました。
過去の事をアレコレ言っても仕方ないのに…
と思います。
そもそもこの話は、マスコミが勝手に言い出した話です。
事実を確認もせずに情報だけを先走った結果です。
それを今となって事実が分かったら、今度は政府や電力会社のせいにしている。
これだけ世の中の混乱を招いたのは、マスコミの他は何者でもない。
最近、私もパパラッチに追い駆けられます。
教える情報も無いし、答える情報も無い。
そもそも、まずは用がある方から名乗るのが筋なのに、まずは社名等を名乗らない記者へは、話をするつもりもない。
仮事務所にも取材が追い駆けてきます。
今日は前線基地にTBSの中継車が来ました。
今日・明日と、我が町の一時帰宅(一時立入)が行われています。
私達も申し込みましたが、今回は抽選から外れた様です。
テレビには知り合いも多く出ています。
知り合いが出ているとなると、何だか複雑な心境です。
我が町も全国的に有名になってしまいました。
どうも原発が悪い様な報道をしていますが、そうじゃなくて、今回の一時帰宅等に関しては津波に関してのモノなのですが…。
しかも、コレマタ線量の数値を二桁間違って放送しやがって!
嘘っぱちを放送(報道)するのも、イイカゲンにしろ!
国民をナメてやがる。
情報を操作するマスコミは、マスコミにあらず、マスゴミですね。
その情報に踊らされてか、色々と自由勝手に疑問視したり、好き勝手言いたい放題の者がいる。
このブログの題名ではない…
特に気になるのが、団塊世代やその上の辺りの世代の発言に問題があります。
やりもしないで、文句ばっか!
そんな感じがします。
色々と持論を言う前に、最前線へ行って手伝ってから言え!
被災地に行って、瓦礫の片付けをしてから言え!
それをしない者には、アレコレいう権利は無い!(人間としてルール違反である!)
そもそも、団塊世代やその上の世代が作った世の中・社会であり、それが被災した訳です。
彼らが作った世の中・世界、それを復興させようとしているのが、アンタラの子世代、またはその下の若い世代なのである。
ウチの会社もそうだが、そういう世代が何もしないでフンズリ返っているだけに見える。
もちろん、皆が皆という訳ではありませんが。
あくまでも私は、好き勝手・言いたい放題している者へ、ダメ出ししているだけですから…(あしからず)。
当社においても、他事業所からも応援部隊が来てくれている。
私の様な元々の職員も、そして女性事務員も、全員が志願者なのである。
もちろん、諸々の理由で来ていない人もいる。
全員が志願者である事を、忘れんでくれよ!
今週末は、上の子♂の運動会があるので、今夜実家に戻りました。
今日から震災による特別休暇が使えなくなったので、今日は有休です。
今後は、有休と代休を巧く使って休むしかありません。
だいぶ復旧作業もウエイトが重くなり、毎週は休めなくなってきました。
今回は2週連続で一時帰還しましたが、今後は2週間に1回ぐらいのペースでしょうね。
常磐道も、土浦辺りから交通量がグッと増えました。
首都高の渋滞は、川口線と大橋JCT付近で渋滞しました。
C1は空いていた様ですが、あえて遠回りの山手トンネルコースを選びました。
ですから、川口線と大橋JCTで渋滞にハマりました。
そのままC1へ行った方が、恐らく30分は早く着いたと思います。
渋滞が無かった上に、距離が短いですからね。
今日はあえて山手トンネルコースを取りました。
それ以外は交通量が多かったものの、概ね100km/h巡航で走って来れました。
雨は、東京・用賀辺りから降っていました(小雨)。
週末は天候が悪い様なので、運動会が心配です。
土曜日がダメなら日曜日、日曜日がダメなら火曜日だそうです。
火曜日は流石に無理だワ…
今は震災の根本が忘れられている、もしくはすり替えられている様な気がします。
あくまでも、1000年に一度の大地震が起き、大津波が発生したのです。
それを忘れていませんか?
それをわすれちゃ?イカンでしょう!
「政府にも、まだ見えていないところが多い…」
そんな事を言っているアナウンサーさん、アンタも同類、全然見えていませんよ!
IAEA
作成日時 : 2011/05/29 12:51
福島第一原発に、金曜日にIAEAが査察に入ったそうです。
そういえば木曜日、私達のバス駐車指定場所脇の横に、IAEAご一行様バス専用・駐車禁止とロープアウトしてありましたっけ。
IAEAは普段から査察等で馴染のある国際機関です。
査察は頻繁に行われますが、抜き打ちが原則なので2〜3日前に通知が来ます。
時によっては点検作業を中止します。
そんな時は別の現場に廻るか、事務処理をするか、休暇にするか。
別の現場に廻っていても、我々作業員の所へ来て、抜き打ちで質問をして来ます。
英語が原則ですが、フランス語の時もあります。
通訳が付いていますが。
要は、我々一介の作業員も、
きちんと教育を受けているか?
自分自身の作業の役職(立場)を理解しているか?
原子力発電の事を理解しているか?
自分がどんな作業に携わっているか理解しているか?
自分が点検している機器が、どんな重要性を持っているか理解しているか?
という事をチェックしているのです。
原則として、尋ねられた作業員が答えるのが原則だそうです。
私も会社から1ヶ月に一度教育を受けるので、答えられない事はまず無かったですね。
「日本語で結構ですから、分からない事は素直に分からないと答え、分かる事はそのまま答えて下さい」
と予め言われていました。
IAEAの査察官は、白人も居れば黒人もいます。
男性も居れば、女性も居ます。
たいていは一人で現場にやってきます。
そして査察中や査察に関する作業中は、査察官から言われない限り、勝手に手助けする事を禁止されています。
ちょっと重そうだから持ってあげようか、落ちそうだから抑えてあげようか…。
そんな親切心は、逆に妨害行為もしくは、隠蔽行為とみなされてしまいます。
今回は、震災の影響を多方面から検証する為に、数人で来日しています。
中には見た事のある査察官もいるかも知れません。
今後、世界の何処でも起こり得る可能性のある事ですから、今後の事に役立てて欲しいと思います。
日本の事故調査委員会も発足されていますから、互いにシッカリ検証して、今後同じ様な事が発生しない様に、また仮に発生した時に役立てるような事をお願いしたいと思います。
ちなみに、震災後に私がやっている事は全力投球、問題にされる事はないと、自信を持って言えます。
過去に例が無く、また理論どおりにはいかない事ですから、暗中模索状態。
でも、そんな中でベストを尽くしていると、自信を持って言えます。
自信過剰とかそういう意味ではなく、自信を持ってやっている事を言えなければ、収束は無いと思っていますから。
ちょっと驚いたのが、IAEAが採択しているCSC(原子力災害における補完的補償の条約)に加盟していなかったとか。
CSCに加盟/非加盟に関しては、私達には分からない事ですから。
恐らく電力会社社員でも、社長クラス(取締役クラス)じゃないと、CSCの加盟/非加盟が分からないと思います。
日本の原子力関連(福島に限らず)は、IAEAからも高い評価を受けていました。
ですから、日本政府だけでなく、IAEAや他国(国際社会)としても判断が甘かったのかも知れません。
CSCに加盟するか否かは、最終的には各国の判断になりますが。
CSCに加盟していないと、日本で裁判を出来ないので、補償を訴えた国の裁判所で、その司法によって判決が下されます。
よって多額の賠償を求められる可能性があります。
逆に言うと、CSCに加盟していた場合、事故を起こした国の司法で裁判を行う為、他国の災害に関して、日本は必要な補償を請求を出来ない事になります。
一長一短であり、その時の判断によるのです。
今後もこの話題でアレコレとマスコミに言われるとは思いますが、過去に誰がこういう災害を想定していたでしょうか…。
また無責任な事を騒ぎ立てるんだろうな…。
福島第一原発も、津波対策をしていたんですよ。
それに携わった私も、
「20m〜30m級のが来たら、こんなのはひとたまりもないだろうな。でもそんなのが来た時は、この世の終わりだし…」
と思いました。
それが現に来た!
