記録的大雨 避難指示や勧告に住民うんざり
2012/05/04 19:58:35
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3日から4日にかけて県内に降った雨は、5月としては記録的な大雨となりました。各地で土砂崩れや浸水の被害が相次いだほか、気仙沼市や石巻市などでは川の水位が上昇し、氾濫の危険があることから避難指示や避難勧告が出されました。発達した低気圧に伴い、県内で3日の日中から降り始めた雨は、夜になってからも勢いを衰えることなく降り続いた。降り始めからの雨量は、泉ケ岳で261.5ミリ、気仙沼で231.5ミリ、南三陸町志津川で205ミリと5月としては史上最も多い雨量を観測したところが多く、まさに記録的な大雨となった。この影響で、大和町の吉田川の水位が上昇、一部で氾濫した。このため町では、3日午後8時、付近の11地区の521世帯、2052人に避難指示を出し、住民が一時、避難をした。また、震災の被災地気仙沼市でも大雨に伴う避難指示、避難勧告が出された。市内の大川や渋抜川、鹿折川の3つの川が増水、西中才地区の仮設住宅に住む9世帯32人に避難指示が、市内の14地区2205世帯5258人に避難勧告が出された。避難指示は現在も継続中だ。住民たちは、うんざりした表情で避難所での夜を過ごした。
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各地で河川氾濫や土砂崩れ相次ぐ
2012/05/04 19:58:35
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一夜明け、雨のピークは過ぎたものの被害は拡大を続けた。気仙沼市の西中才地区では、仮設住宅が床下まで水に浸かった。住民は無事に救助されたが、車は、水の中に取り残されてしまった。消防により、懸命の排水作業が行われた。涌谷町では、「江合川」が一部で氾濫。本来、陸地の境目は、このあたりだが、水があふれ、道路が寸断された。そして、川からあふれた水が民家にまでせまった。南三陸町の「伊里前川」も増水していた。川をVの字にせき止めて行う伝統の「シロウオ漁」が2年ぶりに復活したばかりだったが、4日は、その仕掛けがすっかり見えなくなっていた。大和町では、吉田川からあふれた水で、田植えを目前にしたイネの苗が浸水。いったん川の水に浸かると、消毒をしなければ、田植えを始められないという。県内で最も多い261.5ミリの大雨となった、泉ヶ岳のふもとでは、道路が15メートルにわたって陥没した。けがをした人はいなかったが、復旧までには少なくとも1ヵ月ほどかかりそうだという。栗原市栗駒でも,午前7時半ごろ、橋につながる道路が陥没。乗用車が約7メートル下に転落し、運転していた栗原市に住む男性(26)が軽傷を負った。県警などのまとめによると県内では、あわせて15ヵ所で土砂崩れがあり、この影響で、16ヵ所が現在も通行止めとなっている。涌谷町の「出来川」では、堤防が幅20メートルにわたって決壊し、川の水が付近一帯の田んぼを飲み込んだ。この影響で美里町では、137世帯に避難勧告が出された。県内では4日午後5時時点で、1400世帯2674人に避難指示や勧告が継続されている。交通機関にも大きな影響が。JRの在来線は、ダイヤが大幅に乱れ、仙山線や東北本線などであわせて96本が運休。約1万3千人に影響が出た。
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5日からUターンラッシュはじまる
2012/05/04 19:58:35
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大雨に見舞われたゴールデンウィーク後半となりましたが、観光や故郷へ向かう人の動きは、例年と変わりないようです。東北新幹線は5日昼過ぎから上りの混雑が始まり、東北道上り線でも5日、渋滞が発生する見込みです。4日の東北新幹線は、上下線とも目立った混雑はありませんでしたが、これから観光に向かう人や帰省する人も多く、賑わいを見せていました。東京方面へ向かう上り線は、5日昼過ぎから、指定席の予約率がほぼ100パーセントになり、6日は朝早くの列車を除いて、すでに100パーセントの予約率になっています。JR東日本によりますと、下り線については5日、6日とも、一部の列車を除いてまだ予約が可能だということです。一方、東北自動車道は、4日正午に、下り線で村田ジャンクションを先頭に約10キロ渋滞しましたが、すでに解消されています。ネクスコ東日本は、5日、東北道上り線が混雑のピークを迎え、県内では5日午後1時から上り線の白石インターチェンジ付近で、最大で約30キロの渋滞が発生すると予測しています。
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改修前に…石ノ森萬画館で探検イベント
2012/05/04 19:58:35
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震災により休業が続く石巻市の石ノ森萬画館で、改修工事を前に館内を探検するというイベントが開かれました。いまだ電気も通っていない館内。参加者は、懐中電灯片手に被災した萬画館を一歩一歩慎重に進みました。子どもの日を前に石巻市の石ノ森萬画館に集まった子どもたち。震災後、休業が続く萬画館。4日は、改修前の館内を探検してもらおうというイベントが開かれました。萬画館は去年の震災で、館内の1階天井部分まで津波が到達したため、受付や販売用のグッズが全て流され、現在もガランと殺風景な様子です。ガレキは片付けられたものの萬画館では、いまだ、電気・水道が復旧していません。参加者は懐中電灯を片手にいざ、探検へと臨みます。まずは、スタッフ誘導のもと、震災後初めて公開される2階部分へ。自家発電を使ったシアターで地震発生直後の萬画館の被災状況、その後ボランティアの手によって復旧にいたる過程を見学します。そして、見学を終えた参加者は、いよいよ自分たちの足で、本当に真っ暗闇の館内へと進んでいきます。頼りは、自分たちが手にする懐中電灯の灯りのみ。暗闇の中に浮かび上がるこれまで見たことのない萬画館の姿に子どもも大人も興味津々です。参加者は、「あまり見えないから気になる部分がある」「思ったより頑丈な作りだから、(展示物が)残っていてよかった」などと感想を話していました。石ノ森萬画館の大森盛太郎業務課長は、「修繕に入る前に、全国のファンの皆様に今の生の萬画館の状態を見ていただきたい。今は何も出来ないけれど、スタッフの力で1つでもやれることがあるなら、やろうではないかという気持ち」とイベントを企画した目的を説明しています。早ければ、来月上旬にも修繕工事が始まる石ノ森萬画館。今年中の営業再開を目指しているということです。
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フェリー運航で寒風沢島の農業再開へ
2012/05/04 19:58:35
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塩釜市と離島・浦戸諸島の間で、震災後初めて貨物を運搬できるフェリーの運航が始まりました。このフェリーの就航によって津波をかぶった田んぼを耕すこともできなかった島のコメ農家のもとに新しい農機具が届けられました。
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気仙沼の漁船 鹿児島・喜界島に漂着
2012/05/04 19:58:35
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気仙沼市の漁船が、約1700キロ離れた、鹿児島県の喜界島に漂着していたことが分かりました。震災の津波で流されたものとみられています。鹿児島の奄美海上保安部によりますと、2日夕方、喜界島の漁協から「逆さまになった船が流れ着いている」という連絡がありました。海上保安部で船を調べたところ、船体に表示されていた漁船の登録番号から所有者が、気仙沼市の64歳の漁師であることが分かりました。震災の津波で流された漁船が、気仙沼市から1年以上かかって、約1700キロ離れた喜界島まで流れ着いたものとみられます。漁船の持ち主の漁師は「気仙沼の漁港に陸揚げしていた際に津波で流された」と話しているということです。
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