国内で唯一運転している原子力発電所、北海道電力泊原発3号機(北海道泊村、出力91.2万キロワット)が5日深夜、発電を停止して定期検査に入る。これで国内の原発50基がすべて止まる。全原発が止まるのは1970年以来、42年ぶり。政府は電力危機を回避するため、関西電力大飯原発3、4号機の早期再稼働をめざしているが、めどは立っていない。
北海道電力によると、泊3号機は5日午後11時ごろに発電を止め、6日午前2時ごろに原子炉が停止する。7日には原子炉が冷えた冷温停止になる。
東日本大震災前、国内には原発が54基あったが、東京電力福島第一1〜4号機が事故を起こして先月、廃止された。福島第二や東北電力女川なども被災し、停止した。
被災を免れて運転を続けた原発も、定期検査の時期を迎えて順次停止。事故で原発の安全基準の全面的な見直しが必要になった影響で、再稼働できなくなった。3月に東京電力柏崎刈羽6号機が定期検査に入ってからは、運転を続ける原発は泊3号機だけになっていた。