ですから、不謹慎な言い方ですが、
「よくぞこの程度の事で済んだ…」
と思うのが正直なところです。
そもそもの設計思想が違うのですから…。
十数km南に離れた第二原発辺りでは、これまた地形の関係か、津波の高さが低いんですよ…。
何とも不条理なものですね。
今日の仕事
作成日時 : 2011/05/31 20:09
前の記事のとおり、今日は肌寒かったです。
フル装備をしていても、ちょっと肌寒かったです。
今日はロボットの操縦訓練でした。
当社社員オペレーター6名総勢での訓練です。
今日は若手3名の階段昇降訓練が主でした。
みんな上手いですよ~。
これだけロボットを使いこなす人は、世界中にそうは居ないと思います。
世界何処でも、要請があれば行きますよ!
昼過ぎに訓練終了。
免震棟に寄って前線基地に戻って昼食を摂る予定でした。
いつも少し遅い昼食なんですけどね。
しかし急遽すぐには戻れなくなり、野戦病院と化している免震棟にてレスキューフーズで済ませました。
今日のトラブル
・怪我人発生
当社関係ではないので詳細は分かりませんが、福島第一で怪我人が発生したそうです。
一旦前線基地に救急搬送し、そこから病院へ救急搬送したそうです。
今回も自衛隊は動かず…
規模は縮小されたとは言え、作業方としては作業の邪魔である。
デーンと居座るのではなく、怪我人が出ても動かないなら、もう少し控えめにして欲しいのですが…。
・重油漏れ
フランジから重油が滲んでいるとか。
増し締めし、閉止を打てば良い話らしいです。
それが午前中の話で、夕方、私が前線基地に戻ったら、やっと当社に、
「50A(2B)のパッキンは無いか?」
と来ました。
私が、
「(当社の)加工場にあるよ」
と答えました。
大した事じゃないのに、事を大きくしたがる。
おかしな組織です。
しかも、午前中の話を、夕方になってもしている。
大した事じゃないのに。
こうなったのも、マスコミ(世間)のせいですね。
隠蔽だの何だのって言われちゃうから、公表してからじゃないと修理も出来ない。
・酸素ボンベ破裂
爆発ではなく、破裂です。
瓦礫をどける、解体用重機の爪で引っ掻いてしまった様です。
アセチレン溶断に使う酸素ボンベです。
病院なんかにもあります、黒いボンベです。
こういう破裂は、一般の廃棄物処理場では良くある事ですから、何でも無い事です。
珍しい事ではないのに、こんな事まで公表するんですね…。
ちょっと異常だとは思いますが、それだけ公表しているんですから、隠蔽が無いと言えるでしょう。
これに関して世間知らずのバカ者達がバカ丸出しのコメントをしています。
「私はバカです」
「私は世間知らずです」
と、自ら暴露している様なモンなんですから、イイカゲンやめなさいって。
イイカゲン、気付きなさいって…
ニュース映像を見てお分かりのとおり、この大災害(津波)の凄惨な状況なんですから、あり得る事ですよ。
他社作業でしたが、近くに居た当社社員らも駆け付け、怪我人が居ないか?設備損傷が無いか?所属会社・職制を超えて確認します。
結果的に、怪我人も設備損傷も有りませんでしたが、もし怪我人や設備損傷があれば、我々作業員が救出・応急処理をします。
たまたま自衛隊の化学防護隊みたいな人達が、私達の作業を見学していた(?)らしいのですが、ボンという独特の音を聞いて、状況を確認もせずに、真っ先に退避したそうです。
これに関しては、免震棟や前線基地で、当社に限らず作業員らはブーブー相当文句を言っていました。
彼らはいったい、何をしに来ているんだろう???
結局やるのは私達民間の一介の作業員達です。
マスコミ連中もマスコミ連中だな。
今日は、マトモな取材が一件ありました。
毎日新聞の記者で、ちゃんと先に名乗り身分証と名刺を差し出していました。
わざわざ当社に取材に来たそうです。
福島放送も来ていました。
こんなきちんとした取材者は、極一部です。
たいていは下請け記者だったり、記事を売っている編集者達。
身分証をサッと隠し、カメラもサッと隠す。
明らかに不審。
自分達の仕事に誇りや使命は持っていないんだろうか???
取材は禁止されていないんだから、堂々とやれよ!
こんな取材者は、こちらも答える義理は無いし、ハナから相手にするつもりもありません。
IAEA
作成日時 : 2011/06/01 18:09
今日もドンヨリ曇りで肌寒いです。
寝処は全館自動空調ですが、流石に今日は暖房に切り替えたと、案内がありました。
バスも、朝夕はヒーターを入れて走っていました(今日の私は運転業務なし)。
夕方は、少しだけ霧雨が降りました。
傘を差す程ではありません。
今日の仕事は、引き続きロボットの操縦訓練です。
若手3人の訓練です。
2台で扉を開けて中に入る、または出てくる訓練です。
ドアーを開けて、会社のロッカー室へ進入する訓練をしました。
倒れたロッカーはありませんが、扉が開いたり吹っ飛んだり、中身が出ていたり、ロッカーの位置がズレていたりしています。
ちょうど現場を想定した訓練が出来ます。
狭い所、おまけに瓦礫が散乱しているという状況が出せます。
散乱した衣類等が、クローラーに絡み付きます。
それをアームを使って自力で取り除くのも訓練の一つです。
例えば現場等では、かつて使っていた防護服や、シート、保温材等が散乱しており、場合によってはクローラーに絡み付く可能性もあります。
なるべく瓦礫(障害物)を取り除いて進みますが、踏み付けて行く必要もありますから。
ちょうど良い訓練でした。
ロボットのバッテリーを交換し、アームの修理・調整をしました。
どうもiRobot社製のロボットは、アーム部分が弱いというか、耐久性に問題がありますね。
通常の使用範囲で使っているのですが(過荷重で使用していない)、過酷過ぎるというか、耐久性に問題があります。
2台ともロボットのアームにガタがきています。
ボロットか…
金曜日に1号機原子炉建屋を線量探査に入る予定です。
原子炉建屋の大物搬入口からロボットを進入させる予定ですが、この辺はかつて線量が高かった場所です。
だいぶ瓦礫撤去されて線量は下がったのですが、オペを据える場所を策定する為、明日は現場調査に行きます。
一昨日、私(達)が命懸けで15ton車で何度も往復して運んだ、ゼオライト鉱石を用いた循環型海水浄化装置。
どうも電源系統の調子が悪いらしいです。
本来ならメーカーの仕事なのですが、これに限らず、いつも大変なところだけが電力会社から直接当社へ依頼が来ます。
(何でいつも???)
