原発ゼロ:いら立ち募らす経済界 「1年たっても政府は無策」

2012年05月04日

 自動車業界では、従業員の生活にしわ寄せがいく「(昨年のような)輪番はとても無理」(大手自動車幹部)との見方が増えている。昨年は、平日のピーク電力使用量を下げるため休日に出勤する体制をとったが、「3カ月間、家族との時間が削られた。震災直後だから我慢したが、今年は勘弁してほしい」(トヨタ自動車社員)との声も多い。日本自動車工業会の志賀俊之会長(日産自動車最高執行責任者)は4月の記者会見で「従業員や家族の生活にも多大な負担をかけた。(政府は休日シフトを)期待せずに安定供給できるよう対応をとってほしい」と求めた。

 大飯原発の再稼働が不透明で「猛暑なら計画停電」とも伝えられる関西電力管内ではさらに事態は深刻だ。各企業は「自衛策」で乗り切ろうと知恵を絞るが限界も見えている。

 三菱自動車の益子修社長は4月26日の決算発表の記者会見で、京都工場で休止中の自家発電装置を稼働させる方針を明らかにした。改修などに2億6000万円の費用がかかるが「電力供給不安を深刻にとらえている。生産維持のためにはやむを得ない」とため息をついた。

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

まいまいクラブ

毎日RT

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞のCM

毎日新聞Androidアプリ