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'12/5/4

重文の仏像5体修復へ 尾道



 尾道市教委などは市内の広島県と市の重要文化財の仏像3件、計5体を本年度修復する。同じ年度に3件も修復するのは初めて。文化財を核にしたまちづくりの一環に位置付ける。

 対象は県重文が西郷寺(東久保町)の「木造一鎮上人坐像(ざぞう)」。市重文が同寺の本尊「木造阿弥陀(あみだ)三尊像」と常称寺(西久保町)の本尊「木造阿弥陀如来立像」。

 いずれも南北朝時代(14世紀)の制作で寄木造。本格的な修復は初めてとみられ、亀裂が入るなど経年劣化が著しい。

 修復には専門業者が当たる。費用は、県重文の坐像が約240万円の全額を住友財団(東京)からの助成で賄う。常称寺本尊の約770万円、西郷寺本尊の約630万円は、それぞれ市と所有者が半額ずつ負担する。

 市は市歴史文化基本構想の策定に向け、2008年度から市内の文化財の調査を進めてきた。10年度に構想をまとめた後も続け、これまでに56寺院の仏像計1390体を調べた。一部で損傷が分かり、今回の修復につながった。

 市教委文化振興課は「指定、未指定にかかわらず価値のある文化財の保存・継承に努める。来年度以降は仏画の修復なども検討したい」としている。

【写真説明】修復される西郷寺の本尊「木造阿弥陀三尊像」。手前の観音菩薩(ぼさつ)は右腕がとれ、体も前に傾いている




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