まぁ当社は、レンジャー部隊ですからね!
どうやら電源ケーブルの絶縁不良らしく、ケーブルを交換するとか。
メーカーでやるべきなのですが、何故かまた急ぎだそうで、当社に依頼が来ました。
電気屋だけでは間に合わないので、私達機械屋も応援に駆け付けないと無理だろう。
ケーブル接続等、電気工事士等の資格が必要な部分は電気の社員にやってもらい、重労働であるケーブル引き等は我々機械の社員でやろう。
そんな話をしています。
現場調査の後、私(達)ロボットチームも応援に駆け付ける予定です。
さて、題記の件です。
IAEAの即報告が公表されました。
今後、詳細な報告を政府に出すそうです。
即報告の内容は、
1.政府の対応に多少問題あり。
2.規制当局(原子力安全・保安院)の独立性に少々問題あり。
3.震災後、現在に至る現場サイドの対応は、これ以上の事は無く、最良(ベスト)である。
4.想定される津波の過小評価。
?を除いては、概ね意外と好評価の結果でした。
私個人としては、もっと厳しい評価を下されるかと思っていました。
それに関しては正しく報道してくれた報道機関にも、一定の評価を科したいと思います。
2.について、原子力安全・保安院って、経済産業省の系列であるので、実は原子力だけでなく、高圧ガスの保安関係もこの組織なんです。
3.について、現場サイドで一介の作業員である私が携わっているんだから、アタリキ・シャリキですわ!
これ以上の事は無く、常にベストを尽くしていますから。
もちろん、私に限った事ではありません。
ああでもない、こうでもないと、知恵を出し合って、
「よし!これでいこう!」
と自信を持ってやっています。
私達が自信を持ってやらねば、誰がやる!?
私達が自信を持てなければ、国民が不安になってしまう。
だからこそ、自信を持って復旧・復興作業に当たります。
で・も!
自信過剰・オゴリがあってはいけません。
それは常に皆が心に留めている事です。
絶対という事はありませんからね。
EUについても、基準を見直す動きが出てきているそうです。
しいて言えば、この災害は世界中何処でも、いつ起こってもオカシクないのです。
それを日本が最初に身をもって世界に知ら示したという訳です。
日本の貿易関係も、風評被害の煽りを喰っていると言います。
しかし、どうも最近聞こえてくるのは、放射性物質云々よりも、災害にかこつけて経済を優位にしようと、弱みに付け込んだやり方に見えて仕方ありません。
それが世の中なのかも知れませんが、日本が身をもって世界に知ら示した事を忘れて欲しくないと思います。
今後、世界の何処かで同じ様な事が起きた場合、日本国としては、この様な仕打ちはしてはいけないと思います
今日は定時退社
作成日時 : 2011/06/02 18:02
今日も若手3人のロボット操縦訓練で、扉を開けて中に入り、瓦礫に見立てたロッカー室に進入訓練でした。
若手3人の内、どうも二人の操作が乱暴…。
この二人は大のゲーム好きなんだそうですが、どうもゲーム感覚で扱ってしまう様です。
実機ゆえに、ゲームの様にはいきません。
意外と操作は苦手かと思っていた、もう一人の若手の方が慎重な操作をするので、上手く操ります。
今日もゲーム好きの一人が、模擬瓦礫の上で不安定な姿勢でアームを動かし、無駄にフリッパーを動かしたもんだから、ロボットが横転。
私が、
「横転するぞ!」
と注意したのですが、間に合わず、ドッテーン。
ロボット事態に損傷は有りませんでしたが、ヘッドカメラの警告ランプが消えなくなりました。
リセットしても消えないのですが、特に機能に問題が無く、原因は良く分かりません。
「ゲームじゃないんだから、もう少し力学的にイメージして操作して!」
と、同僚からも一言ありました。
明日は1号機原子炉建屋に、大物搬入口から進入します。
同僚と、何処にオペを配置するか、線量を確認してきました。
良い退避場所(低線量エリア)があったので、そこに身を隠して放射線から身を守り、アンテナだけ伸ばす策を考えました。
明日のオペは私になりました。
今後、MO弁(電動弁)を活かしていく必要があり、その為には人が入ってMCC盤(大きなブレーカーの様な物)を操作しなければなりません。
その為に、明日は線量測定・汚染濃度測定(スミヤ法)・排水用ファンネル調査をするそうです。
オ〜バ〜ケ〜だ〜ゾォ〜!!!
