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【賢者に学ぶ】哲学者・適菜収 素人の暴走と価値の錯乱
畜群はまさに《B層》である。真っ当な価値判断ができない人々だ。彼ら《B層》は、圧倒的な自信の下、自分たちの浅薄な価値観を社会に押し付けようとする。そして、無知であることに恥じらいをもたず、素人であることに誇りをもつ。ありとあらゆるプロの領域、職人の領域が侵食され、しまいには素人が社会を導こうと決心する。これこそがニーチェが警鐘を鳴らした近代大衆社会の最終的な姿だ。
与党政府も素人に陥落されつつある。前防衛相の一川保夫は「(自分は)安全保障の素人」と誇らしげに語り、続いて防衛相になった田中直紀は素人以前の「ド素人」だった。閣僚から地方首長にいたるまで政治家の劣化が急速に進んだ背景には、《偽装した神=近代イデオロギー》による価値の錯乱という問題が潜んでいる。(てきな おさむ)
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