DVDでよみがえる闘いのワンダーランド「燃えろ!新日本プロレス」が毎号、楽しみだ。「至高の名勝負コレクション」の名の通り、後世に残したい名勝負が揃っており、夜が更けるのも忘れて見入ってしまう。
アントニオ猪木VS大木金太郎、猪木VSストロング小林など、時空を越えても色あせることのない試合は、結果がわかっていても、何度見ても手に汗握ってしまう。現代のファイトと比べれば技の数も少なく、試合の流れもゆっくりとしているが、それでも華と殺気に満ち溢れていた。
試合そのものも素晴らしいのだが、もうひとつの楽しみは、リング外にある。今ではベテランと言われ、キャリアを積んだレスラーでも、この時代はまだ若手。坊主頭でセコンドにつき、外国人レスラーに蹴散らされていたりする。
あまりに若いので一瞬、誰だかわからない選手もおり「あ! ○○だ!」とわかった時は、クイズが解けたようで面白い。またリングサイドに目を向ければ、懐かしい顔が並ぶ。既に天国へ旅立ってしまった関係者やプロモーター、業界の先輩など、お世話になった方々も画面では若々しく元気いっぱい。万感胸に迫るものがある。
DVDを再生しながら 「この一戦の時は学生だったな」「あんな事があった、こんな事があった」と思い出すことも多い。いつの間にか自分自身と重ね合わせており、その時代の自分に戻ったような錯覚を覚える。
当然ながら記者も若い。1995年の東京ドーム大会で解説をしている自分に複雑な思いを抱いた。猪木さんと放送席で同席している。あの時の高揚感が即座に蘇ってきた。
まだまだ、このDVDのシリーズは続き、神様カールゴッチ、鉄人ルーテーズ、大型外国人レスラー同士のダイナミックな闘い、軍団抗争の歴史など今後のラインナップにも注目。これはまさに「プロレスファン思い出の宝箱」だ。