作成日時 : 2011/06/03 21:21
今日は予定どおりロボット操作で、1号機原子炉建屋の探査に入りました。
原子炉建屋の大物搬入口からの進入です。
比較的線量の低い場所に身を潜めて、搭載カメラを見ながら遠隔無線操縦です。
今日のオペレーター(1台)は私です。
「今日の映像は広報に渡す」
と電力会社の社員が言っていたので、ネタ的にもテレビに出ると思います。
私のロボットは、昨日から相変わらずヘッドカメラの警告ランプが点滅したままです。
テレビニュースになれば分かると思いますが、ヘッドカメラの赤いランプが点滅しているロボットが、私の操縦するロボットです。
瓦礫が多く、砂塵が積もっており、塗装されている床面ではクローラーが意外と滑りましたね…。
戻って来る時、搬入口へは上り坂になっているのですが、滑って登れなくなりました。
助走を付けたり、ロボットを左右に振ってグリップを探ったり、下に入り込んだ瓦礫の屑をフリッパーで車体を持ち上げて取り除いたりして、巧く戻しました。
今日は計測している線量計を、人の胸の高さの位置にアームを伸ばした状態で走行させました。
途中、ロボット幅しかないスロープを乗り越えたり、地震て倒れ掛かっていたガラス戸等があり、その部分は重心を低くする安全措置を取って、体勢を低くして通過させました。
また、アームを前方にめいいっぱい倒し(転倒しない様に巧くバランスを取って)、狭い場所の線量測定もしました。
グラップル(グリッパー)には、スミヤろ紙を付けました。
そのままではスミヤろ紙が破れてしまうので、ビニール袋を丸めてテープで球状にし、それにスミヤろ紙を貼り付けて、丸めたビニール袋をグリッパーで挟んで試料採取しました。
スミヤ法で、汚染濃度と核種を分析するのです。
自分で言うのもナンですが、私の操縦は定評がありますよ〜
原子炉建屋地下から配管が立ち上がっている場所があるのですが、その床スリーブから温泉の様に蒸気が噴き出している個所が有りました。
蒸気温度は33℃ぐらいと、それほと熱く無く、線量も60mSv/h程度と周囲と同様に低かったです。
湿度は56%ぐらいです。
たまたま、ホットスポットを見付けてしまいました。
Max4Sv/h(4,000mSv/h)ありました。
しかしそれは瞬間的な数値であり、正確なデーターとしては扱えません。
概ね2〜4Sv/hをフラフラしてたので、正確なデーターとして拾った結果は3.2Sv/h(3,200Sv/h)としました。
測定方法にも決まりがあるもんでね…。
何か脈動的なオバケがあるのでしょうね。
今後、それの調査が必要になってくると思います。
アームを倒して床面を測定すると、30mSv/h程度でした。
たった1m違うだけで、これだけ違います。
この線量結果とラジウム温泉ならぬセシウム温泉は、ニュースネタになるでしょうね。
放送されなければ、それだけ報道機関は興味が無いって事でしょうけれど。
明日もロボットの出動要請が入っているのですが、一時帰宅(一時立入)の件で休みをもらいました。
NHK
作成日時 : 2011/06/05 21:07
オイラが映っている!
いつ、誰が撮影したか分かります。
勝手に良いのかな…。
しかし、政治家だか専門家だか知らないが、勝手な事を言うんじゃない!
入梅前の暑さ
作成日時 : 2011/06/09 17:53
沖縄は梅雨明けしたと発表がありました。
こちらは未だ入梅せずです。
今日は忙しかったです。
まずは午前中。
ロボットチームは5号機原子炉建屋を使って、メインは若手3人の実戦的な操縦訓練でした。
5・6号機は、もう至って普通です。
自治体の経済的問題や、政治的問題によっては、もしかしたら5・6号機は起動させるかも知れませんね。
私は直接操縦訓練には立ち会わず、来週にiRoboto社のウォーリアが来るので、ウォーリアを駐機させる倉庫の電源系統を確認しに行きました。
電源系統が津波でヤラレているので、系統設備を復旧させるよりも、あらたにケーブルを引き直す方法を取ります。
倉庫では充電・照明(水銀灯)・シャッターの開閉をする必要があり、また別の系統へも電力が分岐しているので、それを確認すべく、キュービクルを探し出し、電力容量を確認してきました。
本来なら配線図等で確認しながら行うのですが、その配線図がパー。
しかしそこは常駐会社の強み、メンテナンス屋の強み。
アレコレたどって探し出し、あった!あった!
千葉工大のクイーンスも来ると一部報道では言っていますが、来ませんよぉ~!
そういう話は有りません!
原子炉建屋地下に水位計を付けるとか言う話も、既に水位計は取付済みですから…
倉庫の電力容量等を報告し、免震棟へ飛んで帰り、前線基地に急いで戻りました。
前線基地から仮事務所へ行く為の自社バスの合間(30分程度)の間に、急いでヒートパックで飯を温める。
缶詰フルーツ・缶詰味噌汁・サトウのごはん・親子丼・パン・魚肉ソーセージを掻き込む。
そして午後。
仮事務所に戻り、来週以降のスケジュール等の調整を行っていました。
今日は少し暑く、タイベックやマスクの中は、シャワーでも浴びたかに様にズブ濡れです。
ゴム手袋の中にも汗がチャポチャポに溜まります。
全て汗なのです。
報道では熱中症についてアレコレ言われていますが、まぁこんなのは今までも(震災前も)同様だったので、どうって事ないです。
今まで(震災前)は、40℃以上の部屋の中でもっと厳しいフル装備をしていましたから…。
そんな時は、靴の中まで汗でポチャポチャになりましたからね~。
熱中症になるのは、ゼネコン等のこういう装備を付けた事がない人達です。
放射線管理従事者だからと言って送り込まれて来ても、ノウハウを持っていない。
まぁあまり重度の高い作業には当たっていないのですが…。
私達も、いくら慣れているとはいえ、無謀な事はしません。
睡眠と休養、そしてしっかりした食事を摂り、飲酒も程々にします。
そして作業開始30分位前に、電解質成分の補給水を200mL位飲みます。
あまりガブガブ飲んでもダメなんですね~。
しかも冷えているのもダメで、常温の方が良いんですよね~。
常温の方が徐々に体に染み入る感じです。
ですから、必ず皆さん常温の物を飲んでいます。
OS-1の様な、パックタイプのゼリー状の物も、徐々に体に吸収されるのか、ゼリー状の物も良いですね。
定期的に休憩して水分補給を出来る現場なら良いのですが、元々そういう補給が制限される現場で働いてきたノウハウを、常駐協力会社の人達は持っているのです。
寝処の自室は気持ち良い風が入って来ます。
明日は代休です。
津波の流失物受渡し所と、警察署へ行ってから実家に帰ります。
コレだから今のシゴトは辞められない…
作成日時 : 2011/06/14 18:15
昨夜も少し蒸し暑く、少し窓を開けて寝ました。
明け方、シトシトと雨が降ってきた音で目覚めました。
その雨も、朝方には上がりましたが、少し肌寒かったので、長袖を着て出勤しました。
