光の射す方へ【あとがき】
1ヶ月に渡って連載していた『光の射す方へ』が無事に完結することができました。まだ400字詰めで換算していませんが、約100枚前後くらいの分量になったと思います。
あくまでも、この話はアカリ(灯)のアイディンティティの確立というテーマでした。その時に、参考というよりイメージとしてあったのが1995年から1996年にかけてヒットしたテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の弐拾五話『終わる世界』、弐拾六話『世界の中心で愛を叫んだケモノ』でした。これまでのストーリーから離れて主人公のシンジの内面描写に終始したテレビ版最終2話は、放送当時賛否両論を巻き起こしました。
もちろん、自分の思想というか思考は、この2話には到底及ばない上に、似通ったセリフや場面を組み込んでしまい情けない限りなのですが……。
さすがに、ラストの「ぼくはここにいてもいいんだ」と気がついたシンジを取り囲んだ登場人物が「おめでとう」という場面までパクる度胸は僕にはありませんが、アカリが自分の生き方を選んだ場面は、自分の稚拙な文章ながら、おめでとうと言ってあげたい場面です。
「自分の心次第ですべてが決まる」というのは自分なりにこれからも書いてみたいテーマです。とはいえ、書こうと思うたびに、お前はそんな偉そうなことが言えるほど自立した人間か? と嘲笑している自分がいます。そんな嘲笑している自分、がいざ書く段階になると一番アイディアをくれるのですから、不思議な奴です。
これからの予定ですが、5月5日、6日、7日にショートショートを掲載し、8日から連載をしたいと思っています。次回作も、また読んでいただければ幸いです。
2012年5月4日 弐式
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