午前中は晴れ間も見えながら、時折ザーッと雨が降る事もありました。
午後は雨は降らず、蒸し暑くなりました。
今日はロボットのメンテナンスを、当社オペ6人で行っていました。
クローラー(キャタピラー)を外して清掃・点検・手入れ、アームの可動部を外して洗浄液で古いグリス等を除去し、グリスアップしました。
iRobotはアメリカ製ですから、設計コンセプトがイマイチ分かりません。
グリスだって、何でも良い訳ではありません。
ギヤ用(歯車用)があり、ベアリング用があり、また中でも高温用であったり、高荷重用であったり、高速回転用であったり、用途が色々とあります。
加工場を漁ると、マルチノックとエピノック1番と2番がありました。
もっと良く探せばあるのでしょうが、まぁ良いや。
マルチノックもエピノックも、日鉱JX(旧;日本石油)のグリスです。
「まぁ、どっちでも良いや…」
どちらかと言うと、エピノックが高荷重用で、マルチノックが高回転用です。
マルチノックにしました。
明日のロボットチームは、早出出勤です。
2チームに分かれて仕事に取り掛かります。
同じくiRobot社のウォーリア×2台が福島第一に搬入されます。
とりあえず当社で受取り、当社の倉庫へ駐機しておきます。
荷受けは、同僚と若手1名の2名が対応する事になりました。
私と、他4名は、もう1社のオペ達と5号機原子炉建屋でブースター(イーサネット方式)を利用した実戦的訓練を行う予定です。
フランスAreva社の汚染水浄化システムも、今日から試運転開始されました。
当初は、当社は関わっておりませんでした。
ところが、水漏れだのトラブルが続出し、間に合わないと判断をした電力会社から、急遽HELPが掛かりました。
当社のスタンバイ要員が、24時間突貫工事で対応しました。
設置や施工にあっては、某有名かつ大きな会社が当たりましたが、寄せ集めでは結果的にこうなる訳です…
ホース一本、フランジ一つ、ボルト一本絞めるのだって、ただ繋いだり絞めたりすれば良いんじゃないんです。
それを知らない寄せ集め、若しくは専門外の人を充ててもねぇ〜。
結局、当社がやる羽目になる訳です。
この様に構内ルールやローカルルールを知らない、素人サンを寄せ集められても困ります。
地元の人であったり、常駐協力企業の人達の、イライラが募る原因です。
来てくれるのは有り難いのですがね〜。
そうそう、今日から最前線の免震棟も、だいぶ快適になりましたよ。
大きな水槽で水遮蔽して、空調の効いた休憩所が広くなりました。
免震棟とも直結しており、出入口もきちんとセパレートされたので、だいぶ混雑も減りました。
入り待ちする時間も短くなり、また屋外屋根が付いたので、入り待ちしている間に雨に濡れる事も無くなりました。
NHK等で良く出てくる、免震棟の入口は、もう使っていませんよ~。
NHK等で良く出てくる出入口も、あれでも未だ良くなった方なんですよ。
震災直後の当初は、アレすら無かったんですから…。
まぁですから、NHK等で出てくる免震棟の映像は、もうとっくのとうに古い映像です。
前線基地を含め、内部の撮影は厳しくなりました。
まぁそりゃーそうだよな…。
あの無断撮影はねーよ!
免震棟で、今日はこういう物をいただきました。




中身は、
*手作りパン×1個
*封筒×2筒
*80円切手×2枚
*50円切手×2枚
*便箋×数枚
*ハガキ×2枚
*折り紙(バラの花と箱)
*キャンディー×数個
*手作りキャンディー×数個
封筒等は、会えない家族に手紙を送って下さいという、意図だと思います。
私は、こういう人達が居るから、今のシゴトを辞められないのです。
わーわー言うだけの人達や、都内(その他)でデモ行進をしている輩だけなら、もうとっくに辞めています。
そういう輩に対しては、やってらんねーとなるし、こいう輩の為に身を削る想いはないですもん…。
原子力災害に限らず、何に対しても、わーわー言ったりデモをして騒いでいるだけでは何の役にも立ちませんから!
今回の震災では、特に兵庫県や新潟県から、多数の援助をいただきました。
特に兵庫県では、同じ消防団の方(芦屋)からも色々と連絡をいただきました。
私も仕事でよく神戸へは行きました。
やはり、震災を経験している人達ですね!
被災者の真意を衝いて援助してくれました。
何が必要か、どうすれば良いのか、被災者に聞くのではなく、自ら調べ、自ら送ってくれました。
そういう、被災者の手の煩わせない配慮も、経験者ならではですね。
まぁカミさんには、
「どうせ好きで最前線に行っているんだから!」
と愚痴られる始末ですが、
「ああ、そうだ!」
と、言うしかありません…
だって、あくまでも会社では志願と言う事ですから。
ですから、好きで行っていると言われても、否定は出来ません。
まぁ実際のところは志願は建前である様な点も多く、仕方なく来ている人も多いとは思います。
私の中でも、少しは仕方なく…という点も、多少はあります。
が、まぁこういった義務感や使命感が無ければ、とっくのとうに
「あ?バカバカしい!辞?めた!」
「何で、何もしねー奴らにわーわー騒がれ、文句を言われてまでやらにゃ?ならんのか!」
と、辞めていたと思います。
今も、正直言うと、会社のゴタゴタもあって、辞めたい・こんな会社はいつだって辞めてやるとは思っている面もあるんですけどね。
さてさて、静岡県のお茶からもセシウムが検出されたと言う。
1kg当たり600Bq程度と言う。
自然界に近い値ではないか…。
そもそも、
「何で今更???」
と思います。
そう思うのは、私だけではありません。
だって、そもそも原発立地地区(福島第一周辺)では、線量も汚染濃度も、下がりつつあるんですよ???
それが何で風向きも違う、全地球一周しても有り得ない、そういう場所で今頃騒ぎになるんでしょうか。
結論は一つ。
元々自然界として存在していた!
そういう訳です。
そもそも、食品衛生法に伴う放射性物質の基準値だって、根拠はあまり科学的にはなっていません。
自然界に実際に存在する数値は、全国で大きく違います。
それを一つ一つ把握していなかっただけでしょう…。
ですから、静岡県も国も、
「原発事故で…」
とは言っていないんですよ。
何でもカンでも、原発事故にしちゃ~いけません。
偏頭痛
作成日時 : 2011/06/15 18:17
今日の浜通り地方は晴れていて、少し暖かかったです。
昨日の天候の感じからいうと、このまま入梅かと思ったのですが、どうもそうでもなさそうです。
今日は早出で2社合同により、PakBot(iRobot社製)の実践的操縦訓練でした。
訓練というより、イーサネットを利用したテストです。
1台に無線アンテナとイーサネット式のブースターを積み、そこまでLANケーブルをジョイントさせて引っ張りました。
とりあえず原子炉建屋の二重扉から、北西階段までを想定していますので、45mのテストをしました。
その1台でLANケーブルをロボットで引っ張って行けるか?
また、LANケーブルを回収しながら戻って来れるか?
光ケーブルタイプみたいに、リールを積んでいる訳じゃないので、オペレーター(サブ)がロボットの走行を見ながら、LANケーブルを送ったり、巻いたりするのです。
つまり、この1台が無線基地となる訳です。
この1台が、北西階段1階踊り場まで行きます。
そして、もう1台(当社側)が、階段を原子炉建屋の最地下(地下2階)まで降りて行く訳です。
実際に原子炉建屋地下2階まで降りても、電波状況は問題無かったです。
23日に、1号機原子炉建屋地下の降りれる所まで降り、汚染水の状況を確認しに行きます。
23日のオペは、私は降りました。
私より先にやっている後輩オペに任せました。
ナビゲーターに徹する事にします。
そして今日、同じくiRobot社のウォーリアが福島第一に到着しました。
とりあえず1台だけ来ました。
もう1台来ないと、あまり意味が無いです。
重量は250kgですから、PakBotの様に人力で現場まで運搬する事は不可能です。
PakBotも、短距離なら2名で、長距離なら4名で運搬する必要はありますが…。
明日は、ウォーリアの操縦訓練を行います。
ムービーが撮れれば、撮ろうと思います。
当社の事務所前辺りで自主的に操縦訓練ですから、撮影も問題無いでしょう。
昼頃から、偏頭痛に悩まされました。
朝イチ、マスクを強く絞め過ぎた点もあります。
しかし、私は偏頭痛持ち。
肩凝り・腰痛持ち。
肩凝りが酷いと、偏頭痛(吐きそうになる)が出ます。
疲れても偏頭痛が出ます。
水分は多めに摂っていましたが、前線基地の当社詰所に戻った際に、バファリンを飲んで偏頭痛を治めました。
偏頭痛はよくある事なので、いつもバファリンを携行しているのですが、今日に限って携行していませんでした。
明日、忘れずに作業着のポケットに2錠入れておこうと思います。
免震棟で飲む事も出来ますから。
数日前から、左耳の耳鳴りも気になります。
疲れてきているんだろうな…。
寝処の枕も合わないし…。
夕方から、仮事務所で組合の共済に関する説明会がありました。
退社バスは、私が運転して行きました。
全てのバスが満員。
厳密に言うと、私のバスは1名定員オーバー(定員外乗車)です。
事務所を出て直ぐに福島県警のパトカーが来て、ヒヤヒヤ。
止められて人数を数えられたらアウトですね…。
パトカーは私達の前で一旦停止した後、行ってしまいました。
震災2ヶ月後ぐらいから、やたらと地域を巡回するパトカーが多いです(いわき市内)。
当社の重量系の方が多数私のバスに乗っていた為、カナリ重かったです。
何でもそうですが、定員ギリであったり、積載量ギリだと、重くて運転が怖いですね。
特にブレーキやコーナリングには気を使います。
いつもセカンドで出せる坂道発進、
「どうかな…」
と思いつつも、半クラでも下がる…。
流石のディーゼルでもエンストしそうになり、発進不能でした。
咄嗟にブレーキとクラッチを踏み、滅多に使わないローギヤを使って、やっとこさ上げました。
ローギヤを使ても、クラッチ板がクゥ~~~と悲鳴を上げていました。
ディーゼルの中型車以上は、基本的にはセカンド発進です。
大きな物になれば、サード発進させる車両もあります(10tonクラス以上)。
教習所等でも、そう習います。
あえて積載いっぱいの事を想定し、坂道発進だけがローギヤでやる時もありますけどね。
試験でセカンド発進させても、エンストしなければ問題ありません(試験場ぐらいの坂道なら、エンストしない)。
まぁ貨物なら、最大積載量いっぱいに近いと、ローギヤを使う時もありますけどね。
バスで定員(1名オーバーだけど)でローギヤを使ったのは、初めてです。
来月から
作成日時 : 2011/06/18 16:47
来月から、バスの運転業務から降りる事になりました。
ただ、バックアップ要員としてはバス運転業務は残りますが、その要員順位も2番目ですから、バス運転業務は滅多に無いと思います。
バックアップ要員とは、当日予定していた運転手が、体調不良や不幸が有ったりと、急遽運転業務に対応出来なくなった場合の要員です。
一度に2人の運転手がダメになる事は、滅多に無いと思います。
まぁ稀に有るでしょうけれどね。
全く大型車の運転から離れる訳ではありません。
現場作業において、資材や装置等の運搬・据付・試運転も有りますし、マンモスやキリン等の燃料プール注水用の特殊高圧コンクリート圧送車の移動等も有りますので、そういう運転業務もあります。
今後は、ロボット操作がメインになると思います。
…って、今でもロボット操作がメインの仕事なんですけどね~。
他にも、現場で要員が足りない場所へ行く事もあるでしょう。
でも、このロボット操作も、若手に徐々に引き継ぐ雰囲気ですから、いったいオイラはどうすんだべ???
まぁこれだけ電力会社も新たな装置がテンテコ舞になっている状況です。
どうやら、私がアレコレ問題解決にやらにゃ~ならん様ですワ…
オイラがやらんから、巧くいかないんでしょうね!
うん、勝手にそう思っています!
しかし、会社に対する不満は沢山あります。
「バスの運転じゃなきゃ嫌だ」
と言う訳ではないのですが、本来、私は、
「バスの運転をしれくれ」
と言う本社からの業務命令でした。
それを現場のアレコレ・やり繰りで、本人の了承や事前相談も無く、上の好き勝手な判断でアレコレと変えられてしまう事に不満があります。
これは、今回の震災以降に始まった話ではないのですが…。
別に、当初から、
「ロボットの操縦をしれくれ」
と言う事であれば、それはそれで良かったのです。
そしてもう一つの不満。
苦労してゼロから構築した仕事のシステムを、やっと軌道に乗ってきたところで、
「じゃぁコレは別の人に引き継で、SHはこっちをやってくれ」
そしてこっちについても苦労して構築したら、
「じゃぁ、こっちも良いから、今度はあっちをやってくれ」
となり、そしてそのあっちも構築できて軌道に乗ってきたら、
「じゃぁ、そっちを…」
となるのです。
オイシイところだけ他人に持っていかれていまいます。
これも今回の震災復旧に限らず、以前からです。
工事を担務しても、中盤から終盤に掛けて、
「じゃぁ、それは●●さんに引き継いで…」
と、別の苦労仕事に回されます。
そして報告書だけは、
「実際に苦労した人じゃないと分からないから…」
と回されます。
労働者の最大の対価でもある、達成感がいつも味わえない立場でした。
これもずーっと前から不満の一つです。
私は、人よりも一つの事をやり遂げたいという気持ちが、人一倍強いと、我ながら思います。
こういうやり方は、SHという人間への周囲からの期待なんでしょうけれど、でも納得デキナ~イ!!!
しかも、大した会社じゃないのに、コソコソと本人の知らない場所で勝手に身の置き方を決められてしまう。
事前に一言相談や、上層部が考えている事を相談してくれても良いんじゃないのぉ???
孤立感・孤独感
作成日時 : 2011/06/19 15:38
原発復旧作業に携わる、地元の作業員達。
私は生まれも育ちも違いますが、ハタから見れば地元の作業員の一人というところでしょうか…。
私の様に、都会(都市部)から永住地として求めて、帰依しようとしている同境の人は多いです。
まぁそういう人達を含めて、地元の作業員達。
作業に当たりながらの苦悩も多く見受けられます。
それは、地元の人達に対して、
「申し訳ない」
という気持ちを、誰しもが少なからず持っているのです。
私もそう思います。
もし地震だけで済んでいたら…
もし津波が大した事なかったら…
もし・タラレバの話しを言ったら尽きませんが。
私が悪い訳ではなく、作業員達が悪い訳ではありません。
全ては自然災害なので、誰が悪いとか、そうい事ではないのですが、誰に言われる訳ではくても、そういう気持ちが少なからずあるのです。
自分達が携わっていた設備が自然災害に負けてしまった…。
そういう想いがあるのです。
これも、作業員同士の溝の一つにもなっています。
寄せ集めで来た作業員には、そういう気持ちは皆無だと思います。
復旧作業に当たる地元の作業員達の中にも、特別な想いがあるのです。
孤立感・孤独感…。
これは産業医の愛媛大学の谷川医師が危惧していた事です。
作業員(地元作業員)の多くは、孤立感・孤独感も感じ始めています。
私も、フト感じる事が多くなりました。
家庭の事にしろ、仕事の事にしろ、自分の知らないところで、物事が勝手に決まっている(進んでいる・動いている)事が多くなりました。
当事者(本人)が置いて行かれているというか、無視されているというか、蔑にされている様な、そんな感じです。
誰もそんな事はしていないと思われても、結果的にそうなっています。
「サラリーマンなんだから仕方ない」
「アンタは普段居ないんだから仕方ない」
そう言われてしまえば、仕方ないのかも知れません。
孤立感・孤独感…。
これは私だけが感じている事ではなく、当社社員のほとんどが、そして多くの同業他社の作業員が感じている事なのです。
今日も、仕事の事を勝手に決められてしまいました。
私はロボットチームの一員です。
明日の予定を確認していた社員が、私に対して、
「明日はロボットチームの作業はある?」
と聞いて来ました。
明日は、休暇の者・健診の者が多く、ロボットチームで対応できるのは私だけの予定でした。
一人では何も出来ませんから、ロボットチームとしての活動は無しの予定でした。
ですので、
「いや、…」(ロボットチームの作業は無いですよ)
と言いかけたところで、今日出勤していた特管職が(所長以上に仕切りたがる人)口を挟み、
「良く分かんねーけど、明日は訓練させるとするから、予定に入れてておいて!」
との事でした。
この人は、自分で思い込んだモノはガンとして押し通すので、私が反論したところで、
「休んでいる場合じゃねぇ!呼び出して訓練しろ!」
と言いかねない。
こうなると、周りの雰囲気も悪くなってしまうので、その場でこれ見よがしに後輩に電話しました。
新婚さんで、いわき市内にアパートを借りて住んでいる後輩です。
「休暇のところ、申し訳ないんだけど…」
と私が切り出すと、事情を察したのか、
「休暇は別の日に取るので、明日は出勤します」
との事でした。
目の前に、ロボットチームの一員である私が居るのに、何故、一言の相談・確認も無く決めてしまうのでしょう…。
非常に孤独感を感じました。
もし、私が出勤していなかったら、物事が勝手に決まっていた事になります。
入梅
作成日時 : 2011/06/21 22:41
今日から東北地方も梅雨入り(入梅)しました。
午前中は晴れて暑かったのですが、昼から断続的に局地的な雷雨(豪雨)になりました。
今日は電離健康診断とWBCでした。
その為、午後からバスを走らせていましたが、一般道でもワイパーをHiにしないと間に合わない程でした。
今後のロボットのミッションが入ってきました。
明日はオペレーターも少ないので訓練は行いません。
24日&25日で、PacBotによる1号機原子炉建屋の探査が入ってきました。
圧力抑制室(サプレッションチャンバー)のベント系配管の線量測定、および地下に溜まった汚染水の確認の予定です。
当面Warriorの出動は有りませんが、どうもWarriorのミッションは、集塵機か水中ポンプのホースを取り付け、スイープする作業の様です。
明日は代休です。
今夜はWi-Fiが使えるフリースポットで、今まで撮り溜めたムービーをYouTubeにULしています。
今は雨もやみ、蒸し暑くなりました。
MPVで車中泊。
非常用の毛布が2枚積んであるので、それで十分なぐらいです。
いよいよ国産ロボット登場!!
作成日時 : 2011/06/22 20:18
明日・明後日は忙しいです。
6:30amには仕事を始めなければなりません。
帰りも…何時になるかね〜。
明日はロボットチームも、2班に分けて別行動になります。
千葉工大のクインスも、とうとうやってきました。
クインスの操縦は電力会社社員がやるとの事です。
セッティングの助勢や、ナビゲーターを当社に依頼されました。
自分のチームは、オペレーターは若手に引き継ぎました。
彼らも訓練は十分積んでいますから、今回実戦デビューですが、問題無いでしょう。

国産ロボット配備
作成日時 : 2011/06/23 21:51
今日は国産ロボットクインスが入荷されました。
こちらは同僚オペレーターと若手オペレーターの二名が、電力会社社員の助勢という事でまず対応。
クインスに関しては、5号機原子炉建屋にてモックアップを行っていました。
私の他3名は、PackBotで3号機原子炉建屋の探査対応を行っていました。
午前中は雨が降っていたので、タイベックの上に透湿性耐水スーツ(通称;白カッパ)を着用して作業に当たりました。
暑さよりも、蒸し暑さがありました。
日が暮れても、蒸し暑さが残っていました。
3号機周辺は線量が高く、また水素爆発の破壊力が最も高かった場所で、破壊の度合いも一番酷い場所です。
放射線から身を守る場所(低線量エリア)がほとんどないので、ロボットの操作は15ton車を改造した遮蔽車の中に籠って行います。
遮蔽車には200Vに対応している、比較的大きな仮設発電機を搭載しており、遮蔽庫内にはエアコンも設置されています。
遮蔽庫内には、放射性物質を集塵する給排気系装置(ローカル空調機)も設置されています。
遮蔽庫上にはITV(監視カメラ)が設置されており、周囲の状況も確認出来る仕組みです。
クインスの操縦は、電力会社社員が行います。
私達は、クインスに関しては、あくまでも助勢という形です。
運搬をしたり、セッティングをしたり。
電力会社社員よりも現場には精通しているので、ナビゲーター役を行います。
このクインス(Queence?)は、千葉工大と東北大との共同開発だとか。
元々は、災害救助を目的としたレスキューロボなのですが、Warriorの様に、人(怪我人)を牽引して搬送する能力は有りません。
基本的に、PCとゲーム機用コントローラーを使って操縦するスタイルは変わりません。
ゲーム機のコントローラーは、iRobot社と同じ汎用品(家電量販店で売っている物)を使用していました。
操作方法も基本的には同じ扱いです。
もしかしたら、プログラムはほぼ同じなのかも知れません。
iRobot社のプログラムも、東芝製ですからね。
ちなみにクインスのPCは、Panasonicのタフブック(B5サイズ)を使用していました。
ベースのOSは、windows仕様です。
iRoboto社のOSは不明です。
winとかappleではありませんね。
意外と日本製のトロンあたり使っているかも…
【クインスの利点】
*フリッパー(可動式クローラー)は前後に付いている為、PackBotよりも階段昇降や段差等の走破性は遥かに良い。
*搭載カメラは5台で、同時にPCに映す事ができる。
(iRobot社のカメラは同時に2カメしかPCに映す事が出来ず、いちいちカメラを切り替える操作が必要)
*数秒おきに全カメラを自動記録(コマ送りのムービーが自動作成される)。
(iRobot社のは、カメラ1台ずつ選択して、オペレーターが撮影する)
*カメラの映像が鮮明。
(iRobot社のカメラ韓国製で、画質が悪いし、よく故障をする)
(但しiRobot社のカメラは、耐放射線カメラなので、比較的電離作用によるノイズ(チラツキ)は少ない…流石に三桁mSv/hになると、ノイズ(チラツキ)が入りますが…)
*台座とアームを切り離した設計なので別の用途に改造が出来る。
【クインスの問題点】
*大きさの割には重量がある(重い)。
*クローラーの幅が20〜30mmと幅狭で、ゴツゴツした岩場や瓦礫の上は不向き。
*有線操縦しか出来ない。
(無線操縦も出来ると報道では言っていたが、そうはなっていない⇒改造可能?)
*有線ケーブルは、芯線が剥き出しで、被服が無い(防水・防塵に問題あり)。
*防塵・防水に問題が有りそう。
*カメラやその他機能の耐久性や、設計コンセプトが分からない。
(耐放射線に対しては、累積線量20Sv(20,000mSv)まで耐えられると言っているが、仕様が分からないので何とも言えない。
(カメラも耐放射線カメラかどうか分からない)
まぁ、PackBotもクインスも、それぞれ一長一短ですね。
明日も早出&残業で、引き続きロボット操作に当たります。
私は、他3名と共にPackBotで3号機原子炉建屋の探査です。
クインスは2号機原子炉建屋の地下に溜まった汚染水のサンプリングを実施する予定です。
PackBot2台は、若手2名が操縦、クインスは電力会社社員が操縦をします。
クールベスト
作成日時 : 2011/06/24 19:34
今日も早出でロボット対応でした。
仕事をしていて7:00am頃に温度計を見る機会があったのですが、既にその時点で30℃を超えていました。
仕事をしていれば、汗で全身シャワーを浴びた様にズブ濡れです。
ゴム手袋の中には、汗がチャポチャポに溜まります。
恐らく想像は出来ないと思います。
しかし、この様な酷暑環境は、震災以降に始まった事ではありません。
流石に外でフル装備を着用する事はありませんでしたが、酷暑下作業は、まだまだこれからです。
今日は朝から暑かったので、今季初のクールベスト着用で挑みました。
今年会社で購入してもらったクールベストは、従前のタイプよりも良いです。
着心地も良いし、保冷剤の持ち時間も長くなりました。
従前のタイプの物は、保冷剤を2個使用でしたが、今回のは5個使用です。
*背中筋×1個
*両脇腹×2個
*両鎖骨×2個
合計5個。
つまり、動脈の辺りを冷やしてくれるので、血の巡りで全身(特に上半身)に冷却効果が得られます。
5個になっても、重さはほとんど感じません。
集中荷重ではないのでしょう。
全身グチョグチョですが、クールベストの効果は全然違いますね
さて、今日のロボット。
私の他3名(合計4名)で、PackBot2台で3号機原子炉建屋の線量調査を行いました。
水素爆発&津波の被害(破壊の度合い)は、内部も含めて、3号機が一番酷い様に思います。
まぁ1〜4号機は、破壊の度合いに限らず、全て機能が失われてはいますけどね
今日は主に線量測定でしたのですが、3号機内部の瓦礫撤去をした後でも、ほとんど線量が下がっていませんでした。
来週火曜日〜木曜日に掛けて、Warriorに集塵機のホースを装着し、スイープする作業予定が入って来ました。
今日のPackBotは高線量エリアでの操作です。
15ton車を改造した遮蔽車の中から操作しました。
電波の中継が必要なので、1台にブースターを搭載し、そこまではイーサネットでコントローラー(PC)から通信させます。
その1台を中継機とし、もう1台を奥まで行かせました。
途中で大物搬入口が破壊されている部分、大きな見た溜まりがあり、浅瀬を選んで潜入させました。
オペレーターは、若手2名です。
遮蔽車のカメラを見ていると、前から無線操縦のクローラーダンプが来て、後方から4tonユニックが来てハチ合わせ。
イーサネットのケーブル(LANケーブル)は、踏まれない様に端を通し、パイロンを何個も立てて置いています。
右往左往する4tonユニック。
荷台から人が降りて、パイロンをどかし始めたので、慌てて私と東電社員が制止に走りました。
「すれ違えないから」
と制止を無視して、ケーブルを踏まれてしまいました。
「どこのどいつだ!」
と、当社の本社の奴ではないか!
前進で行かれると、二度三度とケーブルを踏まれるので、
「バックで真っ直ぐ出る様に!」
前進でズタボロに踏まれてしまいました。
踏まれた際に、二度三度と通信が途切れたそうですが(オペレーター談)、幸いにも下が泥炭だったので、切断には至りませんでした。
他社や社内で作業調整をしているので他社の人達は気を使ってくれているのに、我の会社の者がやっていたんでは…。
って、本社の連中はミーティングに出ないから、いけないんだ!
制止が有っても無くても、ケーブルを踏む事はご法度である!
しかも、確認したら本社の計装の者ではないか!
計装屋が泣いて呆れます。
うっかり踏んでしまったというより、パイロンをどかしてまで、かつ制止を聞かずにやったので、故意である。
電力会社社員も居た手前、上には報告しておきました。
もしケーブルが切れていた、高線量下でロボット2台動けなくなり、パーになる。
さてクインス(国産ロボット)の方は、今日は同僚と若手1名の2名で助勢を行ったそうです。
水位計を設置する作業をしたのですが、水位計のケーブルを送り出すローラーが滑って巧くいかず、今日は再調整も虚しく断念しました。
明日、ローラーの目荒らしをし、日曜日に再度やるとか、やらないとか…。
まだ分かりません。
操縦は電力会社社員でやっているので、できればセルフでやってもらいたいですね。
まぁ結果からして、調子が悪いのです。
もう、隣では、当社(当事業所)の計装グループの社員が、自分達の手で水位計を設置しているのである
作業員が手でやった方が早いし、結果的に被曝も少なくなる。
だがあえてロボットにやらせるのは、今後の国策ビジネスが絡んでいるので、ロボットにやらせるというパフォーマンスが必要なのである。
まぁ、その内、テレビに出るでしょうね!
「国産ロボットが原発内で作業をしました!」
みなたいな…
アホクサ!